2024年1月22日月曜日

スタートライン

  個人的にまだまだ年明け気分が抜けてなくて真面目な話をしたい気分でもないのですが、書くと宣言した以上やはりイスラエルの事を書かなきゃなと思いまして。


 もう最初に言っときますが今回の内容に面白いところはひとつもあ
りません。
 ただ、それでもこの話をしようと思ったのは、大概の日本人はイス
ラエルで今起こっている事について悲しいとか恐ろしいとか残念だとかいう感情は抱いているとは言っても、やはり遥か遠くの国で知らない人同士が戦っていて、身近な問題とは思えていないだろうと思ったからなんですよね。

 さて、今回は基本のキ、「流石にそれぐらいは知ってるよ」と思わ
れる様な事から言及していきます。ご了承ください。

 まず、イスラエルというのは基本的にユダヤ人の国だという事を確
認しておきます。

 ユダヤ教という宗教がありますよね。
 これは端的に言うと「ユダヤ人こそが神の祝福をうけて世界の王者
となる民族だ」という、言ってしまえば選民思想的なものです。
 まさか現在のユダヤ人の方々が本気で「天下獲ったんで!」なんて
思ってはいないとは思いますが、そういうユダヤ教というものがあるのだという事。

 イスラエルという言葉がイスラムと響きが似ているので、イスラエ
ルをイスラム教の国と思っている方もいるかもしれないと思ったので、一応確認しておきました。
 イスラエルというのは「神が支配する」とか「神は勝利される」と
いった意味なんだそうです。

 で、そのユダヤ人国家イスラエルの中にパレスチナ自治区という所
があって、そこに住んでるパレスチナ人と呼ばれる人達が基本的にイスラム教徒なんですね。
 パレスチナというのは何なのかというと、これは現在イスラエルが
ある辺りの古くからの呼び名、地名なんです。
 ここがちょっとややこしいんですけど、パレスチナ人を支持する中
東の国々の常套句が「イスラエル以前からパレスチナはあったのだ。」という言い方なんです。

 ユダヤ人と聞いて多くの人が連想するであろう事が、ナチスによる
ユダヤ人虐殺でしょう。
 イスラエルという国が成立したのは第二次世界大戦直後で、そこに
はやはりユダヤ人に対する同情的な意識が高まった事もひとつの要因だと言えると思います。

 国家としての歴史でいうならかなり浅いイスラエルですが、何故そ
こにユダヤ人の国が作られたのかというとエルサレムという場所が紀元前の大昔からユダヤ教の聖地だったからですね。
 そのエルサレムを中心にしてイスラエルが成立しています。

 エルサレムは元々ユダヤ教の聖地だったのですが、そのユダヤ教を
ベースとしてキリスト教が作られまして。
 ユダヤ教の聖典を「旧約聖書」と呼ぶのはそのためですね。
 キリスト教が徐々に広まった結果、ローマ帝国が自国の国教をキリ
スト教と定めるに至ります。
 詳しくは別の機会に説明しますが、この時点でユダヤ人の迫害とい
うのがもう始まります。

 で、ユダヤ教がベースのキリスト教にとってもエルサレムは聖地な
ので、エルサレムはキリスト教勢力下に置かれます。
 ところがその後、更にイスラム教ができて、勢力を拡大していきま
す。
 実はイスラム教もユダヤ教やキリスト教の影響下でできた宗教なの
で、イスラム教にとってもエルサレムは聖地のひとつなんですね。
 拡大したイスラム教勢力によってエルサレムは占拠され、これを取
り戻す為にキリスト教勢力は何度も兵を送ります。これが十字軍遠征ですね。
 しかしこの十字軍遠征ではエルサレムは取り戻せなかったんです。

 中世代からずっとエルサレムはイスラム教勢力下となっていたので
すが、18世紀終盤にはエルサレム周辺のパレスチナは実際はかなり荒廃してしまっていて、そこを財を成したユダヤ人が少しずつ地主から買い戻したりはしていたんです。

 そして第一次世界大戦の最中に、パレスチナを占領下においていた
イギリスが、この時点でここにユダヤ人国家を作る約束というのを既にしています。

 で、ナチスのホロコースト、第二次世界大戦でのドイツ敗戦を経て
イスラエルが成立となりユダヤ人が入植してくるのですが、そうは言ってもそれまで何世紀もここに住んでいたイスラム教徒の人達、所謂パレスチナ人の人達もいる訳ですよね。
 このパレスチナ人達をイスラエル国内の特定の場所、自治区に住ま
わせると国連が決議したというのが今に繋がってるんです。

 イスラエルの成立にはイギリスが主導的役割を果たすのですが、こ
の時のイギリスのやり口は「三枚舌外交」と呼ばれ、イスラエル建国に反対したイスラム教国、中東諸国の反発は第一次中東戦争にまで発展してしまいます。
 しかしアメリカがイスラエル側に回った事で中東諸国にとってイス
ラエルと戦うというのはデメリットが大きくなり、アラブ諸国はイスラエルに対して非難的な態度は崩さないものの、中東戦争は休戦となりました。

 こうした火種を抱えたイスラエルとパレスチナは、一時はそれでも
歩み寄りをみせます。
 元々パレスチナのゲリラ指導者だったアラファト議長が当時のイス
ラエル首相のラビンと和平(オスロ合意)を成立させ、ノーベル平和賞をも受賞したのですが、その後ラビンが暗殺され和平は脆くも崩れ去り、ハマスやヒズボラといった過激な反イスラエル勢力が活発化していき、現在の状態に至ってしまっているというのが現状です。

 さて、滅茶苦茶端折って現状というところまで言及したところでで
すね。

 俺は以前このブログにイスラエルの事を書いた時、イスラエルの地
図を見てみてほしいと言いましたよね。

 見てみるとイスラエルという国は南北に長い形をしていますよね。
 で、その中のパレスチナ自治区というのがどうなってるかというと
、二ヶ所あるのがわかると思います。

 南北に長いイスラエルの国土の真ん中ら辺、その東半分くらいが所
謂ヨルダン川西岸地区と呼ばれるパレスチナ自治区ですね。
 これはイスラム教にとっても聖地であるエルサレムを東と西で分割
して、イスラエルとパレスチナ両方がエルサレムを治めている状態にする為ですよね。

 で、ユダヤ人国家であるイスラエルの中に自治区を設けてパレスチ
ナ人を住まわせているという事を知った上でこのヨルダン川西岸地区を見た時、皆さんどう思いました?
 俺は「結構広いんだな。」と思ったんですよね。
 もっと狭い所に押し込められてるイメージでした。

 そしてもうひとつ、イスラエルの西の端の角に、ヨルダン川西岸地
区と比べると随分小さい、長さ50km程度、幅は最大でも8kmぐらいしかない細長いパレスチナ自治区があります。
 これがガザ地区です。
 ここをハマスが実効支配している。

 知ってほしいのは、イスラエルの標的はハマスであってパレスチナ
人全てではないという事なんです。
 ガザ地区よりもずっと広いヨルダン川西岸地区にまで攻撃をくわえ
て「パレスチナ人なんざ皆殺しだ!」なんて事はしてないんですよね。

 そうは言っても、実際イスラエルはガザ地区で民間人を沢山手にか
けているじゃないかと思うでしょうが、これは逆に言えばハマスが民間人に紛れ、民間人を盾にしている事の証とも言えます。

 この様な事を書くと「お前はイスラエルを擁護するのか」と言われ
てしまいそうですが、以前も述べた通り、俺はどちらも間違っていると思ってるし、何なら人間みんな正しくなんかないと思っていますよ。
 ただ、報道だけ見てるとイスラエルが酷い事をやっているだけみた
いな印象を持つ人が沢山いそうだなと思ったので、こういう事を書いています。

 さて、今までのところを理解した上で、皆さんは疑問が沸いてきま
せんか?

 そんな小さな場所であるガザ地区にいるハマスが、何でイスラエル
という大きな存在と戦うなんて事ができるんだろう、と。

 イスラエルは軍事強国です。
 兵器を他国に売ったりもしてるし、核兵器を所有しているのも最早
公然の秘密です。

 実際、ガザ地区内ではせいぜいロケット砲や爆発物ぐらいしか作れ
ないと言われているのに、ハマスは何故、戦えるんだろう。

 俺は以前このブログで、「本当に悪いのは誰だろうね」と書きまし
たよね。

 もうお分かりでしょうが、ハマスに武器を供与している者がいると
いう事ですよね。

 イスラエルに憎しみの感情を持つパレスチナ人に武器を売り、攻撃
させる。
 攻撃をうけたイスラエルは報復しますよね。
 ハマスは自分達に道理があると思ってるから、イスラエルの報復に
怒りを募らせ、更に武器を求める。
 憎しみのスパイラルで武器が売れ続ける。
 人の憎しみの感情、奪われる命を餌にして、金儲けをし続ける者が
いるという事を、我々は頭に入れておかないといけないんです。

 そして、そのハマスが使っている武器に、北朝鮮製のものがあると
いう情報があるんです。

 ほら、遥か遠くの国で起こっている事だと思ってた事が、いきなり
目の前に現れたでしょ?

 現在日本政府は防衛費を拡大する為に増税するタイミングを窺って
いて、首相は「増税メガネ」なんて揶揄されてますが、何で防衛費を増やさなきゃなんないと考えているかというと中国や北朝鮮の脅威がリアリティを増していっている状況下で、防空ミサイルをアメリカから買うお金を捻出したいからですよね。

 北朝鮮って国民が食うのも困ってる筈なのに、何であんなにミサイ
ル実験ばっかりやってるんだろうと思ってませんでしたか?
 勿論アメリカに対するアピールという面もありますが、北朝鮮製の
兵器が高性能だと思われればそこに需要が生まれ、金儲けに繋がる訳ですよね。
 そうして手にした金を使って更に自国の兵器を増強していけば、い
ずれは北朝鮮に敵対している国々も脅せる立場に立てる様になるかもしれない。
 その「北朝鮮に敵対している国々」には当然日本も含まれるよ、と
いう事です。

 遠くで知らない人同士が戦っていて、身近な問題とは思えてなかっ
たイスラエルの紛争は、実は我々の目の前の危機と繋がってる話だという事をちゃんと解っていただきたいというのが、俺がこの話をしなきゃと考えた理由たったのでした。

 という訳で、全然面白くない話を延々と書いた事をお許しいただき
たい。

 今後は今まで通り、なるべく面白い話を中心にやっていける様にし
つつ、でもここまで書いたんだから今回の事はスタートラインとして、やっぱりキリスト教の話まではしないとな、なんて思ってます。

 流石に今回は堅苦し過ぎたので、最後にちゃんとふざけます。

 今までの人生で一番ハマったAV女優は上原瑞穂です。
 辻本杏も捨てがたいです。

 おしまい。