2020年9月21日月曜日

ラスアス2炎上に思う vol.3

 ラスアス2炎上に思うvol.2 の続き

 ところがねぇ、このラスアス2の世間の評価は、炎上といって差し支えない様な状況なんですよ。
 グラフィックの面、ゲームプレイ(遊びとしての楽しさ)の面では悪く言っている人はほぼいなくて、シナリオの面で「許せない」と言ってる人達が沢山いるんです。

 やはりジョエルがあっという間に殺されてしまうのが気に入らないというんですね。
 前作で何十時間も操作して感情移入して、思い入れたっぷりな主人公。このジョエルをまた操作してゲームかできるという期待に胸踊らせていたのに、いともあっさり殺されてしまう。
 しかも、そのジョエルを惨殺したアビーを操作させられるという苦痛。何でこの憎き仇をゲーム内で生存させる為に苦心してプレイしなきゃならないのか、というのが「こんなのをやりたかったんじゃない!」という事らしい。
 そのアビーも、可憐な少女とかじゃなくゴリラ姉さんていう。

 ただなぁ、前作で作り手側が何を描きたかったか、そこをキチンと受け取っていれば、ジョエルが死ぬのって「やっぱりか」と思えると思うんだよなぁ。
 ジョエルがやった事って、やっぱり到底許される事じゃなくて、そのジョエルがのうのうと生き続けて、なんなら生きる為にまた他者を手にかける様な真似を、ゲームとはいえやらせて良いものかどうか。
 俺が作り手だったとしても、やっぱりジョエルは早々に死んでもらう事にすると思うんだよねぇ。俺的には、納得感しかない。
 ていうか、ラスアス2でまたジョエルを操作して前作と同じ様に遊べると思ってた人達って、前作のラストをどういう感情でプレイしたんだろう。
 「やってはいけない、でも止められない」が、このゲームを名作たらしめた肝だと俺は思ってたんだけど、この人達はあの場面を「やったーエリーを助けられるぞ! 邪魔する奴らはバンバン殺してやるぜ!」って感じだったの?
 そこに俺は恐怖すら覚えるんだよ。やべぇよそんなヤツ。

 その前作の作り手の意図をキチンと受け取っている人なら、アビーの側にもちゃんと感情移入できると思いますよ。
 あ、因みに、アビーの見た目がゴリラ姉さんなのも、最後に「あ、この為か」と納得いくと思います。
 筋肉ムキムキで、ついでに言うと長い髪を編み込んで後ろで一本に纏めた特徴的な髪型をアビーはしているんですけど、で、最後の最後、「よくもまあ、こんな事プレイヤーにさせるなぁ」という場面がやってくるんですけど、その場面を更に強烈に印象付ける為の演出というのがあって、「これをやりたかったのか」と、疑問が氷解しますよ。

 て事で、ラスアス2の世間での酷評を見て「じゃあやらなくていいや」と思ってた人達には、そんな事無いから是非遊んでみてと言いたいですね。だってpart3もみたいじゃん!

 勿論、「興味は沸いたけど、ゲームで遊ぶのはちょっと」という方は、YouTubeなんかでプレイ動画を観てみるのも全然OKだと思いますよ。

 何しろ長々と偉そうに語っている俺自信、「あいろん」さんの動画観ただけで、自分であそんでねぇし。(オイ)

 おしまい

2020年9月8日火曜日

ラスアス2炎上に思う vol.2

ラスアス2炎上に思うvol.1 の続き

  この一作で完結の筈だったラスアスの、世界中が待ち望んだ続編が、遂に今年発売となったのです。

 ラスアス2では冒頭、ジョエルとエリーが、ジョエルの弟が作ったコミュニティで暮らしている様子が描かれます。
 勿論、ジョエルが前作の最後で何をしたのかは秘密です。当たり前ですよね。ジョエルは「世界の敵」なんですから。他者に知られる訳にはいかないんです。
 ジョエルの正体を知っているのはジョエルの弟のトミーとその奥さん、それとエリーだけです。
 そのコミュニティでの暮らしが少し描かれた後、プレイヤーは突然、アビーという見知らぬ女性を操作させられます。
 このアビーという女性、美人でもなければ可愛くもない、ムキムキに鍛えられたおばさんなんです。おばさんは言い過ぎかなw まあ、酷い言い方してしまうとゴリラ姉さんって感じの。
 このアビーを操作して感染者を撃退するというパートが、ちょっとあるの。

 で、ここからとんでもないネタバレになるんで申し訳ないのですが、このアビーによって、ジョエルは殺されます。それも、かなり残酷なやり方で。しかも、エリーの目の前で。

 ラスアス2、もうゲームが始まった途端にあっという間にジョエルが死ぬんです。

 勿論、この時点でアビーという人物が何者なのかは全くわからないのですが、前作のラストを知っているプレイヤーなら、何となく察するところがある筈なんですよね。「世界の敵」なんだもの、ジョエル。

 という訳で、突如現れてジョエルを殺して去っていったアビーに復讐を誓うエリーの物語が展開されていく事になるのですが、一方で、アビーの方の物語も描かれていくんですね。
 アビーが何者で、彼女の身に何があってジョエルを殺す事になったのかという過去の部分と、現在おかれている状況、立場。
 そこに今度は自分を殺そうという復讐者が迫ってくるという。
 エリーとアビーという、二人の女性を操作してストーリーを進めていき、例によって最後には、「こんな事したくないのにゲームプレイは止められない」という状況にプレイヤーは追い込まれていくんです。

 俺的には、正にラスアスの続編を作るというテーマに真っ正面から挑んだ作品だという評価でした。
 不満点といえば、この世界の救済という部分が、今作では全然描かれてなかったというところかな。前作では、そこが根幹でしたからね。だから、是非part3も作っていただいて、そこもきちんと描いてほしい。
 あとはシナリオ的に、対比構造がちょっとしつこかったかなぁ、と。
 エリーとアビーという二人の女性の共通する部分と真逆な部分。更にはアビーと、そのアビーが殺したジョエルとも、共通する部分と真逆な部分という、対比構造というのがこの作品中で徹底して描かれていくんですが、ちょっとねぇ、やり過ぎ感があるっていうか、そこまでいくとちょっと不自然かもと思えるところはありました。
 でも、そんな不満点を帳消しにして余りある程の魅力のある作品で、また凄い物を見せてもらったというのが、俺の感想。


vol.3 へ続く