2021年2月22日月曜日

更にガンダムの話 vol.3

 vol.2 の続き

  俺が今まで挙げた以外の作品は、スピンオフだったり、若しくはファーストガンダムからの流れとは全然関係ないお話だったりするんですよ、実は。

 具体的に言うと先ず、「ジ・オリジン」というのがあります。
 これはファーストガンダムのキャラクターデザイナー兼、作画のトップを務めていた安彦良和さんという方がいまして、この方は現在は主に漫画家として活躍されているんですけど、この安彦さんがファーストガンダムをコミカライズして、ついでに俺が今回書いたバックグラウンド、ファーストガンダムの設定部分でしかなかったところを独自に再解釈、大幅に肉付けして描いたものです。
 で、この中からテレビ、映画のファーストガンダムでは描かれなかった「ファーストガンダム以前の部分」のみ、アニメ化されています。
 一時間ぐらいのサイズの作品が十編ぐらいあった筈なので、まあこれも余裕があればという感じですね。
 あくまでも安彦さんなりの解釈で、富野さんはノータッチの作品です。

 それから「08小隊」、「ポケットの中の戦争」というOVAがあります。
 OVAというのは所謂Vシネマのアニメ版みたいなものです。テレビでも映画でもないビデオ作品。
 この二つは一年戦争中に起こった出来事ですな。スピンオフ。ノー富野。

 それから、0083という作品。
 これは一年戦争とZの間のお話。
 面白いけど突っ込みどころも多めかな。ノー富野。

 更にはガンダムU.Cというのもありまして、これは小説家の福井晴敏さんという方(「亡国のイージス」という小説が有名ですね。)が書いた、「閃光のハサウェイ」と「F91」の間のお話ですね。
 これをガンダムの所謂正史と考えるかどうかは人によりけりというところですな。
 フルフロンタルというキャラクターがこのお話には登場するんですが、このキャラクターを受け入れられるかどうか。
 受け入れられない人にとっては「ガンダム好きな小説家の書いたヤツ」という扱いでしょうな。
 まあ、アニメ化もされてるんですが、前述した通り「閃光のハサウェイ」より後のお話ですから、後回しでOK。勿論ノー富野。

 それ以外のガンダムと名の付くもの、「SEED」とか「Vガンダム」、「Gガンダム」、「00」、「鉄血のオルフェンズ」なんてのは、ファーストガンダムからの流れとは関係のない、別の世界の別のお話です。
 それぞれ面白いのでしょうが(ワタクシ全然観た事ありませんw)、勿論「閃光のハサウェイ」を観る前に観ておかなくてはならない作品ではないですよね。

 という訳で、なんかとんでもない沼の入り口を曝しただけの様な気もしてまいりましたがw、ガンダムの最新劇場作品を楽しむ為の最速の道を示してみたつもりなので、興味が沸いたという方が一人でもいらっしゃれば幸いでございます。

 「閃光のハサウェイ」は原作小説通りならばとんでもないハイスピードバトルが展開される筈です。
 それを可能にする最新のアニメーション技術を映画館の大スクリーン、大音響で楽しもうではありませんか。
 そしてそれとともに「飛行機的な物で戦うよりも人型のロボットで戦う方が有利という名目で始まったガンダムというお話なのに、モビルスーツで戦うのが当たり前になった結果、一周廻ってモビルスーツが飛行機みたいになっとるがな!」という突っ込みを入れようではないか皆の衆!


 おしまい

2021年2月8日月曜日

更にガンダムの話 vol.2

 vol.1 の続き

 ところで、兵器って普通量産されますよね。
 同じ型の物を沢山作って軍に配備、運用されますよね。
 ガンダムって、その量産型のモビルスーツを作る為の試作機、テストモデルなんですよ。
 だから予算とか、量産の為の生産ラインへの負担なんてのを度外視して、その時の持てる知識や技術を総動員してして作られたスーパーロボットなんですな。
 これを色々テストしてみて、「ここはもっと簡略化できる」とか、「この装備を量産するのはコスト的に厳しい」とかというのを詰めてから、それをベースに、実戦に投入する為の量産型モビルスーツを漸く作るという。

 このガンダムと、それを支援する為のガンキャノン、ガンタンクという3種類のモビルスーツを、連邦軍はサイド7という民間人が普通に暮らしているスペースコロニーの中で秘密裏に開発してたんです。
 だから、この時点で連邦軍はまだ3機しかモビルスーツを持っていないんですよね。まだ量産体制には入っていないの。
 因みに、このサイド7での連邦軍の開発主任がテム・レイという人物。ガンダムの主人公のアムロ・レイのお父さんです。

 で、この極秘の筈の連邦のモビルスーツ開発を何故か何処からか嗅ぎ付けて調査にやって来たのがジオン軍の新進気鋭のパイロットであり一個中隊を率いる少佐、シャア・アズナブルですよ。
 ガンダムファンでなくとも名前を知っている赤い彗星のシャア少佐。

 このシャアの部下が乗るジオンのモビルスーツ「ザク」が、サイド7に侵入するシーンから、ガンダムの第1話は始まります。

 気付きました?

 俺が今まで長々と書き連ねてきたお話、これ全部ガンダムというストーリーの「始まる前」の部分なんです。ガンダム本編では殆ど描かれない。バックグラウンド。

 ガンダムの主要キャラクター達はアムロ含めてサイド7で普通に暮らしていた十代の少年少女で、突然戦争に巻き込まれて運命に翻弄される事になる訳ですが、視聴者も又、初見ではこのバックグラウンドの部分は知らずに観る事になる訳で、「知らない世界」に巻き込まれながら本編中で断片的に明かされる情報から、このバックグラウンドを類推していくというのも、ガンダムという作品の楽しみの一つ。

 つまり、俺がやった事は、「ネタバレ」ですw

 何してくれてんだテメェ!
 このお喋りクソ野郎!

 そんな罵詈雑言が聞こえてきそうですが大丈夫。
 このバックグラウンドを知った上で観ても、ガンダムの魅力の奪われる部分はほんの僅か。知ってても知らなくても、その素晴らしさは全然損なわれるものではないのです。

 ほらほら、観てみたくなってきたでしょ。

 とは言っても、冒頭に話した「閃光のハサウェイ」まで追いつくまでは遥か遠いんじゃないのかという疑問は解消されてませんよね。

 大丈夫。テレビで公開されたアニメを何百話も観なくても追いつけます。
 最速で行くなら、劇場公開された映画を7本観るだけでOK。これなら毎週のお休みに1本ずつ観るだけでも、「閃光のハサウェイ」公開まで充分間に合います。

 具体的に言うと「機動戦士ガンダム」のⅠ、Ⅱ、Ⅲ。
 「機動戦士Zガンダム」のⅠ、Ⅱ、Ⅲ。
 そして「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の7本。
 これだけで最低限の流れは掴める筈です。
 これ全部Netflixで観れます。Amazon prime videoでも観れた筈。

 ガンダムというお話は、最初の「機動戦士ガンダム」、所謂ファーストガンダムが宇宙世紀0079から0080までの、後に「一年戦争」と呼ばれるところが先ず描かれて、そこから数年後の話が「Z」、その直後が「ZZ」、そこから更に数年後が「逆襲のシャア」、そこからずっと時間が飛んで「F91」、そこから更にずうーーーーっと飛んで「ターンAガンダム」という流れになってます。

 で、今年公開される「閃光のハサウェイ」というのは「逆襲のシャア」の数年後の話なんですよ。
 ハサウェイというのは人名で、ファーストガンダムから登場してるキャラクター、ブライト・ノアとミライ・ヤシマとの間にできた子供でして、この子は「逆襲のシャア」に既に登場していて、その若さ故にとんでもない過ちを犯してしまっています。
 このハサウェイの「逆襲のシャア」以降の物語というのが「閃光のハサウェイ」で、原作の小説はかなり前に出版されていたんですが、ガンダム40周年という事で漸く映像化という訳なんです。

 だから、とりあえず「逆襲のシャア」まで観ておけば追いつけるんですね。

 あれ? ZZは? と思うかもしれませんが、コレ、後回しで構いません。勿論ストーリーは飛んでしまいますが、「何か色々あったんだな」ぐらいの押さえ方で良いと思います。
 ガンダムって、お話の部分は基本的に富野由悠季という方が考えておられるんですが、ZZは実は富野さんは関わってないんですよね。
 だから、なんかテイストが違うっていうのが先ずあって。
 で、ZZは映画化されてません。だから、ストーリーを知る為にはテレビで公開されたものを全部観なきゃなんないんですよね。
 更に言うと、それを全部観ても、またそこから「逆襲のシャア」までに時間が飛んでいて、そこを埋める作品は今のところ無いんです。だから、そこは結局想像で埋めるしかない。
 勿論Zからお話は直接続いていて、登場人物もそのまま継続して出てくるので、余裕がある人は観た方が良いのは当然なんですが、まあ後回しでもイケるんじゃないかと。

 いや待って、ガンダムってもっといっぱいあるでしょ。
 そう思った方もいると思います。

 vol.3 へ続く