2023年11月27日月曜日

長い話のその前に

  今年もまた、サンクスギビングデイの事は一切無視したまま「ブラックフライデーだ!」と騒ぎ立てる季節がやってまいりましたねw


 さて、ちょっと前にイスラエルの事を書こうかと思ったけど長くな
るからやめたという風にこのブログに書きましたが、やっぱり小分けにしてネタにしていこうかと思います。
 なんかね、ニュースとか見てるだけだと「…わからん。」ってなっ
ちゃってる人が沢山いそうな気がしたんですよね。

 イスラエルとパレスチナ、正確にはパレスチナの中のハマスという
組織が戦っている。
 で、ニュースを見てるとイスラエルの方が民間人の犠牲も厭わない
様なやり方、学校や病院をも標的にしていると言っていて、国連とかアラブ諸国、トルコなんかはイスラエルを非難していると報じている。
 ところが所謂西側諸国、アメリカやイギリス、フランス、ドイツな
んかは、政府としてはイスラエルを支持していると言ってて、支持はしている上で「でも、民間人の犠牲者が出るのは駄目だよね。」「民間人が避難できる様に、停戦時間を設けたら?」なんて言ってる。
 かと思ったら「あそこの病院、ありゃハマスの拠点だな。」とアメ
リカのホワイトハウスから発表があって、それを受けてイスラエルがその病院を制圧したりなんかもしてる。
 西側は政府としてはイスラエル支持な筈なのに、ニューヨークやロ
ンドンではイスラエルを非難する民間デモが起こってるとも言ってる。
 コレ、海外から見て日本はどう思われてるんだろう。
 やっぱり西側に倣ってイスラエル支持って扱いなんだろうか。
 でもニュースを見る限りイスラエルは酷い事ばかりしてるみたいに
報じられてる。
 自分はどうい立ち位置に身を置けば良いんだろう。
 人と人が殺しあってる事は悲しい、痛ましい、やめたら良いのにと
は当たり前に思うけど、それ以上の詳しい事は正直わかんない。
 ニューヨークやロンドンでデモをやってる人達は、自分達のとるべ
きスタンスというのがきっとちゃんとあった上で行動に移しているんだろうに、自分は「わかんない」なんて言ってて良いんだろうか
 それってちょっと恥ずかしい様な気がする。
 こんな風に感じている人も、ひょっとしたらいるかもしれません。

 ただ、最初にもう明言しときますけど、俺自身はイスラエルとパレ
スチナのどちらかを「こっちの方がより駄目」と言う事は出来ないと思っています。
 これは人なるものが紡いできた歴史の綾であって、パレスチナとイ
スラエルだけの問題とは言えないし、言ってしまえば「どっちも正しくなんかない」。
 と言うより、「正しい人なんていない」と俺は思っていますから。
俺自身を含めて。
 ほら、これまで数々のSF作品で、発達したコンピュータが「人間
なんて地球にとって害悪だ」と判断して人間を滅ぼそうとするというストーリーが作られてきたじゃないですか。
 人なるもののどうしようもなさは大昔から今もずっと変わらないし
、今後も、少なくとも俺達が生きてる間に変わる事なんて無い。
 だけど、自分自身の矜持というものは持っておきたいとは思うし、
その根拠となるものは知識、見識といったものなんだろうから、どうしようもない自分なりに情報というものはなるべく集めたいところではありますよね。

 とは言うものの、俺は別に専門家でも研究者でもない。
 何である程度の知識を持ってるかというと、映画やドラマ、ゲーム
といったエンタテインメント作品に触れる上で、知っておいた方がより深く楽しめるからとか、なんなら作品内で詳しく説明されてたから知ってたみたいな事でしかなくて、要するに趣味が高じてこうなっだけというのが正直なところです。

 身近なところで言うとエヴァンゲリオンとかね。
 あれってキリスト教をモチーフにしてるのはみんな分かると思うん
ですけど、耳慣れない言葉も色々出てきますよね。死海文書とか。
 キリスト教では我々人類はアダムとイヴ(エヴァ)の子孫という事
になってますけど、エヴァンゲリオンではそうではなく、人類はリリスという存在から生まれたもの、リリンであるという設定なんですよね。
 多分結構多くの人が「何じゃリリスって?」と思って調べてみたん
じゃないでしょうか。
 て、調べてみるとリリスというのはユダヤ教の経典、所謂旧約聖書
ではアダムと同時に神に作られた最初の女性だというんですよね。
 ユダヤ教においては神というのはただ一柱、ヤハウェのみで、これ
は男性神です。
 だから「自分の体を模して」男性のアダムを作るのは分かるんです
けど、実はいきなり女性も作っていて、なんならその後も動物をつがいで創造していて、理由は聖書に書いてないw
 しかもね、旧約聖書ではこのリリス、特に説明もなく出てこなくな
るんだって。
 アダムは唯一の人間としてエデンの園に暮らしていて、その様子を
見た神が「寂しそうだな」ってなってアダムの肋骨から改めて女性のイヴを作ったというの。
 で、その後ユダヤ教をベースにしてキリスト教が作られるんだけど
、キリスト教って色々後付けの追加設定がモリモリと乗っけられて、もう殆ど「聖書外伝」みたいな様相を呈していっちゃうんだけど、その追加設定でリリスは、神に創造された存在でありながら悪魔に寝返って、色んな悪魔と交わっては次々と魔物を産み出したという事にされちゃった。
 エヴァンゲリオンではそんなものを人類の産みの親と設定したとい
う事なんだけど、エヴァンゲリオンでは「神」の存在は明言しているのに「悪魔」って出てこないですよね。
 リリスは地下深くで十字架に磔にされ、仮面を被されて、胸にはロ
ンギヌスの槍が突き刺さっている。
 そのロンギヌスの槍を引き抜かれると足から人間らしきものがボタ
ボタと生まれ落ちるという描写がされてます。
 ここでロンギヌスの槍なんてモンがシレッと登場して、また何の説
明もないまま「ご存知ロンギヌスの槍」みたいに扱われてて、また俺達オタクは「何じゃロンギヌスの槍って?」と検索する、みたいな。

 また、キリスト教の後付け設定という話で言うと、エデンの園でイ
ヴをそそのかして知恵の実を食べさせた悪魔は、神の使いでありながら神に弓引く存在となった堕天使ルシファーという事にされてます。
 ここのブログで以前面白いドラマとして「ルシファー」という作品
を紹介した事がありましたよね。
 キリスト教の知識がなくても楽しめますよと書きましたが、俺みた
いなオタク気質の者はガッカリ調べずにいられないんですよw
 こうやって「何でそんな事知ってんの」みたいな人になっていくん
ですわ。

 あと、これももう結構古い作品になりましたが「ダヴィンチコード
」も随分話題になった作品ですよね。
 キリストが行動を共にした一団の中にマグダラのマリアという女性
がいて、多くの歴史研究者はこの人をキリストのパートナーなんだろうと考えている訳ですが、「汝、姦淫するなかれ」という教えのキリスト教で、結婚してないキリストにパートナーがいるというのはイカンだろうって話ですよね。
 「ダヴィンチコード」という作品では、キリストにパートナーがい
たのなら子供だっていてもおかしくないだろう、キリスト教がひた隠しにしているキリストの血縁者の存在をレオナルド・ダヴィンチは知っていて、その事実を暗に自身の作品の中に忍ばせていたという設定のお話なんですよ。
 で、この「ダヴィンチコード」という小説を映画化した際に監督を
勤めたのがロン・ハワードという人で、この人はスターウォーズのスピンオフの「ハン・ソロ」の監督だという話もこのブログでした事ありましたよね。
 ロン・ハワードの撮った映画を観たくてキリスト教に詳しくなると
いう事に繋がるという。

 イスラエルとパレスチナの話だった筈なのに、何でこの人はキリス
ト教の話をずっとしてるんだろうと思った方、いらっしゃるんじゃないでしょうか。
 実はコレ、関係があるなんてレベルの話じゃないんです。
 「イエスとは何者たったのか」を知る事が、歴史の綾というものに
ついて各々がどう捉えるかという事の大きな鍵なのですから。

 幼少期をキリスト教の保育所で過ごした俺が、最終的にはキリスト
教徒に石持て追われるような事を書く事になると思いますが、もう既に大分長くなってるので今回はここまで。

 今起こっている出来事について結局全然言及してないですが、ここ
のブログを長く続ける為に、持ってるカードはチラチラと小出しにしていきますよw
 またお決まりの台詞を書きますが、何でも調べられるスマホを持っ
ているんだから、知りたい事や興味の沸いた事は自分で調べてみたら良いんですから。
 多分次回の更新では全然違う話をし出しますからねコイツw

 流石にノーヒント過ぎるからちょっと書いときますが、先ずはイス
ラエルの地図を見てみてほしいですね。
 パレスチナ自治領というのがイスラエル国内にどんな風にあって、
その中でハマスが実効支配しているというガザ地区というのはどこなのか。
 それを知ったらハマスが何故イスラエルと戦えるかというところに
疑問が沸き上がると思うんですよ。
 以前俺がこのブログに書いた、本当に悪いのは誰なのか。
 イスラエルとパレスチナの戦いって、大抵パレスチナ側が先に攻撃
して、それに報復する様な流れでイスラエルが軍を差し向けるというのがパターンです。
 何でそんな事が起こるのかというところに気付いてほしいんです。
 はいヒントここまで。

 おしまい。

2023年11月13日月曜日

お気に入りアルバム 2023年10月

  今回は10月にリリースされたアルバムから、俺がSpotifyでお気に入り登録したものを紹介する回です。

 今月もそこそこあるのでサクサクいきましょう。

 先ずはKNOWERの「knower forever」。
 10/2にリリースされたアルバムなのですが、いきなり10月の
ハイライトがきてしまったというくらい、俺の好みにブッ刺さってしまいました。
 きちんとした音楽の素養、教養といったものを持ってる上で、ヘン
テコ要素を盛り込んだジャンル無用のポップミュージックといったサウンド。
 ヘンテコ要素を盛り込んでいてもキチンと格好良かったり心地好か
ったり美しかったりといったところに着地できているという点が、素養、教養というものを持ってるんだろうなぁと思わせてくるんですよね。
 時折見せるパロディ精神、兎に角ひたすらカッコいいベースライン
、魅力的なシンガーの声質。
 面白さという点において、今年聴いた中で随一でした。
 激お薦め。

 次はトレヴァー・ラビンの「Rio」。
 この方は元イエスのメンバー、ギタリスト/コンポーザーですね。
 イエス最大のシングルヒット曲「ロンリーハート」の作曲者です。
 もう随分前に「映画のスコアを書く仕事をしたい」と言ってバンド
を抜けてしまい、実際アルマゲドンやナショナルトレジャーといった映画のスコアを手掛けたりして、もうロックはやらないのかなと思ってたんですが、何年か前にイエスの元シンガーのジョン・アンダーソンと元キーボードのリック・ウェイクマンと一緒にツアーを敢行してロックアーティストとして健在であるところを見せてくれたと思ったら、今度はソロアルバムをリリースしたという。
 俺はそもそもこの人のファンで、イエス加入前のアルバムも買い揃
えていたぐらいなので、もう狂喜乱舞な訳ですよ。
 流石に声の艶は衰えた様に聞こえるけど、それでもキーは高い高い

 そしてギターもコレでもかと弾きまくり。
 ハイクオリティなロックが聴けるアルバムです。

 次、JOPLINの「SILVERLAKE 03」。
 これはとてもノーブルなエレクトロ。
 特に何か特別な感じというのは無くて、ただ心地好いというヤツで
、「今日はエレクトロの気分だな。何を聴こうかな。」という時に丁度良いという感じなんですよね。
 こういうのって結局人生のお供になるじゃないですか。
 例えるならピンクフロイドを聴きたくなった時に、「狂気」よりも
「あなたがここにいてほしい」に手が伸びるという様な。
 そういう立ち位置になりそうなアルバムとしてお気に入り登録しま
した。

 次、hannah diamondの「perfect pictures」。
 こちらはなんとも可愛らしいエレクトロポップ。
 変な例えをすると、Perfumeをソロにして、張り切った感じ
を抜いた、みたいな。
 これは万人受けするヤツだと思います。

 次、Chelsea Cutlerの「stellaria」。
 アコギをメインに据えたポップソング集で、歌声がちょっとビョー
クっぽい人なんですよね。
 切なげで暖かみのある曲から、その域を越える情熱的なところまで
聴かせてくれます。
 コーラスの重ね方や、空間系エフェクトのかけ具合、そしてパッド
系シンセサウンドの使い方といったもので、ゆったりとした空気感を演出しています。
 これもまた、先述のジョプリンと同じく尖ったところは全然無いん
だけど、こういうの聴きたくなるタイミングって絶対あるよねっていうヤツですな。

 次、jamila woodsの「water made us」。
 これはR&Bですね。
 スムースな曲と軽快で爽やかな曲がバランス良く入り交じっている
と思います。
 オケの作りも含めて、全体のプロダクションにセンスの良さを感じ
ます。
 そして、変な言い方だけど歌が上手過ぎないのが良い。
 勿論十分な歌唱力は備えているんですが、所謂アイコニックなR&
Bのシンガーみたいな、「ほらほら私凄い上手いでしょ? どうよどうよ。」みたいなクドさ、暑苦しさが無いのが良いと思うんですよね。

 次、Ilgen-Nurの「it's all happening」。
 ドイツ語のアーティスト名が読めませんw
 言ってしまえば如何にも女性インディアーティストっぽいポップス
/ロックといった感じ。
 声質はルーシー・デュカスを想起させる様なディープで落ち着いた
タイプです。
 曲の端々に忍ばせたアイデアがセンス良く、穏やかな曲調が多い内
容でも最後まで飽きる事なく聴き通せるアルバムでした。

 次、black pumasの「chronicles of a diamond」。
 先ずは黒人シンガーに求められるものを全て体現している様なシン
ガーの素晴らしさが際立つバンドです。
 音楽的にはソウル、ブルーズ、ファンクの格好良いとこ全部取りみ
たいなサウンドです。
 オルガンが常に最高の空気感を演出していて、そこにファズでブッ
潰れたギターが唸りを上げる。
 こんなの好きに決まってるじゃん、みたいなヤツですね。

 最後はshallouの「in touch」。
 軽快で爽やかなエレクトロです。
 所謂EDM的な心地好いテンポが多めのアルバムですが、あくまで
も爽やか路線の音楽でダンスミュージック的要素はあまり無い感じです。
 サウンドに厚みを持たすところとサッパリ風味で済ますところの判
断が的確だなぁと思いました。
 やり過ぎず、でも物足りなくもないという。
 これはウチの作曲家先生oceanfrequencyさんも多分
大好きなヤツですね。

 10月は以上のアルバムをお気に入り登録しました。

 というと、「あれ?」と思う方もいるでしょうか。
 そう、現存する最大の大物ロックバンド、ローリングストーンズの
新譜はどうなんだ、と。
 ええ、普通に曲は良いなと思いましたよ。
 ストーンズの曲の中でも分かりやすいタイプのものが多くて、誰が
聴いても良いなと思うんじゃないかなという出来だと思います。
 ただね、60年代、70年代のストーンズのアルバムを名盤と思っ
ている様な俺みたいなモンからすると、サウンドが豪華過ぎて「ストーンズっぽくないな」みたいな違和感が拭えなかったんですよね
 特にドラムはズシン、ビタンとパワフル且つタイトで、チャーリー
・ワッツのそれとは余りにも違いすぎる。
 勿論そっちの方が音楽としては優れていると言えるんですが、どう
しても「コレじゃない」感が、ね。
 ミックのソロアルバムならこれで良いと思っただろうなという感じ
でした。
 多分こんな事言うのは俺みたいなオールドファンぐらいで、皆さん
は普通に好きと感じるんじゃないかなと思うんで是非聴いてみてください。

 で、ついでに書いちゃいますけど11/3にはビートルズの最後の
曲だという「now and then」がリリースされましたが、これは明確にガッカリしました。
 別に「AIなんて所詮偽物だ!」なんてつもりはなくて、先ずシン
プルに曲が好きじゃなかったですね。
 そして、ビートルズの大きな特徴である筈の美しいハーモニーとい
うのがこの曲では聴けなかったですよね。
 この曲が世に出た経緯みたいなところは興味深いですけど、それは
それ。

 最後にネガティブな話題になってしまいましたね。
 構成失敗w

 おしまい。