xenolithがサブスク解禁されて一月程経ちましたが、このブログを読んでる方なら一度くらいはお聴きいただけたでしょうか。
まあ、聴いてなくても驚きませんけどね。
俺も学生時代、デーモン小暮(現デーモン閣下)や大槻ケンヂのオールナイトニッポンを聴いていたけど、聖飢魔IIや筋肉少女帯のCDは一枚も持ってないもんw
しかし構う事無く、今回もxenolithのお話。
いきなり訂正というか前言撤回スタート。
前回ここのブログでラブソングのギターソロを「よく覚えてない」と書きましたが、聴いてるうちに思い出しました。
cunoのレコーディングの手順って、先ずoceanfrequencyが曲と詞を作って、カラオケ状態の音源をCD-Rに焼いた物と、詞をプリントした紙を俺ん家に届けてくれる。
それで俺が曲と詞を覚えてレコーディングという事になるんだけど、ギターソロを入れて欲しい場合は詞の書いてある紙の所定の場所に「ギターソロ」と書き込んであるの。
で、俺はCDを聴いてソロを入れる場所とか尺とかキーなんかを確認して、どんなソロを弾くか考えていくんですね。
俺の場合、メロディを考えるというよりは指使いで考える。
「最初にコレをやって、次コレで、コレで締めくくろう」みたいな感じで、一音一音決めるというよりは流れを考える感じなんですよね。
そんな感じでラブソングのソロも流れを決めてレコーディングに臨んだんですけど、当日実際に弾いてみたら、尺に収まりきらなかったんですよw
何故か俺、実際の尺より長いソロを考えていってしまったんです。
なので現場で「じゃあコレとコレは省いてコレとコレとコレだけにしよう」みたいな感じで短縮バージョンに組み換えて弾いたんでした。
すっかり忘れてましたw
まあ、以前も書きましたけど、俺はギタリストとしてはへなちょこなので出来る事は限られていて、しかもその出来る事のヒキダシを前のアルバムの「ghost in the castle」という曲で全部開けてしまってるのよね。
なのでもう、基本使い回しなんですよ、フレーズの。
例えば、このラブソングのソロの最初と、その三曲後に入ってるdiscoveryって曲のソロの最初、殆ど同じ事やってますよね。
曲調がメジャーとマイナーで違うけど発想はほぼ同じで、要するに「早いパッセージのフレーズで始めよう」という事。
ちなみにこのdiscoveryのギター、事前に良いフレーズが全然浮かばないままレコーディングに臨んでしまった曲で、当日無理矢理捻り出したんですけど、イントロのソロだけで70テイク以上かかっちゃいましたw
弾いてみては「違うなぁ」だの「間違えて変な音出しちゃった」だのやってデリートしてを繰り返してたら、oceanfrequencyから「70テイク越えました」ってw
で、アウトロのソロも30テイク以上かかったから、計100テイク以上弾いてるのw
アウトロではタッピングというテクニックを使ってるんだけど、コレって俺の中では「逃げ」なんですよね。
タッピングって派手で早いフレーズが弾けるんだけど、実は凄い簡単なんですよw
初心者でも直ぐ出来るヤツなの。
「もうなんも思いつかん。タッピングでイイや。」っつって弾いたヤツなの。ナイショだよw
もうこんななんですよ、俺のギター。
もういっこバラしちゃうと、一曲目のlullabyって曲のソロなんてディープパープルのスモークオンザウォーターのリフのアレンジですからねw
ギター弾く人ならすぐ分かると思いますけど。
以前ここのブログでスモークオンザウォーターは格好いいハードロック曲じゃなくてコミックソングみたいな曲と書いたクセに、その曲をパクるというw
て感じで、俺のギターに多くを期待してはいけないんですけど、今回実はoceanfrequencyさんからドエライ無茶振りを食らいましてですね。
raceという曲がzenolithには入ってますが、コレ本当は元々全然違うタイトルで、「アルバムにインスト曲を入れたいから、このオケに合うギターを作曲して」と、約4分のデモCDを渡されたの。
ウン、無理ですw
あ、インストというのはインストゥルメンタルの略で、要するに歌の無い曲の事です。
以前にも書いた通り、俺は作曲とか出来る人じゃないんですよ。
しかも貰ったタイトルというかテーマも、あんまり自分に馴染みの無いものだったモンで、幾ら時間を貰っても全然出来なかったんです。
で、結局oceanfrequencyに正直に「出来ねぇっすw」と申告して、何個か思いついた使えそうなフレーズを録音して、それをoceanfrequencyのセンスで切り貼りして曲をでっち上げという、所謂コラージュ的な方法で行こうという事になったんです。
て、その使えそうなフレーズを録っていたらoceanfrequencyが「なんかレースって感じがしてきたな」と言い出して、その場で急にレースの曲になったんですよw
じゃあって言ってスリップストリームだのサイドバイサイドだのといったレース関連の言葉も録って、それもコラージュの素材に使ってもらって、で、ああいう曲になったの。
俺のギタリストとしてのへなちょこさが産んだ曲なんですね。
まあこれで、もうoceanfrequencyも俺に作曲しろとか無茶を言うのは諦めてくれるでしょう。てか、諦めてくださいw
こうして出来上がったraceなんですが、出来上がってリリースしてしまってからあれこれアイデアが出てきてしまって、ちょっと反省も残ってる曲です、個人的に。
結構その場のノリで作っちゃったんで、後から言葉の部分を別のマイクで録れば良かったなとか、エフェクトのかけ方もレース会場の場内アナウンスっぽい感じとか、テレビ中継の実況みたいにしたりとか、あと声をピッチシフターで音程変えるとかして、コラージュ感をもっと強く出した方がソレっぽくなったんじゃないかなぁ。
まあこの辺は今後に活かせれば良いかなと思います。
て事で、今回はギターが下手な人の言い訳コーナーでした。
まだxenolithの裏話は幾つかあるので、次回に続きます。
聴いてねxenolith。
おしまい
2021年8月23日月曜日
ギタリストを募集した方が良いかもしれない人達
2021年8月9日月曜日
ラブソング
前回の予告通り、YouTubeにxenolithからの2曲目のPV、「ラブソング」を公開しました。(oceanfrequencyがw)
折角ですので今回はこのラブソングのエピソードを。
聴いていただいて、出来れば軽く口ずさんでいただくとお分かりいただけると思うんですが、この曲はキーがバカっ高いんですよ。
しかも歌い出しからいきなり高い。
なにしろクリスタルキングの「大都会」より高い音が出てきますからね。
だもんだから、俺はある程度緊張感を持ってレコーディングに臨んだんですよ。「今日の曲、いきなり高いんだよなぁ…」って。
なのにね、ウチの作曲家先生ったら、レコーディング準備の作業しながら、すげぇ気の抜けた言い方で「今日高い所あった~?」って聞いてきたんですよ、歌う前の俺に
w
もうね、2秒位黙りましたよね。「…???」って。
で、「た、高いよ?」って言って、軽く歌ってみせたら「ホントだ。cuno史上一番高いんじゃない?」だってw
アンタ、自覚無しで作っとったんかい。
なんかどうもね、あの人は未だによく分かってないフシがあるんだなぁ。
鍵盤の位置で「ここまでは出せる、使える音」と思っていて、そこまでなら幾らでもコントロール可能ぐらいな意識で作曲してるみたいなの。
こっちは人の身体という「柔らかいモノ」をコントロールしていて、人が動くというのは勿論、すべからく筋肉を使った行為なんだからさ。鍵盤を押すと音が出てくる楽器とは違うんですよw
しかも、年々年老いていってるオジサンな訳w
実際この曲は一度目のレコーディングでは納得いくテイクが録れずに、後日喉の調子の良い日に録り直して完成してるんですよ。
そんな苦労をして出来上がったラブソングなんですが、どうでしょう、パッと聴いた感じ、そんなに高いキーの曲に聞こえないとは思いませんか?
クリスタルキングの「大都会」より高いと聞いて、意外に思った方もいるかも知れません。
クリスタルキングの人の声ってガツンと強烈に来るから、聴くと「うぉっ、スゲェ」ってなりますもんね。
これは俺の声質の特徴というか、自分で「損な声質だなぁ」と思う点なんですけど、俺の声って良く言えばマイルドで温かみのある声と言えるかもですけど(自分で良く言うな)、鋭さには欠けていて前に出てこない感じなんですよね。
歌ってる時はメチャメチャ必死で歌ってるのに、出来上がったのを聴いてみると何かそんな感じしないんだよなぁ。頑張ってるんだけどなぁw
あと、この曲の終盤に入ってるギターソロの事、よく覚えてないですw
深く考えずに「こんな感じでどうかな」って弾いてみたのがスンナリ嵌まったパターンだったんだと思います。短いしね。
そっちよりも中間に入ってるロングトーンのギターの方が苦労した記憶がある。
アレってE-BOWサスティナーっていう物を使ってギターの弦を振動しっぱなしにしてるんですけど、左手で音程を変える時に音が途切れてしまったりして何度かテイクを費やしたんだったと思います。
そんなこんなで出来上がったラブソングなんですが、さて、何故この曲のタイトルは「ラブソング」なんでしょう。
お気づきでしょうか。
xenolithに収録されている曲は全て、アルファベット表記で1ワードのタイトルとなっています。
この曲を除いて。
この曲の中にも「まち」が出てきますが、この「まち」はxenolithなのでしょうか?
ちょっと違う雰囲気がします。
実はこの曲は、xenolithというコンセプトとは「そぐわなさ」があるという事でアルバムから外されそうになったり(必死で歌ったのにw)、タイトルを「song」に変えられそうになったりと、紆余曲折あった曲だったりします。
なんですけど、結局収録に至りました。
それも、この曲だけ片仮名タイトルという特別な役割を持って。
と言うか、それを可能にするアイデアを見つけたという方が正確かな。
xenolithというアルバムのコンセプトに上手く当て嵌める事が出来ました。
頑張って歌ったのに没にならなくて良かったw
まあ、もう一つ、片仮名でラブソングだと検索に引っ掛かり易いんじゃないかっていうイヤらしい計算が無かったかっていうとゴニョゴニョ…(オイ)
という感じで、今回はラブソングの裏話的な事を書いてみました。
今後もxenolith裏話をちょこちょこ出していこうかなと思います。
聴いてね、xenolith。
おしまい