2026年10月26日月曜日

雑談 ディスクロージャーデイ感想など

 こんにちはkazuitです。
 札幌はもう寒いです笑
 この原稿書いてるのが10/21なんですけど、天気予報によると
明日の気温がなんと終日一桁らしいです。
 お洋服好きとしては楽しい季節ではあるんですけどね。

 さて今回は映画「ディスクロージャーデイ」を観てきたので感想を
書きつつ、多分それだけじゃ短いだろうから何か他にも書こうかななどと弛く考えながら書き出しておりますよ。

 という事でディスクロージャーデイです。
 監督はご存知スピルバーグ。
 で、予告映像をご覧になった方も多いと思いますが宇宙人ネタの映
画でございます。
 スピルバーグといえば「未知との遭遇」や「E.T」で人類と宇宙
人との出会いを描いてきた監督でして、その監督の最新版の宇宙人ネタ映画という事ですよね。
 で、タイトルが「ディスクロージャーデイ」。
 ディスクロージャーというのは「公表」とか「情報開示」という意
味ですよね。
 よし、じゃあ今からたった一言でこの映画をディスりたいと思いま
す(またかよ)。

 オチが弱い!

 だってね、タイトル見たら今まで隠されてきた宇宙人の情報が世間
に明らかにされる話だって事は察しが付くじゃないですか、誰だって。
 で、その上で「そうなったらどうなるの?」と思って観てたら、そ
こは描かずに終わっちゃうんですよ笑
 「とうとう宇宙人の存在が世間に詳らかになりました! おしまい。」なの。
 もう普通に映画館で「あ、終わりなの?」って口に出して言いそう
になったわ笑

 そのほかにも色々突っ込みどころとか、結構納得いかないところも
多くて、例えば宇宙人の存在を隠したい側の人達は「今の人類にそれをバラしたらパニックになっちゃう」という風に考えて内緒にしてるんですが、そのクセちゃっかりと自分達は宇宙人の技術を頂いて使ってるんですよ。
 で、その技術というのが「いや、それがあるなら宇宙人さん直接地
球に来なくてよくない?」ってヤツなんですよ。
 あと、これは未知との遭遇とかもそうなんですけど、宇宙人の目的
も分からんし高度な技術を持ってる筈なのになんだかアホっぽい。
 「何しにきたんだよ。」というのが素直な感想なんだよなぁ。     
 正直話の内容が薄い映画というか深みというのを感じなかったんで
すよね。

 映像表現としても「古臭くない?」というところとかあって。
 宇宙人の凄い技術=謎に光る、とかね笑
 それとアクションムービーでコレを入れとけばハラハラ展開には持
っていけるぞという鉄板ネタの列車が絡んでくるアクションシーンがこの映画にもあるんですけど、これがなんとも迫力が無くて全然ハラハラできなかったです。
 映像が安定し過ぎていて「安全な環境で撮影したんだろうなぁ」っ
ていう、まあそりゃそうなんだけども笑、その映像をあえてブレさせる事で迫力って出せるじゃないですか。
 ゲームをやる人ならゲーム中のムービーシーンで観た事があると思
うんですけど、完全にCGだけで作られてそこにカメラなんて存在してない筈の映像に、あたかも実際にカメラがそこにあって衝撃とか爆風を受けたかの様に画が揺れるという演出がされるというのが今や当たり前になっていて、その映像のブレというのはソフト化されていて後付けで加工できちゃうものなんですよ。
 映画ファンってそんなのをもう見慣れちゃってるから、ブレてない
安定したアクションシーンの映像だと「何故そうした」ってなっちゃうんですよね。
 こういうのって「ベテランだから」で済ますのはどうかと思います
、個人的に。
 リドリー・スコットはちゃんとやってたぞ!

 宇宙人と人類との出会いを描いた映画というと、古いものだと19
97年のロバート・ゼメキス監督、ジョディ・フォスター主演の「コンタクト」とか、比較的新しいところでは2016年のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、エイミー・アダムス主演の「メッセージ」(これも原題は「arrival」ですが)あたりが名作という扱いだと思うんですが、今回の「ディスクロージャーデイ」がそれらに並ぶ様な作品とは俺には思えないなぁ。
 あ、でも役者さん達の演技自体は良かったかも。

 う〜ん、なんだか今年はSF・アクション映画に個人的アタリが無
いなぁ。
 来月「ゴジラ−0.0」があるけど、これは映画館まで観に行くか
微妙だしなぁ 。(ドラマ部分が余計。)
 DUNEの3作目が12月でしたっけ?
 アニメだと「装甲騎兵ボトムズ 灰色の魔女」の1作目が11/20ですか。押井守かぁ……笑

 て事でここからは話題を変えて、映画以外で観たものの話をしまし
ょうかね。
 ドラマだとここ最近はずっと「BONES」を観てます。
 12シーズンも続いた名作で結構前のドラマですけど今頃観てまし
て、今8シーズン目まできたところ。
 本職は博物館の職員で法人類学者の女性主人公がFBIの捜査に協
力するという犯罪捜査モノで、まあその手のヤツの定番なんですが探偵役の主人公がまあまあの変人タイプというパターンですね。ホームズやら金田一やら「相棒」の右京さんやら。
 基本1話完結のタイプで1話毎に詰め込まれる知識量が凄いという
のが特徴なんだけどストーリー展開的にはまあまあ突っ込みどころも無くはない笑
 毎回グロい死体が出てくるので食事時には観たくないんですが、ま
あ基本面白いですよ。
 最近観たシーズン8の6話だったかに9/11を扱った回があって
、それは是非観てほしいですね。
 アメリカに暮らすムスリムの方達がどの様なマインドなのか、アメ
リカ国内でどんな風に思われてるのかというところが非常に端的に表現されてます。

 で、BONESの合間に観たのがストレンジャーシングスを作った
ダファー兄弟製作の2作品、「ザ・ボローズ」と「何かが、起きる」です。
 …なんですけど、正直どちらもあんまり印象に残ってないんですよ
ね笑
 ストレンジャーシングス程のクオリティは無かったなぁという感想
。
 「ザ・ボローズ」は町ひとつが全部老人介護施設みたいな所で、主
人公の男性がそこで暮らす事になったんだけど何か変な生物が壁の中にいるぞ、そして経営者が明白に怪しいぞ、というヤツ。
 「何かが、起きる」の方は主人公の女性が結婚する事になって婚約
者の実家に行ってそこで結婚式を挙げる為の準備をするんだけど、婚約者の家族全員なんか気持ち悪いぞっていうヤツ。
 どちらも8話完結でサクッと観られるので興味のある方はどうぞ。
(貶しといて勧めるな)

 さて、最後に全然関係ない駄話をひとつ。

 俺ね、歳も歳なんで毎年一回胃カメラ検査をしてるんですよ。
 で、先日今年の検査がありまして、朝9時からの検査で前日の夕御
飯は夜8時までに済ませておかなきゃなんなかったの。
 勿論言い付け通り8時までに食べて検査に臨んだんですが、その結
果を説明する筈のお医師さんに「胃の状態は綺麗なんですけど、」 と肝心の健康状態についての説明は2秒で終えられて、「ちゃんと8時までに夕御飯食べました? 胃の中にエノキダケが残ってましたけど。」ってめっちゃ茸の写真を見せられるっていうね笑
 エノキダケ自体が繊維質で消化されづらい事に加えて、8時までに
食べ終えなきゃっていう焦りもあったのかちゃんと噛まずに食べちゃったんでしょうね。
 もうそれはそれはキレイに形が残ったまんまのエノキダケさんが俺
の胃の中にあるのを胃カメラで激写されちゃいましたよ。
 皆さんは胃カメラの前日の夕御飯は消化の良い物を食べてください
ねという、有難い教訓をワタクシから授けて差し上げますよというお話でした。

 ハイ、今回もしょーもないオチがついたんで終わりにしますよ。
 それではまた2週間後にお会いしましょう。

 おしまい。

2026年10月12日月曜日

お気に入りアルバム 2026年9月

 こんにちはkazuitですよ。
 さてこの原稿を書いてるのは10/7という事で、今回は毎月恒例
のアルバム紹介でございます。
 9月リリースの新譜から俺がSpotifyでお気に入り登録した
スタジオアルバムをご紹介します。
 今回は4枚、その内1枚は聴き漏らしチェックで見付けた8月リリ
ースのアルバムになります。
 早速そちらから。

 antony szmierekの「decoding birdsong」。
 イギリスのアーティストで、ラップなのかと思ったらスポークンワ
ードパフォーマーと言うんだって。
 ダンス、エレクトロミュージックに合わせてなんかブツブツ言うヤ
ツ(言い方笑)。
 案外メロディも歌ってます。
 普段あまり聴かないタイプの音楽なんだけどトラックが心地良くて
珍しく「良いじゃん。」と最後まで聴けました。
 凝ってるという訳ではないんだけど気の利いたサウンドメイクとい
う感じ。

 で、ここから9月リリースの作品。

 先ずspangle call lilli lineの「lull」。
 日本のバンドの気怠げお洒落ポップスみたいな。
 音楽的な工夫もしっかりされていてバンドの演奏力も高いと思うん
ですけど、リラックスした空気感でさらりとやってのけてるみたいな感じが素敵ですね。
 所謂「やってる感」が希薄なんですよ。
 どうしても作り手とすると「ほらほら、ここ良いでしょ。」ってし
たくなっちゃうものなのに、下手すりゃぼんやりと聴いてたらただ心地好いだけの音楽に聴こえちゃうというのを、敢えて狙ってやってるんじゃないかなと思います。
 かっけぇ。

 次にsoft scienceの「sand」。
 カリフォルニアのドリームポップバンドの5年ぶりの新譜だそうで
す。
 ちょっとサイケ感があるのが良いんですよねぇ。
 少し90sみのあるシンプルなギターサウンド、優しい歌声とハー
モニー、牧歌的だけど時折捻りをみせる曲調といった特徴で、ドリームポップらしい陶酔感のある音像に浸っているのが気持ち良かったです。

 次、sofie royerの「before/after」。
 オーストリアのアーティストだそうで、音楽的にはトッド・ラング
レンを思わせる様なレトロ感のあるポップミュージックみたいな。
 ちょっとシアトリカルというかミュージカルっぽさがあるのが特徴
と感じました。
 楽しさがあるんですよね。
 シンガーとしては声質カスカスだし音程も結構怪しいんだけど、そ
れが味があって不思議と嫌じゃないんですよ。
 一種の親近感なのかなぁ。

 最後にカーリー・レイ・ジェプセンの「day and night」。
 この人はカナダ人ですね。
 このアルバム、2枚組24曲収録1時間24分という大ボリューム
の大作です。
 それなのにサラっと聴けちゃうんですよ。
 音楽的にはバラエティに富んだタイプでまあまあ実験的でもありま
す。
 基本全体にソフトではあるんですが、クドくないクイーンというか
ビートルズのサージェントペパーズとかマジカルミステリーツアーを思わせる様な曲もあるんですけど棘はなくて、かと思うとフレンチポップみたいな曲やったりブリブリにファンキーなベースの曲やったり、カントリーテイスト強めの曲やったり。
 シンガーとしては結構ハスキーな声なんですが、歌い込んだ人特有
のリアクションの良い喉を持っているという感じで、エッヂヴォイスから軽々とファルセットに行ってスルッと戻ってこれるという、歌を歌う人間としては羨ましいタイプの声質。
 この声が音楽の軽やかさというところに大いに貢献してると思いま
す。

 今回はこんなとこです。
 例によってまだ聴けてないアルバムが全然あるので随時チェック中
ですよ。

 そして例によってまた関係ない古着の話を最後に少し笑

 今バスクシャツが狙い目ですね。
 ここ最近見掛けなくなりましたがちょっと前まで40過ぎぐらいの
女性がこぞって細ピッチのボーダーのロンTを着まくっていたので、なんか「オバサンが着る服」みたいな印象が付いちゃって着るのが恥ずかしくなっちゃった人達が手放したのか、ちゃんとしたフランス製のセント・ジェームスのバスクシャツがセカストに3,000円ぐらいで転がってるのが散見される様になりました。
 元々100年以上の歴史を持つ高品質のカットソー、ボートネック
に九分丈袖というアクセサリー映えするデザインのファッション性、海風を防ぐ為の厚手の生地といったところで人気になったアイテムですから、そういう点を知ってて評価してる者としては恥ずかしげも無く堂々と着ますよっていう、そういう者にとって美味しい以外の何物でもないんですよねぇ。
 という訳でアタクシまだ持ってなかった色のヤツを1枚買い足しま
したよ。
 本来流行り廃りに関係ない定番アイテムですからね。
 所謂「こんなんいくらあっても良い」ってヤツですもん。
 特に今の時季、デニム上下にバスクシャツだけで全然成立しますか
ら。
 ファッションをお金掛けずに楽しむのって一番簡単なのは流行り廃
りに左右されない定番アイテムを、サイズ感やシルエットに気を使って組み合わせるのが結局手っ取り早いので、そういうアイテムを知っていてそれが安価に手に入るタイミングでゲットしとくというワードローブの充実のさせ方は結構賢いと思うんですよ。
 セント・ジェームスのバスクシャツがホイホイ手に入るなんて美味
し過ぎますよね、そう考えると。
 しかもバスクシャツって新品買うと洗濯したら思ったより縮んじゃ
うという失敗をするリスクがあるものなので、古着で買うのは逆にアリだと思いますよ、「人のお古を着るのは抵抗ある」という人でなければ。
 という事でセカストへ急げ!
 俺も良い色のがあればまた買うかもです。
 セレクトショップ別注とかで珍しい色の組み合わせとか偶に出てく
るんですよね。
 まあこうやって散財してくんですけどね笑
 ギャフン!

 はい、毎度お馴染み、しょーもないオチで今回も終わりにしますよ
。
 ではまた次回。

 おしまい。

2026年9月28日月曜日

映画オデュッセイア感想書いちゃう。

 こんにちはkazuitです。
 なんだか今年は台風の当たり年みたいで関東圏とか、特に千葉が大
変な事になっている様で皆さんご無事でしょうか。
 我々cunoの暮らす札幌はというと全くもって穏やかでして、こ
こ何年か「秋どこいった? なんか秋らしい日2日ぐらいしか無くなかった?」みたいな感じだったのが、今年はお盆過ぎあたりから25℃にいくかいかないかという日が続いていて、快適な秋を満喫出来ております。
 なんかすいません。

 さて、今回はタイトル通り映画オデュッセイアを観てきたので感想
を書きたいと思います。

 この映画の監督はクリストファー・ノーラン。
 クリスチャン・ベールがバットマン役を演じた3作やインセプショ
ン、インターステラーなんかで人気の監督ですね。
 時間軸をずらしたり入れ替える様な演出が得意というイメージの人
です。
 あと特徴というと長い笑
 3時間の映画を平気で作ってしまうので、知らずに映画館に観に行
くと終盤尿意との戦いになっちゃって映画に集中できなくなるというところは要注意の監督でもあります。

 で、このオデュッセイアは現在世界中で大ヒット中なのですが、そ
れを今からたった一言でディスりたいと思います笑

 地味!

 原作のオデュッセイアというのは元々小説ではなくて叙事詩です。
 叙事詩というのは吟遊詩人が歌う歌の事で、作者は約2800年前
の吟遊詩人ホメロス。
 かの有名なトロイの木馬作戦の発案者オデュッセウスの事を歌った
長大な叙事詩の台本みたいなものと考えると分かりやすいかなと思います。
 オデュッセウスの歌だからオデュッセイア。
 じゃあ何でそんなものが作られたかというとオデュッセウスが後世
に歌い継がれるべき英雄だからですね。
 勿論トロイア戦争という10年も続いた戦争を終わらせたという点
でも英雄なのですが、このオデュッセイアというのはそのあと、戦場から故郷に帰り着くまでに更に10年かかってしまったオデュッセウスの身に何があったのかというところを描いた、所謂英雄譚というヤツです。
 そしてもう一つの要素としてギリシャ神話でもあるんですね。
 この話、舞台となってるのは約3200年前の青銅器時代のギリシ
ャです。
 今西暦2026年ですから3200年前というと紀元前1200年
ぐらい。
 紀元前の事をBCと表現しますがこれはビフォークライスト、つま
りキリスト以前という意味です。
 キリストは捕まって処刑されたけど生きかえったんだぞなんていう
与太話を人々が信じてしまう時代より更に1200年ぐらい前のギリシャという事で、人々は普通に神様がいると信じてるし作中にも当たり前に神様が出てきます。
 そんな世界観の中での英雄オデュッセウス、様々な困難に見舞われ
ながら神々の助けもあり遂には帰郷を果たしてハッピーエンドみたいな、それこそオデッセイという単語の元になった壮大な旅を描いた一大叙事詩である原作を、クリストファー・ノーランはかなりの変更を加えて独自の物語に作り変えているんですね。
 勿論、原作をそのままやると3時間どころじゃない長さになってし
まうんで当たり前ではあるんですけど。

 先ず、神話、お伽噺、ファンタジー的な要素というのを可能な限り
削ってしまっています。
 勿論「そこを削ってしまったらお話しにならない」という所は残し
てあるんですが、神様はほぼほぼ姿を顕さず、海が大荒れ=ポセイドンの怒りだ、雷が落ちた=ゼウスの罰だ、といった風な表現にしてあります。
 唯一姿がガッツリ映るのがアテナなんですが、これに至っては……
と、ここはネタバレになるので割愛。
 兎に角基本オデュッセウスという人物の運命にフォーカスしていて
、神様がホイホイと出てくる嘘臭い話ではないという方向にしてあるんですよ。

 それと、当時の常識と現在の価値観の違いというところの扱いで、
英雄像というものが大きく違っています。

 例えば、ノストスという言葉があるんですけど、これは簡単に言っ
てしまえば帰郷、帰還という意味で、だからオデュッセイアはオデュッセウスのノストスのお話という事なんですが、このノストス(という言葉は映画には出てきませんが)が大事で、皆さんも子供の頃「家に帰るまでが遠足です。」っていわれましたよね。
 戦争は戦場での決着だけでなくそこから帰るまでがセットというそ
の理由というのが、戦争というのは例え勝ったとて必ず損耗するからでして。
 食糧を消費し、軍資金を使い、そして兵士も失いますよね。
 なのでその損失分を補う為には勝ったらちゃんと戦利品を持ち帰る
というのが大切な事で、それは勿論戦った相手から奪う訳です。
 この時代の戦争というのは兵士のみならず一般市民も手にかけて、
男は殺し女は犯し、子供は連れ帰って奴隷にし、食糧や金品を強奪して帰るというもので、そんな酷い事をしたってその戦争で兵士を率いた人物は英雄という扱いです。
 だからこの様な行為に対して悪びれる事など一切無く、どちらかと
言うと「どや!やったったで!」とアピールして名声を得るというのが原作の世界観なんですが、ノーラン版の映画ではここはガラッと現代的にしてあってオデュッセウスが罪の意識を覚えて悩んだり後悔したりするんですね。
 原作の華やかでアッケラカンとした雰囲気を取り払って、人物像の
掘り下げというところで深みを出そうとした感じ。
 結果地味になっちゃうという。

 また、所謂「英雄色を好む」というところもバッサリ切られてます
。
 主人公オデュッセウスはイタケーという島国の王様で、そこからギ
リシャ連合軍の一員として海の向こうのトロイアの攻略に出征していまして、故郷イタケーにはペネロペという愛する王妃様がいて、息子テレマコスを儲けています。
 にもかかわらず原作では行く先々でそれはもうセッセとイタしまく
ってます笑
 ここ、映画ではバッサリ。
 ペネロペを一途に思う男に大改変されてます。
 ギリシャ神話きってのセックスシンボルである魔女キルケーは地味
なオバさん(サマンサ・モートン)となって勿論助平なシーンなど無く、また不老不死の美しきニンフ(一種の妖精)カリュプソはシャーリーズ・セロンという美しくはあるけど不老不死には見えない方が演じていて、これもネタバレになるので詳しくは書きませんがこの場面のオデュッセウスは腑抜け状態になっているのでカリュプソとイタしてるという感じではなくなってます。
 ちぇっ、何だよ。

 因みに脱線しますが、機動戦士ガンダム閃光のハサウェイでテロリ
スト組織マフティを追う地球連邦軍の部隊の名前がキルケー部隊。
 そこのエースパイロットが駆るモビルスーツの名前がペーネロペー
です。
 オデュッセイア由来なんですね。

 それとオデュッセイアでキルケーが登場して魔力を振るうシーンは
そのまんま千と千尋の神隠しにパクられてます。

 更には原作でカリュプソの元から筏で漕ぎ出したオデュッセウスが
嵐で溺れ死にかけて命からがら辿り着いた浜辺で出逢う、うら若き異国のお姫様の名前がナウシカアです。
 ほぼ全裸で泥まみれのオデュッセウスを見ても逃げ出さずに(まあ
、神様が魔法をかけちゃってるからなんですが)、助けを求めるオデュッセウスを招き入れ、しまいにゃオデュッセウスの事を好きになっちゃうというキャラ。
 ここ映画では全カット笑
 勿論、風の谷のナウシカの名前の由来ですね。
 宮崎駿もオデュッセイア大好きという。

 閑話休題。

 原作の叙事詩オデュッセイアでは好奇心旺盛なくせに疑り深く、英
雄ではあるんだけど部下にいらん事されて大迷惑被っちゃったり、故郷に帰るのも忘れて美女に夢中になって部下から「いい加減もう帰ろう」と諭されたり、昔の事を語った歌を聴いて泣き出しちゃったり、紆余曲折あったけど最後はイタケーの国王として返り咲いてめでたしめでたしというオデュッセウスとは全然違う人物像をノーランは作り上げちゃったんですね。
 クソ真面目で一途で、罪の意識に苛まれて悩み苦しみ……という、
なんか昨今の映画によくありそうなキャラなんだよなぁ。

 原作を知らない人が観たら「面白い!」ってなるのかも知れないん
ですが、こちとら小学生の頃にエンデの「はてしない物語」の洗礼を受けてファンタジーにハマった身でして、ギリシャ神話なんて通過儀礼ですからね、このノーラン版映画オデュッセイアは「思ってたのと違う笑」と。

 加えて、この映画って画的にもちょっとなぁと思うんですよ。
 カメラワークにダイナミックさが足りず、矢鱈にカットが多い。
 なんか迫力とか臨場感が乏しくて、そのくせ効果音は妙に重低音が
ドカドカ鳴っていて、映像と効果音がマッチしてないと感じました。
 なんでなのかなと思ったら、どうやら全編IMAX撮影というのが
原因っぽいんですよね。
 IMAXカメラって、今までは凄く大きい上にうるさいという代物
で、台詞のあるシーンには使えないというものだったらしいんです。
 それがかなり小型化されて騒音対策もされたおかげで全編IMAX
撮影が可能になったという事なんだそうなのですが、そうは言っても普通のカメラと比べるとまだまだ大きくて取り回しは大変な上に、連続撮影可能時間がたったの3分だというんですよ。
 結果、あまり動かない映像→カット→あまり動かない映像→カット
の連続という映画になっちゃった。
 話も映像も地味という。

 それと、公開前から話題になっていたポリコレ問題。
 そもそもギリシャ連合軍とトロイアが戦争になった原因がスパルタ
の王妃ヘレネという人で、この人がトロイアに攫われた(のか自ら行ったのかは諸説あり)のを奪還するという名目がありつつ、ギリシャ諸国とトロイアは海を挟んで敵対しているという関係なのでトロイアを落とせば交易の航路の確保もできて一石二鳥だぜ、みたいな戦争なんです。
 で、このヘレネという女性が世界一の美女で、ギリシャ連合軍に参
加している国々の王様というのは嘗て皆んなヘレネに求婚した人達でして、この時に「誰が選ばれても恨みっこなし。俺達ズッ友だよ♡」という誓いを立ててるんです。
 実はこれもオデュッセウスの発案で、オデュッセウス自身も求婚者
の一人だったのを、自分はヘレネの従姉妹のペネロペを見初めてサッサと結婚しちゃったという顛末があったんですね。
 コレ、オデュッセイアのずっと前の話なんでホメロス版にもノーラ
ン版にも出てこないエピソードなんですけど。
 という訳で、攫われたのはスパルタの王妃なんですがそれを奪還し
に行くのはズッ友連合軍という訳。
 この、ペネロペの従姉妹で「白い腕」の異名を持つ世界一の美女ヘ
レネの役、これをノーランはルピタ・ニョンゴというアフリカ系アメリカ人、つまり黒人をキャスティングしました。
 ペネロペの役はアン・ハサウェイが演じているのに。
 これを「うわぁ出たよハリウッドのポリコレのヤツ。」みたいに言
われてしまった。

 確かに原作に忠実にやるなら「あかんやろ」です。
 でもね、個人的にはヘレネをアフロアメリカンが演じるのはアレン
ジとしてはアリかと思います。
 劇中では別に「白い腕」と呼ばれてもいなければペネロペと従姉妹
である事も語られてないし。
 この時代のギリシャにアフリカ系の人がいるのはどうなのかという
話ですが、原作のオデュッセイアって冒頭オリュンポスの神々の会議というか会合というか、そういうので始まるんですけどポセイドンだけは不在で、その理由が「エチオピアのお祭りに出向いてるから」なんですよね。
 のっけからアフリカの地名が出てきてます。
 じゃあ良いんじゃね?

 ただね、俺がどうかと思ったのはそのヘレネの扱いなんですよね。
 ノーラン版ではヘレネは「元は世界一の美女だったのに今は疵物に
されて半分以下の価値しかない女」みたいな、わりと酷い扱いされてるんですよね。
 原作ではヘレネはただの美女じゃなく理知的な女性として描かれて
いるんですよ。
 オデュッセウスが全然帰ってこない事で色々面倒が起きているイタ
ケーで業を煮やしていた息子のテレマコスがオデュッセウスの消息を尋ねる為に旅をするんですが、それで行き着いたスパルタでヘレネにも会って、そこでヘレネはトロイア戦争の最中にオデュッセウスが浮浪者に変装してトロイアに潜り込んでスパイ活動していたのを見たというエピソードをテレマコスに聴かせるという場面があります。
 テレマコスが産まれてすぐにオデュッセウスは出征してしまったの
で、テレマコスはお手本にすべき父王を知らずに育ってきたのですが、旅の先々で色んな人からオデュッセウスの人物像というのを聞く事になって父の事を知っていきます。
 その語り部の一人がヘレネ。
 ヘレネは物語の重要な役割を果たす人であって、無価値になってし
まった女なんかじゃ全然ないんです。
 酷いぞノーラン。

 あともう一人、映画ではオデュッセウスの部下の中に東洋人が混じ
ってます。
 Netflixでオルタードカーボン観てた人なら「イタケー軍に
タケシおるやん笑」ってなりますよ。
 因みにウィル・ユン・リーという方です。
 これはなんか、「別に良くない?」って感じかなぁ。
 そんなに気になりませんでした。

 まあ色々と書いてきましたが俺としてはこの映画は観ていただいて
、その上で原作の方に興味を持っていただくのが良いかなと思います。
 散々ケチつけといて結局観る事をお勧めするという笑
 なにしろ俺自身が映画「ネバーエンディングストーリー」を観た後
に原作の「はてしない物語」を読んでファンタジーに嵌まった人間ですから。

 て事で観るなら予め知っておくと良いというところをちょっと書い
ときます。
 一つはクセニア。
 これは映画では「ゼウスの掟」と呼び方が変えられてました。クセ
ニアじゃ分からないもんね。
 これは「訪ねてきた者には、それが誰かに関わらず歓待しなければ
ならない」というもので、もう「ごめんくださ〜い」ってきたら「どうぞどうぞ上がって上がって、ほら飲んで飲んで、食べて食べて。ところでどちら様?」みたいな。
 なんでそんな事しなきゃなんないのかっていうとギリシャ神話に出
てくる神様って人間のフリして人里に現れるという事を結構しょっちゅうやるんですよ。
 だから「ごめんくださ〜い」に対して「誰だお前。帰れ帰れ!」っ
てやったらそれが神様かもしれないのね。
 で、そんな事したら勿論しっかりと災いが降りかかってきます。オ
リュンポスの神々、迷惑過ぎだろ笑
 で、映画ではそこまで詳しく描かれてなかったんですが、原作では
このクセニアをちゃんとやるかどうかで登場人物が信用できる相手かどうかが分かるという仕組みになってます。
 それこそイタケーにアテナが人間に化けて訪ねてきて、それをテレ
マコスはきちんと歓待するので、そこでアテナのアドバイスを聞いて旅に出る流れになるというのが原作の始まりですから。

 で、もう一つが「埋葬は重要」という事。
 これ、映画では原作と違うエンディングが見られるというところの
大きな要因なんですが、映画の中ではあまり詳しく語られてないんですよね。
 オデュッセウスの部下が「埋葬は?」としつこく聞いてきて、オデ
ュッセウスがそれに「そんな場合じゃない!」って答えているのを見て「ああ、ホントはちゃんと埋葬しなきゃ駄目って事なんだろうな。」と察する程度で。
 ギリシャ神話の世界では死後の世界=冥界(ハデス)があって、こ
の冥界の支配者である神様の名前もハデスです。
 正しく埋葬された死者はこのハデスに行って、場合によっては生者
とコミュニケーションをとって願いをきいてもらったり逆にアドバイスしてあげられたりします。
 で、埋葬の義務を怠ると魂は現世を彷徨ってしまうと信じられてた
んですね。冥界に行けずに。
 映画でも原作でもオデュッセイアでは死者とのコンタクト、冥界と
いうのは出てきますが結構違いがあります。
 原作では「前作の主人公登場」みたいな、ファンサービスかよみた
いなシーンがあったり。

 あと、この映画オデュッセイアのポスターのビジュアルが、「巨人
達に向かって剣を構えるオデュッセウス」みたいになってて、なんか勇敢に戦う映画なんだろうなみたいな雰囲気出してますが、あれは詐欺笑
 俺もあのポスター見て「こんな場面あったっけ?」と思ってたんで
すが、「あれをこうしたのね笑」というね、原作では結構派手なエピソードを凄い小規模にしてて、アクションシーンを期待して観るとガッカリする羽目になるので要注意。
 自分よりはるかに大きな巨人に勇猛果敢に立ち向かい、なんなら打
ち勝ってしまうみたいなヤツではありません。
 あのシーンは「ひえぇ〜ゴメンナサ〜イ! お助けぇ〜!」っていうね笑
 因みにCGを極力使わない事で知られるクリストファー・ノーラン
、あれは巨人役は2m以上の役者さん、人間役は150cm以下の役者さんに演じさせた紛うことなき実写映像なんだそうな。
 やりたかったのね。
 なら仕方無いね。

 はい、そんでね、原作読もうぜって話なのよ。
 それも、先ず最初は子供向けのヤツ、バーバラ・レオニ・ピカード
作の「ホメーロスのオデュッセイア物語」って方から入るのが吉。
 普通に作者名ホメロスとなってる「オデュッセイア」をいきなり読
むのはちょっとね、予備知識がいるというか前作「イリアス」とか基本的なトロイア戦争の事は知ってるものとして書かれていますからね。
 それとギリシャ神話の入門書的な図鑑とかも併せて用意しとくとま
た理解度が深まるかなと思うので……いやこれはYouTubeの動画とかでも良いか。無料だし。

 で、そこからまた映画に戻ってみると、原作には無かったキルケー
の家の鳥籠の意味とか、ノーランが仕込んだものが見えてきますよと。

 という事で、個人的採点は正直68点ぐらいなんだけど、より楽し
い世界に触れる為の入り口として、観よう「オデュッセイア」!
 なんじゃそりゃ笑

 おしまい。

2026年9月15日火曜日

お気に入りアルバム 2026年8月 が少ねぇ

  こんにちは、相方oceanfrequencyの誕生日を勘違いして1ヶ月早くプレゼントを贈ってしまったkazuitです。
 何年の付き合いだよ笑

 さて、この原稿を書いてるのは9/8という事で、毎月恒例のアル
バム紹介です。
 とは言うものの前回書いた通り今のところたったの2枚だけなんで
すよね。
 聴き漏らしチェックは随時しているので今後見付けたものについて
はその都度お伝えするとして、今回はその2枚をサクッとご紹介いますね。

 まずはsucréの「subsolar point」。
 エレクトロポップもしくはシンセポップかなと思います。
 と言いつつアコギの音なんかも入っててちょっとノスタルジックな
ところがあって、基本的にしっとり系なんですが耽美さとポップさのバランスが良いと感じました。
 歌声はちょっとハスキーで、歌唱力というよりはニュアンスで聴か
せるタイプ。
 でも決して「ヘタウマ」みたいな人ではなく、しっかり実力のある
シンガーだと思います。
 10曲収録で39分の内容ですがオケの作りやプロダクションが軽
やかで、何と言うか丁度良いアルバムって感じなんです。
 「年間ベスト候補!」みたいな感じではないんですが、「これ好き
」ってアルバム。

 もう1枚がvera blueの「modern rituals」。
 こちらもエレクトロポップです。
 とは言ってもガッツリなピコピコという感じではなく、軽やかで伸
びやかなヴォーカルを中心に据えたサウンドメイクになっていて、リズムトラックこそ打ち込みなんですがそれ以外の部分は最小限の味付けなのでメカニカルな雰囲気と歌の「肉感」とのバランスが心地好い仕上がりになっています。
 8曲収録25分とボリューム面がちょっと寂しいのは惜しいですが
、好きなタイプの曲が多くてメジャー曲とマイナー曲のバランスも良かったのでお気に入り登録となりました。

 8月は以上の2枚。
 フィービー・ブリッジャーズの新譜とか結構期待して聴いたんです
けどね。ちょっと曲調がワンパターンでしたね。
 あとはアリアナ・グランデの新譜が7/31リリースで、「随分暗
い内容だな」と思ってたら表舞台での活動は休止だそうで、ちょっと驚きましたね。
 ルックス面での詮索を嫌っての事だという話も聞こえてきますが、
まあ彼女ヴィーガンでガリガリですからね。
 ネット上には一定数ヴィーガンを嫌う人達がいますけど、どっちか
っていうと先にヴィーガンの人達の中の過激な輩がギャーギャー言ったせいで「何だコイツら」みたいな事になっちゃった面があるからなぁ。
 有名人ってだけで矢面に立たされちゃうっていうね、アリアナ自身
に罪は無いんだろうけどスルースキルって大事ですよね。

 とまあ、これで終わるのは流石に短いので、こないだ観てきた映画
「ラストサバイバー」の感想でも書いときますか。
 てか先ずさぁ、前にも書いたんだけどこの映画の原題は「the dog stars」なんですよ。
 で、世界観がポストアポカリプス、パンデミックが原因で人間社会
が崩壊して後なんですけど、かと言って主人公1人だけしか出てこないという訳でもなくて多分総勢100人ぐらい出てくるんじゃないかなって感じで、全っ然主人公ラストサバイバーじゃないのよ。
 この邦題付けたヤツ、ホントに映画観たのかよっていうね。
 で、肝心の内容の方なんですが、結構大人しい映画でしたね。
 実は俺は予めそういう映画だという情報を得ていたので「成る程ね
」という感想だったのですが、そうじゃない人はどうかなという感じですよね。
 何しろ配給会社は「ブレードランナー、エイリアンのリドリー・ス
コット監督最新作!」と煽る訳で、ハリウッドSF大作だと思って観に行く人が絶対いると思うんですけど、どちらかと言うと純文学的な、主人公の心情を描くのがテーマって感じの内容なんで、そこを分かって観ていただきたいというところです。
 主人公がセスナ乗りなので、雄大な景色の上をセスナで飛ぶところ
を大画面で観たいという方は劇場へ観に行くと良いと思いますが、そうでないならサブスク落ち待ちで良いかなぐらいの映画だと思いますね。
 ちょっと気になったのはマーガレット・クアリーが美人過ぎる笑
 主人公のセスナが故障して不時着した先で出会う父娘にセスナが再
び飛べる様になるまで世話になるというところで、その娘役を演じているのがマーガレット・クアリーなんですが、もうちょっとくたびれてる感じがありつつも逞しさもあるみたいな人の方が適役だと俺は思ったんですけど、そこにゴリゴリのハリウッド女優、休みの日にはヨガとかピラティスやってそうな美女が採用されているのが違和感でした。

 はい今回はこんなところで、短いですが終わりにしますね。
 ではまた再来週に。

 おしまい。

2026年8月31日月曜日

オリオル・パウロに注目

 こんにちはkazuitです。

 先日、と言っても数カ月程は前なんですが、お休みの日にちょっと時間が空いたので何かNetflixで映画を観ようかなと思いましてですね、何観ようかと考えた時に以前観て面白かった「嵐の中で」と言う映画の事を思い出したんですね。
 このブログを長く読んでくださってる方なら俺がお勧めしたのを覚
えてるかもしれませんが、スペインのSF映画ですね。
 SFと言っても未来が〜宇宙が〜みたいなのじゃなくタイムパラド
ックス系の、ちょっと藤子・F・不二雄の短編を思わせる様なタイプのヤツ。
 で、あの映画の監督の作品って他にないのかなと思って調べてみた
んですよ。

 その監督がオリオル・パウロという人でして、Netflixでは
「嵐の中で」の他にもう1本「神が描くは曲線で」という映画が配信になっているという事で早速観てみたんです。

 これが面白くてですね。

 ジャンルはSFではなくミステリーで、舞台は1970年代のスペ
インの人里離れた精神病院です。
 ある女性がこの病院に入院の手続きをしに来るのですが、この女性
は自分は精神疾患などではなく、この入院は夫の陰謀だと主張します。
 しかし病院側は「あなたがここに送られてきたのは、その夫をあな
たが複数回毒殺しようとしたからです。」といって結局女性を入院させるんです。
 ところが女性の方は病院に入ると「自分は探偵で、この病院で自殺
したとされてる少年の親に依頼されて調査に来た」と言い出して他の患者に聴き取り調査とかし始めるんですよ。
 これだけ聞くと女性の精神疾患故の行動みたいに感じるんですが、
この病院で亡くなった少年がいるのは事実で、その件についての調査資料を女性は入院前から予め用意して病院に持ち込んできているんですね。
 果たしてこの病院には何か秘密があるのか、それともやっぱり女性
の妄言なのか、という映画です。
 映画の作りとしては結構反則スレスレな手法を用いて視聴者をミス
リードに誘導してる様な面もありますが、最後まで観たら思わず「…こえぇ…」と言ってしまう様な作品でした。

 で、いいじゃんいいじゃん、他にないのという事で調べてみたら、
オリオル・パウロ監督作品としては映画ではなくドラマ、8話完結のリミテッドシリーズが2作品ネトフリで観られるという事でこちらも観てみました。

 1作目が「イノセント」という作品で、こちらはクライムサスペン
スという感じのヤツです。
 主人公の男性は若い頃バーでのトラブル、酔っ払いの喧嘩に巻き込
まれてしまって、押し退けた相手が頭を強打して亡くなってしまい過失致死の罪で4年間服役した経験を持つ人で、出所後は兄の支えもあって社会復帰して、美しい女性と出会って結婚もしてと、順調に人生を取り戻してきているという状態です。
 が、ある日彼の奥さんに電話が掛かってきて、奥さんは「出張でベ
ルリンに行かなければならなくなった。」と言って出掛けて行くんです。
 そしたら翌日、その奥さんの携帯から動画が主人公の携帯に送られ
てきて、そこにはロングヘアのウィッグを着けて下着姿でベッドに横たわる奥さんと、それを撮影してる裸の男が映っているんですよ。
 なんじゃこりゃと思って奥さんと連絡を取ろうとしても繋がらない
。
 で、一方その頃主人公の家からほど近い修道院の窓から修道女が転
落死するという事件が起こって地元の警察が調査しに行くのですが、何故か地元警察よりもっと上の調査機関だという人達が現れて「この事件はこちらで引き継ぐから地元警察はもう帰って良いよ。」と言い出すんです。
 その調査には国の大臣まで関わっている事まで示唆してきて。
 この一見何の関わりも無いかに見える2つの出来事が絡み合って、
何故か主人公は警察に追われる身になっていくという。
 果たして主人公は潔白を証明出来るのか、主人公の奥さんの身に何
が起こっているのか、という感じのお話。
 このドラマも十分に面白いのですが、他のオリオル・パウロ作品と
比べると結末はあっさり風味かなという感じ。
 とは言え全然観る価値有りの作品だと思います。

 で、もう1本が「トレマーでの最後の夜に」という作品です。
 これはちょっとオカルトっぽい作品ですね。
 主人公は音楽家の男性で、映画音楽の作曲家として一定の成功を収
めてはいるのですが現在絶賛スランプ中で、活動拠点のロンドンを離れて故郷からほど近い田舎町の丘の上の一軒家を借りて、のんびり暮らしながらなんとかスランプから脱却しようと藻掻いてるというところなんですね。
 で、ある日隣家、と言っても数百メートルは離れてるんですけど、
そこで友人と食事して帰るところで大雨に降られて、なんと帰り道にある木に雷が落ちちゃって道を塞がれてしまうんです。
 で、車を降りて、どうしたもんかと迷っていたらなんと今度は主人
公本人に雷が落ちちゃうんですよ。
 奇跡的に命に別状は無かったんですが、そこから何故か主人公は所
謂予知夢を視る様になってしまうんです。
 しかもこの主人公には夢遊病の病歴もあって、とても夢とは思えな
いリアリティの予知夢を見つつ寝ながらウロウロ歩き回っちゃうという厄介な状態になってしまうの。
 でね、実は主人公にとっては予知夢はある意味身近なもので、とい
うのは彼の母親が予知夢を視る人で、彼が音楽家になったのも母親が「この子は音楽家になる。もう決まっている。」と言って英才教育をしてきた結果なんですよ。
 その余りにスパルタな教育と、「もう決まっている」と言い張って
聞かない態度が原因で主人公は母親と疎遠になってしまっているんですが、その母親に起こってた事が自分にも起き始めたと。
 夢で見た悪い出来事を回避する為に主人公は色々と行動していくん
ですが、周りの人からしたら何しろ根拠は「夢」な訳ですから、仕事のストレスと落雷のショックで悪い夢を視てるだけで、そんな悪い出来事は起こらないよと取り合ってくれない。
 果たしてそれはただの悪夢なのか、それとも本当に悪い出来事が起
こってしまうのか、だとしたらそれを回避する事は出来るのか、みたいなお話です。
 これも面白かったです。
 ただ、ちょっと気になる点もあってですね、このお話ね、ゲームの
「ライフ・イズ・ストレンジ」との共通点が多いんですよね。
 このゲームもこのブログでお勧めした事ありましたよね。
 ライフ・イズ・ストレンジの主人公は女子高生で、既に起こってし
まった悪い出来事を時間を巻き戻して起こらなくしていくという話で、トレマーでの最後の夜にの方は主人公は中年男性で、予知夢で視た未だ起こってない悪い出来事を起こらなくしようとするという話という違いはあるんですけど、どちらも海辺の田舎町が舞台で高台には灯台があって、重大な事件が起こる時には嵐になって、そして何より結末の展開がライフ・イズ・ストレンジを知ってる人なら「…あ」と思うんじゃないかなと。
 トレマーでの最後の夜にはオリオル・パウロのオリジナルではなく
原作の小説があるそうなのでこの人がパクったとかではないんでしょうが、原作の小説の方はちょっとインスパイアされた作品なのかなと思いましたね。
 とは言えそれも些細な事と思えるくらい面白いのでお勧めですよ。
 但し結構トラウマレベルの映像が流れるので小さなお子様がいる家
では視聴に十分な配慮をお願いします。

 てな事で、また今後の作品が楽しみな作家さんが増えちゃいました
。

 洋画を観るとなるとどうしてもハリウッドが最優先になりがちです
けど、たまには他の国のものにも目を向けてみるのも良いですよね。
 人に「映画とか観ます?」と聞かれた時に「最近はスペインの映画
に嵌ってるんだよねぇ〜」とか言えるしね笑
 まあオリオル・パウロ作品ではなくともネトフリでスペインの作品
というと「ペーパーハウス」という大ヒット作品がありますし。ドラマですけど。

 というところで今回は終わりたいと思います。

 次回はお気に入りアルバム紹介のターンですが今のところ今月まだ
2枚しかなくてちょっと焦っているぜ笑
 なにか雑談ネタ考えなきゃ。

 おしまい。

2026年8月17日月曜日

お気に入りアルバム 2026年7月

 この原稿を書いてるのは8/12。
 ついこの間7月になって「もう今年半分終わっちゃったのかよ。」とか思ったのに、あっという間にお盆ですよ。
 あと何日かでコンビニのカウンターにおでんとか中華まんが並ぶんですね。
 いや恐ろしい。

 内地(北海道民は本州の事をこう呼びます。)の方では台風が「え
、そっちの方向に行くの?」みたいな事になってる様ですね。
 お気をつけください。
 て、この原稿が公開される頃はもう通過してるのか笑

 さて今回は毎月恒例のアルバム紹介ですね。
 7月に俺がSpotifyでお気に入り登録した新譜は全4枚。
 早速ご紹介していきましょう。

 先ずはザ・ローリング・ストーンズの「foreign tongues」。
 正直言うと全然期待して無かったんですよねぇ笑
 「出たら一応聴くよね、まあ。」ぐらいのノリで聴きました。
 だってねえ、紛うことなきおじいちゃん達ですからねぇ、そんな凄
いものは出てこないだろうなぁと思ってましたよ。
 前作がチャーリー・ワッツが亡くなってすぐの作品で、「それでも
ストーンズは続くぜ!」的な皆が思う王道ストーンズソング的方向だったと思うんですけど、それだけにドラムの音が絶対チャーリーのそれではないパワフルさで「これじゃねぇ」感が凄くて嵌まらなかったというのもあって。
 で、今作は意外にもポップというかコマーシャル的な、なんかアメ
リカを感じさせる様なサウンドになってて、人によっては「こんなのはストーンズに求めてないよ。」という感想になるかもしれない方向性だったんですよね。
 俺は「確かにストーンズってこういう面もあったよな。」と思って
、それに何より楽しい内容なのが素直に良いと感じられました。
 楽しさという点では歴代のアルバムでもトップクラスじゃないかな
。
 ミックの歌は「ホントに80超えてるの?」っていうパワフルさで
、世界中のロックシンガー達が頭抱えて「本物の一流ってのはこのレベルなのか」って落ち込む事になるでしょ、アタクシ含めて笑
 いやはやお見逸れしましたのお気に入り登録でしたわ。

 つぎがゴンチチの「two old pilots after twilight」。
 ゴンチチのお二人もいつの間にやら70過ぎてたんですね。
 今回のアルバムも、まあいつものゴンチチです。
 ゴンチチのアルバムってお二人のギターのみのパターンとオケに乗
せてギターサウンドというパターンがあるんですが、今回は後者。
 TV番組やらなんやらのBGMに使われまくっているゴンチチなの
で、名前は知らなくても聴けばなんかみんな知ってるアレという感じの穏やかほのぼのアコースティックギターインスト。
 真剣に向き合うという様なものでは無いのですが日々の生活のお伴
として、流しておけば機嫌良くいられる音楽です。
 まあ嫌いな人いないよね。

 次、mohini deyの「THE DEY WAY」。
 凄腕女性ベーシストのソロアルバムです。
 豪華ゲスト満載のロック寄りのハイパーフュージョンといった内容
。
 兎に角楽器経験者は全員鼻血ブーなテクニックとテクニックのぶつ
かり合いで、ゲストを立てつつもちゃんとベースを主役に持ってきているのがベーシストのソロアルバムとして正解だし、聴き何処たっぷりで文句無してす。
 「……練習しなきゃな。」って気分にさせられるのが玉に瑕笑
 しないけどな!

 最後に、そのmohini deyのアルバムにも参加しているWILLOWの「the thread」。
 まあこの人は歌唱力オバケですわ。
 ただ音楽性が結構コロコロ変わるんでアルバム聴いてみるまで自分
の好みにフィットしてるか分からないタイプなんですが今回は当たり。
 ちょっと前までかなりハードロック寄りだったのから前作はアヴァ
ンギャルドっぽい方に行って、今作はその傾向を残しつつサビに美しいメロディとコーラスを入れてきた所が俺の好みに嵌まりました。
 ちょっとジャズっぽさもある曲もあったりで。
 メジャーヒットする様な音楽ではないですが、その方向性に嵌まれ
ば後は歌に聴き惚れるだけです。
 囁く様なシルキーヴォイスとファルセット。
 個人的にはまたハードロックもやって欲しいですけどね。
 なんで両方できるんだよ笑

 7月分は今のところ以上です。
 例によってまだ聴けてないアルバムのチェックが済んだらまだ増え
るかもしれないので、それは来月に追記します。
 増えないかもしれないけど笑

 さてお盆なんでもうサクッとここで終わりますよ。
 また2週間後に。

 おしまい。

2026年8月3日月曜日

汚された世界

 こんにちは、前回のブログに「俺はいつもコーヒーやお茶を用意してるから水分補給に不安はないぜ」とか書いたら、その原稿を書いた翌日に医者から「カフェイン摂り過ぎ。利尿作用のあるものは水分補給にカウントしないで。」と言われ、職場に持っていく水筒の中身が水道水になったkazuitです。
 家にマテ茶のティーバッグまだ大量にあるんだけどなぁ笑

 さて、ニュースをみると全国的には連日酷暑日を記録していたり、
熊本で大きな地震があったりと大変な事になっていますが皆さん無事でしょうか。
 この原稿は7/29に書いているんですが、札幌は勿論地震の影響
は全くありませんし、気温もまた涼しくなってまして今日とか最高で24℃で風も結構吹いてたので仕事の帰り道なんてちょっと肌寒いくらいで、本当に同じ国の話なのかと不思議な気持ちになりますよね。
 皆さんご自愛くださいませ。

 ちゅー事で今回のネタはワールドカップです。(どういう事だよ)
 皆さんもご覧になったと思いますが如何だったでしょうか。
 終わってみればスペインが滅茶苦茶に強かったなという大会でした
ねぇ。
 あのフランスやアルゼンチンに対して一方的な内容でしたもんねぇ
。
 「優勝を目指してます!」とか言ってた日本代表の選手達もあのス
ペインを見たら「このレベルまで出来ないといけないのか……」と思った事だろうと思いますよね。
 いや思っていてほしい。

 また決勝でアルゼンチンが敗れたにも関わらずスタジアムのサポー
ター達がメッシの名前を大合唱して、感極まったメッシが涙するシーンには心を揺さぶられましたね。
 俺はバルセロナファンなのでメッシの事はデビューから見ているん
でね、本当に感慨深かったです。

 と、終わってみれば試合内容や選手達の表情とか、良かった良かっ
たみたいな気分ににってしまいましたが、今回のW杯にはサッカーファンとしてはいただけないと感じざるを得ない面も多々あったのも事実です。

 先ず大会が始まる前の時点でFIFA(国際サッカー連盟)がわざ
わざ「平和賞」なるものを新設してトランプに渡してるんですよね。
 そもそもW杯に限らずスポーツって政治と切り離して行うというの
が基本ですよね。
 だからアルゼンチンがイングランドに勝った後にフォークランド諸
島(マルビナス諸島)の領有権を主張する内容のフラッグを持ち出した事が問題視されて、処分の裁定が下されるんじゃないかみたいな話になってる訳じゃないですか。
 それを、まさに今世界の平和を乱している張本人のトランプを褒め
そやす為に「平和賞」を新設して渡すって何?
 実際、予選を勝ち抜いて出場権を持っているイラン代表の入国でゴ
タゴタ揉めたりしちゃったりして、ガッツリ戦争の影響が出てしまっていたのにね。

 それからハイドレーションブレイクの必須化。
 ハイドレーションブレイク(飲水休憩)自体は以前から採られる事
があったものではあるんですが、それはあくまで主審の判断で、選手達の健康に支障をきたすぐらいに暑いときにのみ採用となるものでした。
 本来はなるべく試合を止めないのが基本なんですよ。
 前後半各45分間試合しましょうっていうスポーツなんだから。
 それを全試合必ず、前後半22分ぐらいを目安に3分ブレイクする
と決めてしまった。
 今大会の試合会場にはエアコンの効いたドームスタジアムもあって
、そこでの試合は「止める必要ある?」という意見もあるのに何故これをやったかというと、その3分の間にTV局がCMを流せる様にって事ですよね。
 つまり金絡みなんですよコレ。

 そして決勝のハーフタイムショー。
 あのショー自体は楽しめたという人もいるでしょうし、NFLのス
ーパーボールのハーフタイムショーの劣化版を見せられてる様な気分になった人もいたでしょうし、その感想は人それぞれで良いと思うんですが、アレってサッカーの公式ルールとしては違反なんですよ。
 サッカーのハーフタイムって15分以内と公式ルールで決まってる
の。15分をオーバーした時点でアウトだから。
 それを、ルール違反を犯してまでアメリカ式エンタメに染めてしま
ったというのはちょっといただけないですよね。
 別にオリンピックみたいに全部終わった後に閉会式をやって、そこ
にアーティストに参加してもらったって良かった訳じゃないですか。
 公式ルールを無視するW杯って何なん?

 で、極めつけがトランプ介入によるレッドカードサスペンド。
 試合を捌いた主審が下したレッドカード裁定なのに、トランプが電
話1本で次試合出場停止を阻止するという、前代未聞のあってはならない事態。
 スポーツマンシップの欠片も無い自国チームへの依怙贔屓が罷り通
るなんて、もう呆れて何も言えないですよ。
 アタマオカシインジャナイノ?

 結局対戦相手のベルギーが「そんな奴等に負けるかぁああっ!」っ
て奮起してアメリカをボコボコにやっつけて、世界中のサッカーファンに「ざまあみろ!」って言われる羽目になったんですけどね笑
 ざまあみろ。

 という事で、もう暫くアメリカでスポーツの世界大会はやらなくて
良いよ。

 あとFIFAの改革も絶対必要。
 今もまたW杯の運営を子会社を新たに設立してそこに任せようみた
いな事言い出してUEFA(ヨーロッパサッカー連盟)に「W杯は売り物では無い」って怒られてるし。

 出すべき膿が見えてしまった大会になってしまいましたねぇ。
 感動も貰ったけど、怒りや遣る瀬無さも覚えるW杯でした。
 サッカーファンとして、そういう反省点がこれから正されていくか
も見ていかないといけないなという気分にさせられましたよ。

 日本では今年からJリーグがヨーロッパと同じ時期に開催される様
になって、今後益々ヨーロッパとの繋がりが強くなり、海外の主要リーグに移籍する選手も増えていく事でしょう。

 そう、サッカーの本場はヨーロッパなんです。
 何でもかんでもアメリカナイズすれば良いってモンじゃない。
 例えお金の面でメリットがあったとしてもです。
 培ってきた文化、背景というものの重みというのを蔑ろにしてはい
けないと思うし、お金の力だけでは埋められないものが確かに有るんですからね。

 好きなスポーツの為にイライラさせられるなんてバカみたい。
 こういう事は今回限りにしていただきたいものですね。

 てな事で、今回は愚痴でした笑

 なるべく楽しいブログにしたいんですが、こういう回も出てきちゃ
いますわな。
 アタシも人間なんでね。
 今後はできるだけ面白い事を書いていきたいですね。
 エロビデオの話とか(ウソ)。

 おしまい。