2022年10月17日月曜日

ライフ・イズ・ストレンジ/🌀1

  以前ここのブログでループ物の話をして、ループものは映画の他にゲームにも波及してるジャンルですよと書き、幾つか作品を紹介しましたよね。  ひょっとしたらその時、「あれ、あのタイトルの話はしないのかな?」と思った方がいたかもしれません。  ループ物のゲームで傑作と呼べるもので、ここのブログの別の回で既に名前を出してるのがありましたからね。  それが「ライフ・イズ・ストレンジ」です。  ファンタジーの話をした回で、ダンジョンズ&ドラゴンズに触れた時にタイトル名を出しましたよね。  何故ループ物の回で触れなかったかというと、この作品の話はブログ1回分のネタとして取っておいたというのが一つ。  話が長くなるかなとw  もう一つは、ループ物の中でのジャンルの話。  大抵のものはループという謎の現象に主人公が巻き込まれ、そこからの脱出を試みるというのが定番なのに対し、主人公がループ能力を手に入れ、それを使って過去の問題を取り除こうとするパターンもあって、その代表格が「バタフライエフェクト」という映画だと以前書きましたよね。  「ライフ・イズ・ストレンジ」はこの「バタフライエフェクト」のパターンの方なんですよ。  「ムジュラの仮面」なんかとはまた別のテイストのものなので、別の回に話そうなか、と。  「ライフ・イズ・ストレンジ」の舞台はアメリカのとある田舎町で、主人公はマックスという女子高生です。  マックスは写真家を目指していて、高校でもアートを専攻しています。  このゲームの中には「ニューヨークで開催される写真コンテスト」というのがあって、マックスの通う高校からそのコンテストに一作品提出される事になっています。つまり学校の代表作という事ですよね。  このコンテストに出展され、評価されれば写真家としての将来も明るいと言える訳で、学校の代表に選ばれる為に生徒達は作品を、先ずは先生に提出しなきゃなんないんです。  マックスの通う学校にはプロの写真家が講師として来ていて授業を受け持っているんですよ。  だからマックスも勿論作品を提出しなきゃなんないんですけど、まだできてないよね。  まだどんなものを撮れば良いか、どんなものが自分らしい作品と言えるのか確信が持てないという、悩める女子高生というのがマックスのキャラクターなんです。  ある日マックスはその写真家の授業で居眠りしていまい(高校あるある)、ペンケースを床に落としてしまったり先生に指されてしどろもどろになったりと、散々な事になって授業を終え、先生にコンテスト用の作品を早く提出する様に釘を刺され、憂鬱な気持ちでトイレに向かいます。  するとそのトイレの中に、何故か一羽の美しい蝶がヒラヒラと舞っているんです。  だからコレ、はっきりと「バタフライエフェクト」へのオマージュをしているんですよね、ここで。  この蝶を見たマックスは思わず持っていたカメラを構えるのですが、そこに男女が言い争う声が聞こえてきて、つい身を隠すんです。  そしたら何と、そこに銃声が響き、男の方が逃げ去って行くのが聞こえ、マックスが身を覗かせるとそこには女の子の遺体が転がっているのです。  うわあぁぁあっとなった次の瞬間、マックスはさっき受けてた写真家の授業に戻っているんですよ。  何故かマックスは時間を巻き戻す能力を手に入れてしまっているんです。何故か。  さっきの授業の失態を巻き戻し能力で取り戻したマックスはトイレに向かい、今度は男女が言い争っている最中にわざと物音をたてて銃による凶行を未然に防ぐ事に成功します。  男の方はやはり逃げ去って行き、そこに残された女の子の方を見ると、その娘はかつてのマックスの親友で、でもグレてしまってドロップアウトして疎遠になっていたクロエという娘だったんです。  クロエは自分の親友の女の子が行方不明になっていて、警察の捜索も遅々として進まないのに業を煮やして自分で捜索し始めていて、行方不明に関わっていそうな男子生徒を捕まえて問い詰めていたんですよ。  そしたら撃たれてしまった。  それをマックスが救ったという訳なんです。  クロエはマックスにも捜索を手伝ってほしいと頼み、マックスは何故か手に入れた巻き戻し能力を駆使してクロエと共に行方不明事件の真相を追うというのが、このゲームのストーリーになります。  と、大筋はそこなんですけど、それ以外にもマックスの周りには色々とトラブルがあります。

🌀2 へ続く

2022年10月3日月曜日

何故ウルトラマンは『帰ってきた』のか

  皆さんはシン・ウルトラマンはご覧になりましたか?  ここのブログを読んでる方なら、俺なんか公開と同時に速攻で観に行っただろうと思われている事でしょうがだがしかし、実は観てませんw  まあ、なんか、サブスクで良いかなって。あんま興味沸かなかったんですよね。  何でかなって考えたんですけど、要するに俺にとってウルトラマンは「あのままで良い」んですよ。  最新技術でリメイクとか、別に要らないんだよなっていう。  もう一つ言うと、シン・ゴジラがそこまで刺さらなかったというのもあるんですけど、あれは俺がついうっかり4DXで観てしまったので、観てる間中「イヤ何コレ」って思いながら観てたせいかもw  で、今回は帰ってきたウルトラマンの話をしようかなと思いましてですね。(唐突)  そもそも、「帰ってきた」って何なんだろうと思いません?  だって、観てみたら初代ウルトラマンと別のウルトラマンなんですよw  帰ってきてないじゃんw  以前ここのブログで初代ウルトラマンの始まった経緯は少し書きましたよね。  ウルトラQという怪奇モノのシリーズから派生したっていう。  でね、その1作目のウルトラマンを作ってる時は、まだ円谷プロもウルトラマンというコンテンツがその後延々と続くシリーズモノになるとは知らない訳じゃないですか。  テレビ局との契約で取り決めた放映期間がもうすぐ終わるというところまできて、「人気があるからもっとやりましょう」という事になるんですよね。  という事で、慌てて企画されたのがウルトラセブンという訳なんですな。  以前ウルトラマンについて書いた時、ウルトラセブンは対象年齢層を中学生ぐらいに設定して作られたと書いたと思うんですけど、コレ実は正確に言うと中学生ぐらいを対象にして企画していた別の作品をウルトラマンに転用したんですよね。  タイトルのウルトラセブンというのも転用で、これは7人の猿人が登場するコメディの企画の仮タイトルだったんだそうです。  だからセブンの劇中ではセブンって呼ばれてないんですよね。  ただ単に「ウルトラマン」って呼ばれてるし、何が「セブン」なのかの説明も何も無いというw  そうやってウルトラセブンを制作、放送した訳ですが、これも以前書いた通り視聴率的には奮わなかったんですよね。今となっては逆に評価が高いのがセブンなんですけどね。  で、そうなってくるとウルトラマンという企画は予算オーバーなんですよ。  だって毎回精巧なミニチュアセットを作って、怪獣の着ぐるみを作って、ウルトラマンや怪獣を巨大に見せる為にスタジオ内で「アオリ」で撮影して、屋内のスタジオなのに爆薬を使ったり、ピアノ線で何か色々吊り上げたり吊り下げて動かしたり、そうしてスタジオで撮影した映像にウルトラマンが放つ光線なんかの部分をアニメで描き加えて、効果音も付け加えて、それでやっと放送できる様になるんですから。  しかも折角作った怪獣の着ぐるみはだいたい1話でウルトラマンに倒されちゃうから使い回しが利かない。  そんなコストをかけて作ったのに視聴率が悪いなんて、もうやってられないですよね。  て事で、ここで一度ウルトラマンというシリーズは終わってしまうんですよね。  本来なら「帰ってこなかった」筈なの。  じゃあ何で帰ってくる事になったのかというと、「ウルトラファイト」が思いの外に人気作となったから、なんです。  ウルトラファイトは円谷プロが超低予算で制作した5分番組で、兎に角唐突にウルトラセブンと怪獣が格闘し出して、そこに当時プロレス中継を担当していたアナウンサーが実況をつけるという物です。  ウルトラマンという企画でお金がかかる原因になっていた部分を全部切り捨てる為に、撮影はスタジオではなく外ロケ、怪獣の着ぐるみは使い回し、光線とかは無しで格闘のみ、勿論爆破も無し、なんなら決着もつかずに終わっちゃう回もあったりという、はっきり言うとかなりショボいものなんですが、当時ウルトラマンシリーズも終わって怪獣が出てくる様な番組が他にロクに無かったせいか、チビッ子達には人気だったんですよ。  この番組のヒットによって、「セブンはチビッ子向けじゃなかったからウケが悪かっただけで、ウルトラマンと怪獣が戦う物は皆喜んで観てくれるんだ。」という事がわかったんですよね。  という事で、セブンの放送終了から少し間をおいて、ちゃんとチビッ子向けのウルトラマンが「帰って」くる訳です。  今みると「帰ってきた」には兎に角人気が出そうな要素を貪欲に取り込んでるのが分かりますよね。  何しろ主人公の名前が「ゴウ・ヒデキ」だもの。  郷ひろみと西城秀樹の名前をまんま貰ってきちゃってるw  そのゴウ・ヒデキを演じる団次郎さんはモデルも務める超二枚目で、手足がスラリと長いわ、ホリの深いハーフでやや長髪という、今みてもエグい格好いいんですよね。  そんな二枚目がカーレーサーを目指している青年を演じるという、ウケる要素モリモリな訳。  その他にも、ウルトラマンシリーズにおいては珍しく、主人公の私生活が描かれるという要素もあって、ファミリードラマ的な部分もあったり、主人公が当たり前に恋愛していたり、そういった私生活部分が描かれるから当然主人公の私服姿も沢山見られて、それがまた団次郎さんなモンだからいちいち格好いい訳だし。  視聴者層に近い年齢の少年がレギュラー出演していたり(実はコレ、初代ウルトラマンでもあったんだけどね。放送開始当初は星野少年という謎の子供が科学特捜隊の施設内に当たり前みたいな顔して出入りしていたの。すぐいなくなったけどw)、主人公が成長していく過程を描く様なスポコン的要素もあったり、ウルトラブレスレットという謎の万能アイテムが出てきたり、初代ウルトラマンやセブン、ゾフィーといった「ウルトラ兄弟」が登場する回を作ったり。  こんな感じで作られた「帰ってきたウルトラマン」は大人気になり、晴れてウルトラマンシリーズは再開されて現在まで至ってるという訳なんですよね。  因みにこの帰ってきたウルトラマン、今では「ジャック」という呼び名があるんですけど、これも実は後付けなんですよね。  放送当時はこのウルトラマンもただ「ウルトラマン」て呼ばれてました。  だから、放送時は初代もセブンも帰ってきたも全員ただの「ウルトラマン」ですw  という事で、何故「帰ってきた」なのかお分かり頂けたでしょうか。  ウンチクとして良いネタとなって、皆さんも何処かで言いふらす機会があればと思いますw  このテのネタはまだ幾つか持ってるので、また機会があればこのブログで披露しようかなと思います。  おしまい。