一番好きな映画 vol.3
vol.2 の続き
④奇跡が起きる。
これもね、荒唐無稽な「全知全能の神様が現れて、全部チャラにしてくれた。」とか、「という夢でした。」じゃ駄目で。
奇跡としか思えないにもかかわらずちゃんと納得できる、「成る程そうなるよね。」とか、「その手があったか!」っていうヤツ。
これを考えるのって凄く難しいと思うんだけど、それを見せてくれるからこそ感銘を受けるんだと思うんだなぁ。
で、ナウシカってこのパターンに、ホント上手くハマってるんだよね。
正に最後、婆さまの「奇跡じゃ、奇跡じゃ。」の台詞で終わるっていう。
あとさ、ナウシカのもう一つ見事と思う所が伏線の回収。
ストーリー序盤で婆さまが古い言い伝えを語るのね。
「その者、青き衣を纏いて金色の野に降り立つべし。」
でも観てる者は思う訳。
「いやナウシカ最初から青い服着てるじゃん。」
所がナウシカ、途中で捕らえられてしまって、脱出の為に他の女の子と服を交換して、赤い服になっちゃう。
で、この赤い服が、今度は傷ついた王蟲の子供の体液で青く染められる。
てことでエンディングの「その者青き衣を纏いて金色の野に降り立つべし。」に繋がる。
だけど、ナウシカ初見だとストーリー展開に夢中になってて、この青き衣の事なんて忘れちゃってるんだよね、大抵の人は。
エンディングに婆さまがもう一度「その者青き衣を纏いて」と言い出してハッ! そうだそうだホントだって思い出すんだよね。
これホント上手いなぁと思う。お見事。
vol.4 へ続く