2019年4月22日月曜日

クローンウォーズ vol.3

vol.2の続き

 クローンウォーズ自体の総監督はデイヴ・フィローニという人物が勤めてますが、企画会議の段階ではスターウォーズの産みの親であるルーカスもしっかり参加しており、クローンウォーズの各エピソードは正にルーカスお墨付きのスターウォーズ正史と呼べる訳です。
 スターウォーズという人気コンテンツ、実はルーカスの手を離れたところでノベルやコミック、ゲーム等が多数作られており、そんな物の中でもスターウォーズファンの間で人気になってしまったキャラクターなんかも色々いたりしたんですが、そんなキャラクターがクローンウォーズに登場するケースがあるんですね。正式にスターウォーズ正史に取り込まれる。ルーカスのお墨付きで。

 こういった事で、クローンウォーズはファンにとっても重要な作品となり、人気も上々、企画段階ではシーズン8まで詰められていきます。

 ところがここで大事件が起きます。
 クローンウォーズはシーズン5で打ち切りとなるのです。

 以前ここのブログでもチラッと書きましたが、ジョージ・ルーカスはルーカスフィルムを売却し、自身は陰遁生活の様な状態で過ごしています。もうスターウォーズには関わってないんですね。
 で、その売却先がディズニーなんです。
 ところがクローンウォーズが放送されていたのはカートゥーンネットワークというチャンネルなんですよ。ワーナー系の。
 ワーナーのアニメと言えばトムとジェリーやバックスバニー、ウッドペッカーなんかですよね。がっつりディズニーのライバルなんですよ。
 なんでやねんっ、とは思うんだけど、ルーカスが引退するにあたってスターウォーズというコンテンツを保有するに相応しいのはどこかと考えた時、ディズニーという選択肢は確かに一番自然ではありますよね。

 とはいえ、この打ち切りには多くのファンがとてつもない衝撃を受けました。
 何しろストーリー的にはアソーカがジェダイテンプルに不信感を抱いてジェダイを抜けてしまったところで終わってしまったし、何と言ってもスターウォーズ史上最大の謎がほったらかしになってしまっていたのですから。

 映画のエピソード3で描かれる「オーダー66」。
 それまで自分たちの指揮官であったジェダイを、たった一本の通信が入った途端クローン兵が殺し出し始めるという事件。
 クローンウォーズではずっと、「クローンはドロイドとは違う。自分で考えて行動する人間だ。」という事を描き続けていた訳ですが、このクローンウォーズはエピソード3の後に作られているのですからファンはもう既にオーダー66の事を知っていて、クローンウォーズの内容との矛盾もわかっていて、だからこの謎をクローンウォーズの中で明かして貰える事を当然期待していたのに、いきなり打ち切りですからね。


vol.4 へ続く 

2019年4月8日月曜日

クローンウォーズ vol.2

vol.1の続き
 クローンウォーズではこの3人を中心にしてストーリーが展開していく訳ですが、もうひとつ重要なファクターであるのがクローントルーパー達なんですね。

 スターウォーズというのはそもそも、共和制である評議会というものに対し、自分たちの利権を拡大したい通商連合が反乱を起こす事から始まっていて、この通商連合がドロイド(ロボット)を兵力として利用し出したものだから倒しても倒しても兵力が落ちない。
 そこでドロイド兵に対抗する為に産み出されたのがクローン兵達で、だからクローン戦争というのは、評議会側に所属するジェダイの騎士達が将軍としてクローン兵を率いて、通商連合のドロイド兵と戦うという構図な訳です。
 更にややこしい話をすると、通商連合側の軍を率いる将軍というのがドゥークーという人物で、この人はジェダイからシス(ダークサイド)に落ちた人です。
 だから、評議会vs通商連合であり「ジェダイ&クローン」vs「シス&ドロイド」なんですね。
 しかもドゥークーがマスターと呼ぶ黒幕が、実は評議会の大物議員のパルパディーンという人物で、全てはシスであるパルパディーンの思惑通りに事が運んでゆき、最終的にはパルパディーンが皇帝となって帝国を築き、銀河はダークサイドによって支配されてしまうというのがエピソード1~3の流れなんですよね。
 だから、評議会側の兵力であるクローン兵も実は戦争を拡大する為にシスが裏で糸を引いて作られたもので、ジェダイはクローンの存在を怪しいと思いつつ通商連合側の兵力拡大に対抗する為に利用せざるを得ないのです。

 はい、だいぶややこしくなってきましたねw

 話を戻しますと、このクローン達が話の中心となるエピソードがクローンウォーズという作品には多数出てくるんですね。
 有能なバウンティハンター(賞金稼ぎ)だったジャンゴ・フェットの遺伝子を元に作られたとはいえ、彼らは人間な訳でドロイドとは違うんです。
 訓練しなければ兵力にならないし、自分で考えて行動するから間違う事もある。
 それぞれに個性や考えがある彼らの行動、活躍を見て、映画版でクローン兵に不信感を覚えていた視聴者も段々クローン達に親近感やシンパシィを抱く様になるし、それは劇中のジェダイ達も同じだったりします。
 だからこそ、それを観てから改めてエピソード3を観てみるとより大きな衝撃を受ける訳ですよね。エピソード3が始まった時点ではジェダイはクローンの事をすっかり信用してる訳ですから。

 この様にクローンウォーズの中では映画だけでは描ききれないスターウォーズの世界観をよりディープに掘り下げられていきます。
 映画だけ観てる人達は「ハン・ソロ」を観て「えっ?」どなったであろうダースモールの生存エピソード(オビワンの「縦に切っときゃ良かった」はシリーズ最大の名言だと思うw)だったり、銀河の各星系の文化や政治、そこで起こる事件とそれを解決に導くジェダイやクローン、アソーカの成長やアナキンとパドメは勿論、オビワンにもロマンスのエピソードがあったり、ヴェントレスやグリーバスといった敵役やバウンティハンター達などの魅力的なキャラクター群、そしてそもそもフォースとは何なのかなんていうスターウォーズの根源に関わる話まで、ここでは語り切れない多彩な内容のシリーズとなっています。

 で、重要なのはこのクローンウォーズの製作にはジョージ・ルーカスが関わっているという事なんですね。

vol.3 へ続く 

2019年3月25日月曜日

クローンウォーズ vol.1

  さて、前回のフリがあって、ファンタジーの話をするかと思いきや、しないw

 今回はスターウォーズの話です。
 でも映画の話じゃなく、TVの話。

 スターウォーズのTV版はCGアニメがクローンウォーズ、反乱者たち、そして現在放送中のレジスタンスと続いているほか、今後実写ドラマも予定されています。
 で、今回はクローンウォーズの話をさせていただきたい。

 クローンウォーズは映画のエピソード3の放映後、クローン大戦という2時間サイズのアニメが2作製作されて、それが好評だったのを受けて本格的なTVシリーズとして作られたものです。
 クローン大戦はトゥーンアニメ風(所謂普通のアニメ)でしたが(実際にはCGにトゥーン風ペイントを施している)、クローンウォーズの方はCGアニメです。
 クローンウォーズの方も第1話は特番として2時間サイズで放送され、映画には登場しないアナキンのパダワン(弟子)のアソーカが仲間に加わる話が描かれています。
 この2時間サイズの第1話は単独でソフト化されており、クローンウォーズシーズン1のボックスセットを買っても収録されてないので今からご覧になる方はご注意を。

 さて、この様にして始まったクローンウォーズですが、その内容はというと映画のエピソード2と3の間の出来事となります。
 2の最後でヨーダがクローン戦争の始まりを告げ、3でクローン戦争の途中から終わりまでが描かれて、エピソード4ではそこから20年程経っていて、オビワンがルークに「お前の父親は優秀なジェダイだったがクローン戦争で死んだ」と告げますよね。
 で、実はルークの父親というのはダースベイダー=アナキンで、エピソード3でダークサイドに落ちたアナキンが師匠であるオビワンに倒され、瀕死のところを機械の身体を手に入れる事でダースベイダーになるという流れなのですが、クローンウォーズはエピソード2と3の間なのでアナキンはまだダークサイド落ちしておらず、オビワン、そして弟子のアソーカと行動を共にしています。



vol.2へ続く

2019年3月12日火曜日

ペアレンタルコントロール vol.2

vol.1の続き
 あと、ゲームソフトにも推奨年齢って設定されてるんですけど、世の親御さんがこれをどれくらい気にしているんだろうっていうね。
 海外だと、ショップで買おうとすると「IDを出せ」となります。そもそも子供に売ってくれないの。

 日本ではこのIDというモノの導入が他国に比べてかなり遅く、やっと始まったマイナンバー制度も「マイナンバーは個人情報だからおいそれと人様に見せちゃダメ」なんて言われてて結局誰もカードを持ってないっていうw
 意識が全然ユルいんだよね。

 で、この辺の意識がユルいから、ドラマ=全年齢観られるモノ=分別の無い子供に配慮しなきゃってんで、逃走犯がシートベルト締める様なドラマが作られるって事になるw
 エンタテインメントのレベル、クオリティが低いモノが量産されちゃう事になっちゃうんですね。

 子供に分別ってモノをキチンと教えつつ、分別のある大人が楽しめるだけのクオリティのものを作るって事が、これじゃちゃんとできないよね、とアタクシは思う訳ですよ。

 てな事で、みんな、ちゃんとペアレンタルコントロールを設定しよう!

 今回は短めですがこの辺で。

 おしまい

2019年2月25日月曜日

ペアレンタルコントロール vol.1

 さて、前回更新の当ブログを読んで、「ん?」と思った方もおられるのではないでしょうか。
 「映画やビデオ作品ではなく、ドラマなのに子供に見せられないのってあるの?」
 「見せられないったって、チャンネルあわせれば映っちゃうじゃん。」と。

 これねぇ、実は我が国が遅れてる点だと思うんだけど、ペアレンタルコントロールとか、ペアレンタルロックとかって聞いて、皆さんピンときます?

 要するに視聴年齢設定の事なんだけど、日本人って年齢制限についての意識が低いですよね。

 例えばケーブルテレビのチューナーにしてもDVDとかBlu-rayのプレイヤーにしても、この年齢制限機能は必ず付いてる筈なんですが、じゃあこれをちゃんと設定してるかって言う。

 例えば最近コンビニ各社が店頭にエロ本を置くのを止めると表明したんだけど、子供に持たせるスマホにペアレンタルロックかけてなかったら、エロ本なんかよりもっとエグいモノが簡単に見られますよね。
 そしてこれはパソコンやゲーム機など、ネットに接続可能な機器全てに言える事なんですけど、これをみんな理解して、ちゃんと設定してるかって話なんですよ。


vol.2へ続く

2019年2月11日月曜日

vol.2の続き


 で、「クラウドアトラス」を観た上で、NETFRIXで配信されてるドラマ「センス8」を観てほしいんですよ。

 このドラマ、世界の様々な場所で起こっている出来事を、やはりモザイク状に嵌め込まれて作られていて、クラウドアトラスを制作した経験が存分に活かされているのが凄く良くわかるんですよね。
 んで、複数いる主人公たちの中に、生まれつきの性別は男性で、体も男性なんだけど恋愛対象は男性という、所謂ゲイのキャラクターも出てくるんですけど、もう一人、生まれつきの体は男性なんだけど適合手術を受けて見た目は女性という、所謂日本で言うところのニューハーフのキャラクターが出てきます。
 で、このキャラクターの恋愛対象が女性なんですよ。
 だから、このキャラクターは生まれつきの体は男性だったんですけど、ジェンダーはレズビアンという、何だか普通の男性の俺にはもう理解不可能な世界ですが、そんなキャラクターをウォシャウスキー姉妹は生み出していて、これが出来るのってやっぱりウォシャウスキー姉妹だからなんだと思うんですよね~。

 このドラマ、内容としてはガンダムにおけるニュータイプとかエヴァンゲリオンにおけるATフィールドみたいな、人と人との境界線に関するお話で、そこにジェンダーの事が絡んできますんで、何となくお察しの通りお子様には見せられないのでご視聴には充分ご配慮くださいw

 お子様には見せられない海外ドラマといえば「ゲーム・オブ・スローンズ」も大大お薦めなので、ご覧になってない方には是非観ていただきたいですが、これはエミー賞獲りまくりの有名タイトルだし観てる方も多いんじゃないですかね。

 このドラマ、というかファンタジーというモノについてはまた語り出したら長くなるので、別の機会に譲りましょう。

 という事で、今回はこのくらいにしときましょうか。

 改めまして、本年もよろしくお願いします。ペコリ。


 おしまい
 

2019年1月28日月曜日

ヌルい雑談の回 vol.2

vol.1の続き

 あと、この映画のヒットの要因って、フレディ・マーキュリーのジェンダーの問題を真正面から描いても受け容れられる世の中になったっていうのも大きいですよね。
 そういう意味でもやっと世間がフレディに追いついたって事なのかなって。

 てなことで、観てない映画について延々語ってるバカですがw、映画の話でジェンダーの話って事で、ウォシャウスキー姉妹の事を少し。

 ウォシャウスキー姉妹は、ものすごく世間一般に分かり易く言うと映画「マトリックス」を作った人たちです。
 で、マトリックスを作った当時はウォシャウスキー兄弟だったんですよ。
 それが先ず兄の方が性適合手術を受けてウォシャウスキー姉弟になり、弟の方も手術を受けて今やウォシャウスキー姉妹となったという人たちなんですな。

 あんなゴリゴリのサイバーパンク映画を撮った人たちがジェンダー的には女性だったというのもなかなかの驚きなんですけど、そんなジェンダーを飛び越えた人たちだからこそ描けるモノがあるんです。

 先ずは「クラウドアトラス」という映画。
 まだ観てないかたは是非観ていただきたい。
 この映画はウォシャウスキー姉妹得意のSF、サイバーパンクからアクション、人間ドラマ、果てはコメディまで、多種多様のストーリーをモザイク画の様に組み合わせ、見事な編集技術で最後まで魅せてくれる作品で、なるべく前情報無しに観ていただきたいので詳しくは言いませんが、この中に男性同士の恋愛も描かれているんですね。

 この映画ホントに面白くて、最後まで観てスタッフロールが流れ出したところで「えっ」ってなってまた最初から観たくなる事請け合いなんで、絶対観てくださいw


vol.3へ続く