2024年10月28日月曜日

ケンタッキークリスマス

  こんにちは、寒くなってきたので羽毛布団を出してきたら布団から出られなくなったkazuitです。

 さて、この原稿を書いているのは10/23、気付けばもう今年も終わりが見えてきました。
 もう歳くってると時が経つのが早い早い。

 とは言え今回のブログのタイトルを見て「もうクリスマスの話? いやいや流石に早過ぎでしょ。」と思いました?
 まあ聞いてくださいよ。

 皆さんクリスマスにケンタッキー買います?
 まあ定番ですよね。
 ケンタッキーではないにしても、何かしらの鶏肉料理は用意すると
いう方が殆どかと思います。

 と、こんな書き出し方した時点で「はいはい、本当はニワトリじゃ
なくて七面鳥を食べるんだって言いたいんでしょ?」と、察しの良い人なら思うかもしれません。
 四分の一ぐらい正解。

 では、「そもそも本当は七面鳥を食べるのはクリスマスじゃないの
よ。」という話は知っていますか?

 更には、「海外の人達はクリスマスにケンタッキーを食べる日本人
を笑いものにしている。」というのは?

 順番にいきましょう。

 ここ何年か、ブラックフライデーという言葉を耳にする様になりま
したよね。
 11月の第四金曜日がそれに当たるんですけど、アメリカでは一年
で一番小売店が大きな売り上げを叩き出す日と言われています。
 じゃあ何でそんなタイミングで大きな売り上げを出せるのかという
と、その日は感謝祭、サンクスギビングデイの翌日だからなんですね。

 感謝祭、つまり11月の第四木曜日の翌日というのは暦の上ではお
休みではないのですが、アメリカではこの日を休暇にする企業が多いんだそうです。
 で、デパートとかの小売店は感謝祭用の売れ残り商品をセール価格
で売り出すと同時に、ここから本格的にクリスマス商戦をスタートさせるという事で、多くの客が店に詰めかけるという事なんです。
 で、必ず黒字になる金曜日だからブラックフライデーという訳。

 という事で、もうお察しかと思いますが感謝祭というのが本当の七
面鳥を食べる日なんです。
 ホントはクリスマスより一月くらい前なの。

 とは言うものの、この感謝祭というのをちゃんとやっているのって
北米、つまりアメリカとカナダぐらいなんですよ。
 それでアメリカの映画やドラマを観たヨーロッパの人達が「楽しそ
うだな」となって、でも自分達は感謝祭はやらないから、代わりにクリスマスに七面鳥を食べるという事をやり出したと。
 アメリカ、カナダ以外はクリスマスに七面鳥食べるんですね。

 勿論日本はそもそもキリスト教国ではないので感謝祭はやらないで
すけど、欧米の文化、風習を格好良い、お洒落と思って憧れるのが日本人でして。
 でも欧米ほど七面鳥が一般的には売られてないというところに目を
着けたのがケンタッキーさんという訳ですね。

 ところがこの欧米への憧れでやってる筈のケンタッキークリスマス
が、欧米人達の物笑いの種になっていると。

 お米が主食の日本人にはなかなか感覚が掴みづらいのですが、欧米
人の主食は「肉」ですよね。
 勿論お昼は欧米人でもサンドイッチとかブリトーとかタコスとかで
済ますでしょうけど、やっぱり晩御飯はお肉が食べたいというのが一般的。
 で、そのお肉の中でも豪勢なのは牛肉、普通なのが豚肉、鶏肉とい
うのはチープな、安物の肉というイメージなんだそうです。

 そしてケンタッキーというのは所謂ジャンクフード、スナックとい
う扱いなんですよ。
 「食事」ではないの。
 コーラと一緒に手掴みで食うヤツ。
 そんなものを聖なる夜に食べるなんて、というのが欧米の人達の感
覚なんだそうです。

 クリスマスっていうと日本では12/25という感じですけど、欧
米ではクリスマス休暇、ホリデーとして元日までずっと続くお休みなので、クリスマスに食べる食事というのは日本で言うところのお節料理みたいな事ですよね。

 想像してみてください。
 お正月に実家に帰って、お母さんに「ご飯だよ~」って言われてお
節料理食べる気満々でお茶の間に行ったら、テーブルの上に銀だこのタコ焼きが乗っかってるという場面w

 美味しいし好きだけど、いやいや、今それじゃないでしょ! ってなりますよね。
 欧米人にとっての「クリスマスにケンタッキー」って、正にそれっ
て事です。

 欧米では七面鳥を焼くのはお父さんの役目で、七面鳥のお腹の中に
お米やハーブやスパイスを詰めたり、表面にソースを塗ったりしてオーブンに入れるという、お父さんが家族に良いところを見せるイベントという側面もある訳ですが、買ってきてテーブルに置いて終わりのケンタッキーにはそういう意味合いも無いですよね。
 「料理」ですらない。

 ケンタッキーを用意するにあたって頑張るところと言ったら、寒い
中お店に並ぶ事ぐらいですよね。
 よく考えたらクリスマス以外の日なら普通に買えるケンタッキーを
わざわざ並んで買わなきゃなんないのも何だかなぁという感じですが、更に嫌な情報を教えちゃうと、ケンタッキーって普段は冷凍してない生の鶏肉を仕入れているんだそうですが、クリスマスはそれじゃ足りないのでその時期だけ冷凍肉を仕入れるらしいんですよ。
 冷凍食品関連の仕事をしている友人に聞いた話なんで間違いない情
報だと思います。

 という事は、普段は普通に買えるものをわざわざ並んで買った結果
、普段のより不味い可能性があるというw
 しかもそれを欧米人に笑われるんですよ。

 どうします?
 今年もクリスマスにケンタッキー買いますか?

 Amazonで「七面鳥」で検索すると冷凍のスモークターキーレ
ッグというのが結構出てきたり、高価ですけど丸鳥のものも無くはないですから、感謝祭、今年で言うと11/28には七面鳥を食べて、クリスマスには豪勢にローストビーフというのはどうでしょう。

 いや、て言うか、キリスト教信者じゃないんだから、白米と味噌汁
と御新香で良いんじゃないかなぁw

 それにしても、これだけブラックフライデーというものが毎年日本
でも騒がれる様になってきてるのに感謝祭はガン無視なところに闇を感じますよね。
 要するに、俺が今回書いた様な事が知れ渡ったらクリスマスに鶏肉
を売ってる人達、とりわけケンタッキーが年一の書き入れ時を失いかねない訳で、そりゃ必死に内緒にしますわな。
 メディアなんてスポンサーの意向が最優先なんだしね。

 実はNetflixの大ヒットドラマ、ストレンジャーシングスに
もクリスマスにケンタッキーを食べるシーンがあります。
 しかも、妙に尺が長いんですよ、そのシーン。
 登場人物4人が黙々とケンタッキー食べ続けるんで、大概の日本人
はアレ観て「何か妙に長いな、このシーン。」となるんですが、アメリカ人にとっては「プッ、クリスマスにケンタッキーてw」みたいなシーンをじっくりと見せつけられるという、ギャグシーンなんですよね。
 クスクス笑ってしまうヤツ。
 そんなんを日本人はガチでやっちゃってるんですよね。
 しかも、ちょっと奮発して買った高いワインなんか飲みながらw
 アカンアカン!

 あと、ピクサーのベイマックスにも、主人公のヒロが亡くなった兄
の通ってた大学に自分も進学すると決めたシーンで、育ての親である従姉だったか叔母だったかの女性が「今夜はお祝いに、チキンよ!」っていうのありましたよね。
 あれも日本人は「そういう世界観なのかな」としか思わない人が殆
どだったと思うんですけど、アメリカ人的には「お祝いにニワトリてw」というシーンでしょ。
 ベイマックスは日系人の主人公が隙っ歯だったりと、日本リスペク
トな様でいて結構アレですよね。
 因みに昔のハリウッド映画なんかでの日本人の古いステレオタイプ
って出っ歯に眼鏡、スーツを着ていて首に一眼レフカメラを提げているというのがあるんですけど、アレって別に日本人が骨格的に歯並びが悪い人が多いとかいう訳ではなくて、歯列矯正というものが日本に入ってくるのが遅かっただけなんですよね。
 アメリカ人にも元々は歯並びが悪い人は普通にいて、子供のうちに
治しちゃってるだけ。
 今は日本人も歯列矯正は普通にする訳で、そんな古いイメージをベ
イマックスでは引き摺っちゃっているんですよ。
 ベイマックスは映画としては面白いし俺は好きなんですけど、そう
いうとこアレよねぇとは思います。

 最後に脱線してしまいましたが、この話は感謝祭の前にしておかな
きゃと思ってこのタイミングで書かせてもらいました。

 なんだかケンタッキーディスみたいになってしまいましたが、別に
俺もケンタッキー嫌いではないんですよ。
 クリスマスはやめとこうよというだけで。

 という訳で、ケンタッキーは明日食べましょう。
 コレ読んでたら食べたくなっちゃったでしょw

 そしてイヴにケンタ前に並んでる奴ら見て「バーカバーカ」と思い
ましょう。(ヤメレ)

 おしまい。