2025年8月18日月曜日

お気に入りアルバム 2025年7月

  こんにちは、ドクターマーティンのセールで44,000円のチェルシーブーツが15,000円になっていて只今煩悶中のkazuitです。

 さて、この原稿を書いてるのは8/13。
 ついさっきまで原稿書かなきゃなんないのを忘れてましたわ笑。
 お盆中で働きたくないんでさっさと終わらせますよ。
 という事で恒例の月1アルバム紹介です。

 先ず、聴き漏らしチェックしてて見つけたヤツで、5/2にリリースされてたsuzzalloの「the quiet year」からご紹介。
 いかにもシアトルのバンドという様な、適度なラフさと思い切りの
良さが魅力のロックバンドですね。
 ヴォーカルの声質がちょっとU2のボノっぽいのがまた良い。
 推さずにはいられない真っ直ぐさ、気持ちの良さを持っているんで
すよねぇ〜
 まだ無名のバンドなんで先物買い案件でもあります。

 で、ここから7月リリースのもので、最初にご紹介するのはpet
ey USAの「the yips」。
 ジャンルとしては一種のデジロックかなと思うんですが、デジロッ
クという言葉から連想される様なコアさは無くて、おおらかでポップな音楽をやっています。
 夏らしい感じですね。
 これ、聴いてると歌なんか全然上手くなくて曲によってはガナって
るだけみたいな感じなんですけど、何故か嫌じゃないんだなぁ。
 理由は分からん笑

 次にFELIVANDの「my body's my ture north」。
 穏やかで暖かみのある曲が多めなポップソング集って感じのヤツで
す。
 歌声が美しくて、更にコーラス、ハーモニーをオーバーダブで重ね
てあるのでそこでもう心地好いんです。
 で、オケの方がかなり音数を削いでいて、そこに空間系エフェクト
を掛けて広がりを出しているんですけど、この空間系エフェクトが硬質なイコライジングなのがミソなんですね。
 音楽性としては暖かみがあるのに、オケが涼やかというのが「よく
あるポップミュージック」の域から一歩抜きん出てると感じさせるポイントなんじゃないかなと思いました。

 次にmandaline kenneyの「kiss from the balcony」。
 もうタイトルから素敵ですな笑
 ジャンル的にはドリームポップと分類されるのかなと思うんですけ
ど、個人的にこれはもうプログレと呼びたい。
 しかもね、プログレに有りがちな難解さ、取っ付きにくさは取り払
ってあるんです。
 これはもう四の五の言わずに先ず聴いてほしいです。
 美しい。
 今年個人的ベスト候補。

 次、blankenbergeの「decisions」。
  ロシアのシューゲイザーバンドです。
 シューゲイザーとしては特に珍しい事はしていなくて、強いて言う
ならギターのサウンドがガツンと重めの曲があるってぐらいなんだけど、個人的にシューゲイザーは大好きなんでそれだけでもう十分なのです。
 ロシアのバンドだけど英語で歌ってるのも良いですね。
 とは言えシューゲイザーだから歌声はサウンドに埋もれてあんまり
何言ってるのかは聞き取れないんですけどね笑

 次、coral griefの「air between us」。
 軽快なんだけど陶酔感も持ち合わせているという感じのギターポッ
プです。
 オケにもヴォーカルにも空間系エフェクトがしっかり掛けられてい
て、澄みきっているにもかかわらずとろける様な美しさも感じさせるのが良かったポイントですね。
 インスタをチェックしてみたら、この人達もシアトルのバンドでし
た。

 最後にquadecaの「vanisher,horizon scraper」。
 コレ、ジャンルが分かりません。
 ラップしてる曲が沢山あるんだけどもヒップホップでは全然ないし

 クワイアの様に声を重ねまくってる曲とか多数あるし、オケもピア
ノにストリングスにフルートなんていうショーロっぽいのがかるかと思いきや、ひたすら壮大なのとかもあったりで、もう色々やっていてジャンルどうこうというかこの人のオリジナル音楽みたいな感じなんです。
 ただ、好き放題やりまくっているというヤツではなくて、ちゃんと
方向性に統一感はあるんですよ。
  強いて似たアーティストを挙げるならジェイコブ・コリアーとか、
そういう唯一無二な存在って感じのタイプですね。
 それで月間リスナー数が83万人以上なので一定の評価は得ている
んだなぁ。

 さて、7月は以上でした。
 なかなか豊作月でしたね。
 8月はどうでしょうね。
 なんかまたテイラー・スイフトのアルバム出るらしいですね。
 また売れるんでしょうね。
 ええのう。羨ましいのう。
 なんか間違ってcunoも売れないかのう笑

 おしまい。

2025年8月4日月曜日

角田裕毅を応援する会

   こんにちは、眼鏡を新調したkazuitです。

 この原稿を書いているのが7/30、今朝から地震による津波が起こっています。
 俺の住む札幌は日本海側の内陸なのでノーダメージですが皆さんはご無事でしょうか。

 さて、7/30の水曜日という事で、もう7月のお気に入りアルバム紹介でも良いかなと思ったんですが、
一応もう一日7月が残ってるので違うネタでいきます。
 木曜日にアルバムリリースするアーティストって滅多にいないんで
すけどね。
 一応一応。

 で、今回のネタはF1です。
 一度このブログに書きましたよね、F1の話。
 で、その時は角田裕毅という日本人選手がF1に参戦していて、レ
ッドブルという強いチームのセカンドチームに所属していて、将来的にはトップチームに昇格する可能性がある。
 日本人初の表彰台の真ん中に立つのはこの人かもしれない、みたい
な事を書いたと思います。

 で、実は彼、今現在もうレッドブルのトップチームに昇格済みなん
です。
 なんですが、多くのF1ファンが「こういうかたちの昇格か…」と
なってしまっているんですよねぇ〜
 今回はその辺の顛末を書こうかなと。

 昨シーズン、角田選手はレッドブルのセカンドチームであるRBで
奮闘し、期待以上の成績を上げました。

 いきなり脱線しますが、このレッドブルのセカンドチームの名前が
コロコロ変わってちょっとややこしいんですよね。
 元々はトロロッソという名前でした。
 ざっくり言うとイタリアにあったチームをレッドブルが買ってセカ
ンドチーム化したのでレッドブルという言葉をそのままイタリア語にしたんですね。
 トロが牛、ロッソは赤ですね。
 で、そこから一度アルファタウリという名前に変わります。
 これはレッドブルという企業が展開するアパレルブランドの名前な
んですよ。
 多くの人がスポドリメーカーのレッドブルがアパレル展開してるな
んて知らないですよねぇ。
 角田選手はアルファタウリからデビューしたんですが昨年からスポ
ンサーにクレジット会社のVISAが付いたのでチーム名がVISAキャッシュレーシングブルズになったんです。
 いくらスポンサーとはいえお金を連想させるというか、もうそのま
まキャッシュって言っちゃってる名前は流石にダサイですよねぇ。
 で、今年から単にレーシングブルズ、略してRBになってます。

 で、昨年角田選手がこのRBで好成績を収める一方でトップチーム
のレッドブルのセカンドドライバーであるセルジオ・ペレス選手は不審に喘ぎ、契約を1年残したままチームを離脱する事になったんですよ。
 誰もが角田選手のトップチーム昇格を疑わなかったんですが、なん
とここで昇格したのは角田選手と一緒にRBで走っていたリアム・ローソン選手でした。
 ローソン選手は昨シーズン途中からF1デビューしたばかりの新人
で、成績としては角田選手を上回ってはいなかったんですけどね。
 もうみんな「角田選手の頑張りは評価されないの?」と不思議に思
ったんですが、恐らくこれは政治的な問題なんですよ。
 角田選手はHONDAとの繋がりが強いドライバーなんです。
 今現在はレッドブルはHONDAのパワーユニットを搭載してるん
ですがこれは今年いっぱいの契約で、来シーズンからはレッドブルは自社製パワーユニットに切り替え、HONDAは別のチームにパワーユニットを提供する事がもう決まっているんです。

 という訳で角田選手はそのままRBでの参戦という事になったので
すが、シーズンが始まってみると昇格したローソン選手が全然レッドブルのマシンに適応できなくて、初戦も2戦目もビリ争いみたいな成績だったんです。
 そしたらレッドブルはたった2戦でローソン選手をRBに降格させ
て角田選手をトップチームに昇格させたんですよ。

 という訳で角田選手は、昨シーズンペレス選手が乗りこなせなくて
、今シーズンローソン選手も乗りこなせなかったレッドブルのマシンに、シーズン前のテストも無しにぶっつけ本番で乗る事になっちゃったの。
 果たして、角田選手もこのレッドブルのマシンに苦労させられる事
になります。

 これで分かるのは、レッドブルのマシンというのはファーストドラ
イバーのマックス・フェルスタッペン選手に合わせて作られているという事ですね。
 だってフェルスタッペン選手はこのマシンでそこそこ速いんですよ


 勿論フェルスタッペン選手は並外れた素晴らしいドライバーなのは
間違いないんですけどね。
 彼の父親も元F1ドライバーで、子供の頃から英才教育を受けてた
マックスはなんと17歳でF1デビューしています。
 F1に参戦するにはスーパーライセンスというのが必要なんですが
、マックスは公道を走る為の普通の運転免許より前にスーパーライセンスを取得しちゃってるんです。
 レースの申し子というヤツですね。
 ついこの間もドイツの有名なサーキット、ニュルブルクリンクでの
テスト走行にこっそり偽名で参加して、たった3周走っただけでコースレコードを叩き出してます。

 しかしそのフェルスタッペン選手ですら今年のマシンには満足して
おらず、ライバルチームのマクラーレンの後塵を拝する事が多く、シーズン半ばにして「もうタイトル争いの話は終わり。」と発言しちゃってます。

 F1の世界では「ウィンドウが狭い」という言い方をするんですけ
ど、車のセッティングの美味しいところがピンポイント過ぎるらしくて。
 F1って木曜、金曜にフリープラクティス、つまり練習走行があっ
てから土曜日に予選、日曜日に本戦が行われるというのが通常のスケジュールなんですが、木曜、金曜のフリープラクティスで詰めたセッティングが、土曜日の予選で天候、気温や路面状況、燃料の積載量による車体重量の変化といった条件変更によっていきなりパーになっちゃうなんて事が起こっちゃうんですよ。

 そんな状況で角田選手は期待された様な成績を残せず、東スポなん
かは本当に一日欠かさず角田選手もシーズン途中で更迭されるだろうと書き連ねていたんですけど、ペレス選手もローソン選手も角田選手も乗りこなせない、謂わばマックス専用のマシンの方に問題があるのは明白なんだからドライバーをこれ以上変更したって駄目だろうなぁという、なんともネガティブな理由によって角田選手は安泰という状態になっちゃってるのよね。

 しかしレッドブルのお膝元であるオーストリアグランプリで不甲斐
ない成績だったレッドブルチームは遂に大鉈を振るう事になります
 といっても切られたのは角田選手ではなく、長年チーム代表を務め
数々のタイトルをもたらしてきたホーナー氏でした。
 そしてセカンドチームのRBで代表を務めていたメキース氏が新た
にトップチームの代表として向かい入れられます。
 角田選手からしたら昨シーズン一緒に戦って好成績を残したチーム
代表と再び仕事をする事になった訳で、ポジティブな変化がもたらされるかとファンは期待しました。

 で、先週代表変更後初のレース、ベルギーグランプリが開催された
んですが、蓋を開けてみるとフェルスタッペン選手のマシンには施されていたアップデートが角田選手のマシンにはされていないという、なんじゃいそりゃっていうね、まあ酷い状況は続いていたんですね。

 F1って開催されるサーキットによっては金曜日にスプリントレー
スっていう、15周程度の短いレースをやる事があるんですけど、このベルギーでもスプリントレースがあって。
 そのレースで角田選手はセカンドチームのRBより後ろでレースを
終えるという屈辱を味わいます。

 するとここで新代表のメキースが英断を下します。
 フェルスタッペン選手のマシン用に用意されていた予備のアップデ
ートパーツを急遽角田選手のマシンに取り付ける事を決め、チームクルーは徹夜で作業して土曜日の予選に間に合わせる事に成功しました。
 すると角田選手は、新セッティングのマシンをぶっつけ本番でドラ
イブする事になったにもかかわらず予選7位というレッドブルに昇格してから最上位の結果を出して見せたんですよ。
 車が良ければちゃんと速い、しっかりとした実力があるドライバー
なんですね、角田選手は。

 ところがところが、これで終わらないのが今年のレッドブルという
チーム。

 ベルギーグランプリが行われるスパ・フランコルシャンというサー
キットは丘の上にあって天候が変わりやすい事で有名で、スパウェザーなんて言われるくらいなんですね。
 で、レッドブルは事前の天気予報を見て日曜日の本戦は雨になるだ
ろうと読んで、雨用のセッティングにマシンを調整して本戦に挑んだんです。
 ところがF1の運営側が雨でのレースは危険を伴うと判断して、レ
ースのスタートを80分ぐらい遅らせて雨が止むのを待ったんです
 これでレッドブルの作戦は台無し。

 そしてレースが始まってから徐々に路面が乾いていくという状況の
なかで、どのタイミングでレインタイヤからドライタイヤに履き換えるかという判断を下すという場面がレース中に訪れます。

 F1は通常はドライタイヤ、スリックタイヤという溝の無いタイヤ
で走ります。
 で、雨の時は溝があるタイヤで走るんですね。
 車の免許を持ってる人なら教習所で習ったと思うんですけど、濡れ
た路面でタイヤが回転するとハイドロプレーニング現象というのが起こってしまいます。
 地面を覆う水の膜の上にタイヤが浮いてしまって地面にグリップし
なくなっちゃう。
 そうすると車はスケートリンクの上の様に滑ってしまってコントロ
ール不能になるんです。
 これが起こらない様に、路面の水を逃がす為の溝がレインタイヤに
は付いてるんですね。
 で、タイヤの事を考える時に消しゴムを想像してもらうと分かりや
すいんですが、溝があるという事はゴムのタイヤに沢山角があるという事で、それを地面に擦り付けて走ってたら角が削れて丸くなっていきますよね。
 そうするとタイヤの地面に接する部分はどんどん小さくなっていっ
てしまう。
 当然グリップ力は落ちてしまいますよね。
 レインタイヤって路面が乾いてくるとあっという間に劣化してしま
うんですよ。

 で、スパ・フランコルシャンというサーキットは丘の上にあってア
ップダウンも激しくて、だから雨が止んできても路面が乾いてる部分とまだ濡れてる部分が混在していたりして。
 更には車が走るところは熱が加わって速く乾くという事も起こっち
ゃう。
 サーキットのコース上で一番効率良く速く走れるラインをレコード
ラインと呼ぶんですけど、レコードラインの上だけ乾いていてそれ以外はまだ濡れてるみたいな、一つのコース上で条件が様々な中で、しかもその条件が刻々と変わっていくなんていうシチュエーション。
 この中でどのタイミングでドライタイヤに履き換えるかを判断する
のがチームの仕事で。

 この日のレースでは結果的に早めの交換、レース11周目にタイヤ
交換に踏み切ったマシンが好成績を収める事になるのですが、レッドブルはこの11周目に交換した他チームを見てからの交換という、ちょっと出遅れた判断になってしまいました。
 そしてここからが本当に最悪なのですが、フェルスタッペン選手と
同じ周に角田選手もタイヤ交換する筈だったのに、角田選手に無線でピットインが伝えられたのはピットの入り口を過ぎた直後だったんですよ…
 角田選手は他のドライバー達より一周遅れてドライタイヤに換える
事になってしまったのですが、この一周で大きく順位を落としてしまい、結果13位フィニッシュ、入賞圏外ノーポイントに終わってしまいました。

 これは本当に酷い。
 新チーム代表のメキース氏もレース後のインタビューでミスを認め
角田選手に謝罪の言葉を送っています。
 ファンとしてもやっと戦える車が与えられたと期待を膨らませてお
いてからのこの結果に脱力感がえげつない事になっちゃってます。
 ハァ〜〜〜。

 まあそうは言ってもまだシーズン半ば。
 戦える車が角田選手にもたらされた事には変わりない訳で、変なミ
スが無ければ今迄よりは良い成績が出せる筈です。
 この原稿書いててあまりの不憫さに気が滅入ってしまいそうになっ
てますが、勿論今迄通り応援し続けますよ。
 まだまだ表彰台に乗るチャンスだって全然ある筈ですからね。

 という訳で、今年のF1はチームとしての総合優勝はもうほぼマク
ラーレンで決まり、ドライバー個人の総合優勝はマクラーレンのドライバーのどっちかみたいな感じになってしまって、レッドブルも角田選手も総合成績という面では蚊帳の外ではあるんですが、昨シーズンだって前半はフェルスタッペン選手の独壇場だったのに後半はマクラーレンやフェラーリが巻き返していたんですから、これから角田選手もやってくれる可能性は全然あるんです!
 殆ど自分に言い聞かせている様な文章になってますが笑
 なのでこのブログを読んでる皆さんも角田選手の今後に是非注目し
ていてくださいね。
 そして、もし彼が何かを成し遂げたらメディアが突然大騒ぎしだす
のは明白なので、そうなったら「俺は前から注目していたぜ!」って態度をとってやりましょう笑

 てなところで今回はこの辺で。
 毎度毎度マニアックな話題ですいませんね。

 おしまい。