今そこにある沼 vol.2
vol.1 の続き
とまあこんな風にエフェクターって色々あって、他にも音をフォワーンってさせたりワウワウってさせたりシュワーンってさせたりビロビロビロってさせたりみたいのが山ほどあるのを、ギター弾きはどれもこれも「欲しい…」と思ってやがるんですよ。
しかもギター本体に比べれば値段も安いしサイズも小さい。
次から次へと買い足していくうちに、所有のギターの値段をエフェクターのトータル金額が超えちゃってるなんてのがギタリストあるあるなんです。
安いとはいえ高価な物だと二万円以上するのとか普通にあるね。
楽器に興味ない人からしたら「ハァ? このちっちゃいペダルが一個25000円?!」みたいなw
と、そんなエフェクターの中でも沼中の沼と言えるのがオーバードライブです。
さっきギターの音はそのままだと「ペーン」とか「チャリーン」みたいだと書きましたが、皆さんの耳にするギターの音って「ガー」とか「ジャー」って感じですよね。あの音にするのがオーバードライブです。
ギターという楽器はロックミュージックと一緒に育ったものですよね。
で、ギターはアンプを使って音を増幅させる、と。
だけど、余り大きな音を出すと、所謂音割れが起こってしまって、ギターの音が歪む(ひずむ、と読みます)という現象が起こってしまいます。
ところがロックというのは反骨精神の音楽ですから、歪むほどの大音量を出すという行為自体がカッコいい、ひいては歪んだギターの音がカッコいいということになっていく。
てことで大音量を出さなくても歪んだ音をシミュレートできるエフェクターが売り出されるんですね。これがオーバードライブ。
このオーバードライブがまあ沼なんですわ。
ギターの音の「ペーン」「チャリーン」を「ガー」「ジャー」にするだけのもので、ギター弾かない人からしたら「こっちのとこっちの、何が違うの?」てなモンなんですが、ギター弾きどもはこれを「こっちの方が音抜けが良い」だの「こっちの方が暖温かみがある」だの「こっちの方がふくよかなサウンドだ」だの言っては、似たようなペダルを幾つも幾つも幾つも幾つも買っちゃうのよw
そんな中でも名機と呼ばれるものがいくつかあって、例えばアイバニーズという日本のメーカーから出ているチューブスクリーマーというヤツがもう定番中の定番で、クローンモデルも色んなメーカーから大量に発売されていて、TS系という言葉が存在するくらいで、アイバニーズの本物のチューブスクリーマーが一万円くらいなのにクローンモデルに二万円以上するのがあるっていうよくわかんない事になってたりします。
また、BOSSというメーカーから出ているブルーズドライバーというモデルは、エリック・クラプトンが使っていると知れ渡ってもの凄い人気機種になり、やはりこれもチューブスクリーマー同様クローンモデルが続々発売され、BD系と呼ばれてますね。
で、これらはまだ現役で販売され続けているんですけど(じゃあ何でクローンモデルが出るのかw)、KLONってメーカーが以前発売してて、もう作ってないケンタウロスというモデルがありまして、これが良い音だと評判になったモンだからエラいプレミア付いちゃって、今や某オークションでニ十万とかで取引されてるっていうw
ニ十万てw さすがにバカでしょw
ギターの音を「ペーン」から「ガー」にするだけのちっちゃいペダルですよ。
KLONというメーカー自体はまだあって、今だに新しいオーバードライブを作り続けていて、メーカーからしたら「もっと良いヤツ作ってるんですけど…」てなモンなんだろう、意地でもケンタウロスを再販しないのw
で、勿論コレにもクローンモデルが沢山あって、元がニ十万なもんだからクローンモデルが二万円以上で発売されても「安い!」「お買い得!」となってしまうおバカなギター弾き達w
やぁねぇもうホント。
ただ、最近になってこのエフェクター市場に中国や台湾のメーカーが参入してきた事により、驚く程安価な物も出てきて、しかも品質も悪くないんですよ。
ちょっと前まで中国製というとヒドイ品質の物が多くて、今でもそういう物もあるんだろうけど、例えばMOOREとかJOYOなんてメーカーの物は全然問題なく使えるんで、このエフェクターという沼に一石を投じる事になってきてます。
ギター弾き始めの初心者さんが家で練習するには充分だよね。
あとね、GOKKOっていうイタリアのエフェクターメーカーも安くて良い感じデス。
この話のオチは、俺がそのGOKKOのオクターブファズというエフェクターを買っちゃったっていう話なんです。
オクターブファズっていうのは所謂飛び道具的なエフェクターなんで使う機会は殆ど無いんで、買う必要は全く無いんですけどね…
まあ、4000円もしなかったんでいいんですけどね…
わかりますか皆さん、これが沼です。
おしまい