2023年10月16日月曜日

お気に入りアルバム 2023年9月

  2週間前に「もう日が暮れると20℃を下回る」と書きましたが、最早札幌は日中でも20℃以下ですよ。

 今年は札幌もかなり暑かったので、俺の周りにも急激な寒さで体調を崩す人がチラホラ。
 寒くなると身体がキュッとなって血管もキュッとなるので血圧が高
くなってしまいますからね。
 俺ぐらいの歳になると脳梗塞とか、わりと良く聞く話だったりする
んで皆さんもお気をつけください。

 てことで、俺がSpotifyでお気に入り登録したアルバムを紹
介する回、9月リリース作品のターンです。
 8月は登録数ゼロという残念な結果でしたが9月は反動の様に沢山
登録しちゃいました。

 先ずは上原ひろみの「sonicwonderland」。
 上原ひろみのアルバムというより、新たに結成したhiromi'
s sonicwonderというバンドのアルバムという位置付けみたいですね。
 バンドメンバーにトランペットというキーボード以外のメロディ楽
器が入っていて、上原ひろみが主役というよりも上原ひろみが中心となって産み出した素敵な音楽をバンドで演奏するみたいな感じに思えました。
 テクニックとかより曲の楽しさとか心地好さとか。
 いや勿論凄いテクニックも披露してるんですけどね、相変わらず。
 まあこれは説明不要の有名アーティストの新譜なんで、お聴きにな
った方も多いんじゃないでしょうか。

 次はKIRINJIの「steppin' out」
 昨今のJ-POPって「俺の考えた気の効いたコード進行発表会」
みたいな様相を呈していますが、KIRINJIは謂わばそこのオーソリティみたいな存在ではあろうかと思います。
 でもね、昨今のバンドらよりも圧倒的に品が良いんですよね。
 でありながら、音楽ファンならニヤリとしてしまう様な、良い意味
でのマニアックさも持ち合わせているところがニクイ。
 お洒落だし格好良い。
 流石です。

 次、ジェイムズ・ブレイクの「playing robots into heaven」。
 基本静謐な音楽で、そこに盛り込まれるアグレッション、パッショ
ンの的確さは流石ですよね。
 決して派手になる事なく、しかし穏やかなだけでは終わらない世界
観が静かな感動を呼ぶ、みんな大好きいつものジェイムズ・ブレイクですw

 次、Olivia Rodrigoの「GUTS」。
 この人も問答無用のスターですが、2年前のデビューアルバムより
も熱量の高いロック曲に重きを置いた内容だったのは嬉しい驚きでした。
 当然歌唱力はモンスターレベル。
 バラード曲での説得力なんて恐いくらいです。
 プロダクションも売れっ子らしい完成度で、聴く者を豪腕で捩じ伏
せる様な快作でした。

 次、狭間美帆の「beyond orbits」。
 またまた毎度お馴染みの、ビッグバンドジャズの現在形といった特
徴的サウンドでして、もう終始楽しいアルバムです。
 あんまりジャズは聴いた事がないという方でも入りやすいんじゃな
いかな。
 まあ俺もあんまりジャズ聴かないんですけどねw

 次、vagabonの「sorry I haven't called」。
 歌い方は飾り気がそんなに無いのにキュートと思わせる声質を武器
に、そこはかとなくアフロ感を孕んだ心地好いポップソングを聴かせてくれます。
 オケは基本デスクトップで作られているのでエレクトロとしても楽
しめますね。
 基本穏やかな音楽で、終盤にちょっと熱量の高いドラム&ベース系
の曲を持ってきて締めるという構成も良かったと思いました。

 次、fiehの「Ⅲ」。
 これは9月のハイライトでした。
 ノルウェーの8人組ファンクバンドで、お洒落だし格好良いし楽し
いし、終始飽きさせない様な工夫が詰まってて、それでいてクドくならないバランス感覚の良さ。
 これも今年俺的ベストアルバム候補です。
 激推し。

 次、eartheaterの「powders」。
 これは万人受けはしないだろうなというヤツなんですが、歌声は決
して美しいタイプとは言えないのにもかかわらず、音楽性は「耽美」という言葉がしっくりくるという、妖しい陶酔感が魅力の音楽をやっています。
 正直詳しくは知らないのですが、聴いていると端々に高い教養や知
識といったものを感じる、様な気がするw

 次、yeuleの「softscars」。
 シンガポール出身だそうで、Spotifyのプロフィールに第四
世代ゴスと一言だけ書いてあるんですよ。
 1曲目がなかなかのヘヴィサウンドに気合いのスクリームという感
じで、「うわぁ取っ付きにくいなぁ。でも刺さる人には刺さるヤツだなぁコレ。」と思ったら、2曲目からは普通に聴きやすかったw
 前半はグライムスっぽい感じかなと思って聴いてましたが、全体的
にはもうちょっとロック寄りという内容でしたね。
 あ、あくまでもゴスであってゴスロリじゃないですよw
 そこは勘違い無き様。

 次、rooseveltの「embrace」。
 80's風シンセサウンドを中心に据え、空間系エフェクトをたっ
ぷり使ったレトロフューチャー感満載のファンキーで軽快なポップミュージック。
 そこに特徴的な暖かみのあるヴォーカルが乗っかります。
 纏まりの良いアルバムで一気に聴ける作品でした。

 le couleurの「comme dans un penthouse」。
 かなりレトロ感の強いエレクトロポップ。
 一歩間違えばダサくなってしまいそうな事をガッツリやり切ってし
まう事で、ダサいどころか滅茶苦茶ハイセンスという感じがするんですよ。
 歌詞がほぼほぼ全編フランス語なのも良いんだと思います。きっと

 「逆にお洒落」という表現がピッタリのアルバムてした。

 次、Jorja Smithの「falling or flying」。
 言ってしまえばR&Bに分類されるのでしょうな。
 クールでありながら情熱的でもあり、スリリングでありながらソウ
ルフルでもあり、様々な要素が絶妙に渾然一体となった音楽性。
 兎に角格好良いトラックメイク。
 そしてそこに乗っかるのがなかなかに特徴的な歌声というか、喉の
鳴らし方。
 R&Bもまた、俺は熱心なリスナーとは言えないのですが、コレは
めっちゃ好きです。

 とうとう最後、HONEYMOANの「sorry like you mean it」。
 これまた全く万人受けしないヤツですw
 サイケテイストやらエキゾティシズムやら、つかみ所のない、いい
感じに狂っててマニアックなポップ・ロック。
 独特の世界観にただ身を委ねるしかないんだけど、それがなんとも
心地好いのです。

 以上が9月のお気に入り登録アルバムでした。
 もう、急に多いw
 完全に先月の反動ですな。

 お気に入り登録しなかったものでちょっと笑っちゃったのが、6月
にアルバム出したばっかりのキム・ペトラスがまた新譜をリリースしてた事でした。
 リミックス盤とかデラックス盤なのかと思ったら完全新作でしたね

 流石の売れっ子、売れるうちに売ってしまおうとw
 勿論歌は上手いしプロダクションもお金掛かってる感じはするんで
すが、どうにも「ガメツいなぁw」みたいな気持ちが先行して真面目に聴けなかったです。

 因みにこの原稿書いてるのが10/11なんですが、既に10月も
リリースラッシュで聴くのが追い付いてないです。
 嬉しい悲鳴というヤツですね。

 てな事で、来月もお楽しみに。

 おしまい。