2022年4月4日月曜日

ループのすすめ~ゲーム編

 前回の「映画編」からの続きです。

 

映画も沢山あるんですが、ゲームにもループものを題材にしたものが増えてきましたね。  まあ、そもそもゲームってループもの的な要素はあるんですよね。  スーパーマリオだってミスしたらスタートに戻って繰り返しプレイする訳だし、RPGは死んでしまってもセーブポイントからやり直せるんですから。  そんな中でも明確にループをテーマに持ってきたものの始祖と呼べる作品は「ゼルダの伝説 ムジュラの仮面」でしょう。  これはニンテンドー64で発売されたソフトで、伝説的名作「時のオカリナ」の後に出たものです。  同じ64のソフトという事でグラフィックやインターフェイスは「時のオカリナ」を流用しつつ、3日間をループするというシステムを採用したゲームですね。  3日経つと月が落下してきて世界が破滅してしまい、また1日目に戻されてしまう。  それを止める為に知識やアイテムを集める冒険がメインとなるんですけど、それをそっちのけでハマってしまうのが街の住人達が3日間どんな風に過ごしてるのかを観察するストーカー行為だったりしますw  何言ってんだと思うかも知れませんが、コレ、やったら分かります。  住人達にも日々の生活があり、人間関係があり、悩み事があります。  特定の人物が特定の時間に特定の場所で様々な行動をとる。  それを観察して、時には手助けして廻るのが楽しいんですよ。  ただ、このゲーム、ちょっと難易度が高めなのが玉に瑕。  「時のオカリナ」の後に発売された事もあって、「このゲームの基礎はもう学んでますよね。」ぐらいのスタートラインなんですよね。  だから先ずは「時のオカリナ」をプレイしてから手を出す事をお勧めします。  最近の作品だと、その名も「デスループ」というのがありましたね。  主人公の男が宿酔いで浜辺で目覚めたら、そこはループに囚われている小島で、死んでも、生きて普通に眠って翌朝を迎えても、宿酔いで浜辺で目覚めるところに戻ってしまう。  主人公が色々探った結果、24時間中に8人の特定の人物を殺す事でループから抜け出せるらしい事が分かって、それを実行しようとループの中で手筈を整えていくんですけど、主人公以外の島民は皆このループ生活を満喫してるんですよ。  そりゃそうですよね。歳もとらず死んでもその日の朝に戻る、謂わば不老不死なんだから。全員パーム・スプリングス状態。  という訳でループを止めようとする主人公の邪魔を全力でしてきます。  そういうゲーム。  あとは「リターナル」というゲームもまあまあ話題になりました。  未来の世界、企業に雇われている女性宇宙飛行士がある惑星に調査に向かうのですが、乗っている着陸艇が墜落してしまう。  降り立ったその惑星で見付けたのは、なんと自分自身の死体と、「この星でループに囚われている」という自分自身が残したメッセージログ。  訳も分からず惑星をさまようと、そこの生物達は敵意を剥き出しにして襲いかかってくる。  そして死んでしまうとメッセージログの通り不時着地点で生き返る。  そんな世界で主人公は地球に戻る為に戦いを繰り返していくというゲームです。  このゲーム、ジャンルで言うとアクションシューティングなんですが、兎に角滅茶苦茶難しいです。  何しろ死んでもループするというのをテーマにしてる訳ですから、プレーヤーに死んでもらわないといけないんだもの。  しかもね、お話の方も難解なんですよこのゲーム。  ゲーム自体を何周かしないと真のエンディングが見れない仕組みになってるんですけど、その真のエンディングを見ても「え、待って、これで終わり?」みたいな、明確な種明かしを避けたかたちで終わってしまうの。  「はい、あとは皆さんで好きに考察してくださいね。」っていう、「2001年宇宙の旅」とか「エヴァンゲリオン」みたいなタイプの終わり方をするんです。  なので、とても万人にお勧めできるものではないですw  斯く言う俺もゲーム実況者の方がYouTubeに上げた動画で観たクチでしてw  ただ、ゲームを何度か周回するって言いましたけど、その1周目と2周目の間の演出が兎に角凄い。  久々にゲームで「うおぉ、マジか…」ってなりました。  そこは一見の価値有りです。  で、上記の3本はメジャーなタイトルなんですけど、インディーゲームにもループものがあります。  ちょっと前に話題になったのが「12ミニッツ」というゲームで、ある男が仕事から帰宅して奥さんと普通に過ごしていたら、突然知らない男がやってきて殺されてしまう。  そうすると何故か帰宅するところに戻ってしまうので、なんとか殺されない様に手を尽くしたり、何故見知らぬ男が殺意を持って訪ねて来るのかを探ったりするというミステリー色の強いゲームです。  インディーゲームらしくシンプルな映像でステージも主人公の暮らすアパートの中だけという、かなりミニマムな世界の中で何度も殺されてはループして、その度に違った行動を試してみてという試行錯誤が楽しいゲーム。  ただ、ゲーム、遊びとしては楽しいんですがお話の方は俺的には「ん?」と思う点もなきにしもあらず。  あとインディーゲームでループといったら何と言っても「outer wilds」を紹介しない訳にはいきません。  ゲーム開始から22分後に恒星が爆発してしまうという危機を主人公がループを繰り返しながら宇宙を探索して謎を解くという、俺の様なSF脳がヨダレを垂らす設定のゲームです。  まさに宇宙版ムジュラの仮面的な名作。評価も非常に高いです。  こんな感じで、ループものというジャンルに的を絞ってもこれだけ多種多様の作品が映画、ゲームを問わずあるので、ここからきっかけにSFの世界に興味を持っていただける人が増えると良いなぁと、SF大好きおじさんは思っているのでした。  おしまい。