2020年11月30日月曜日

テレビの話 vol.1

  さて、前回は急に古典の話をしたので、今回は身近な話を。

 個人的に、最近はすっかりテレビを観なくなっちゃいました。
 ウチのテレビにはAmazonのFire TVというのが繋がっていて、それでインターネットブラウザを利用したり、YouTubeを観たり、NetflixやAmazonprimevideoを観たりできて、更にゲーム機のWii Uも繋がっているので、普通のテレビ番組をなかなか観る機会がなくなっちゃつて。

 ただ、そんな中でも幾つか観たいテレビ番組はあるので、それらを紹介してみようと思います。
 まあ、Netflixとかで観てるのは海外ドラマが多くて、それらはテレビで放映する為に作られた物だったりもするんで(ブレイキングバッドやらウォーキングデッドやら)、それもテレビを観てる内に入るんですけど、最近ではNetflixオリジナルとかAmazonprimevideoオリジナルというテレビ放映を念頭に置いてない物もあったりしてややこしいし、そもそも海外ドラマの話をし出したらそれだけでブログ一本分なので、今回はそっち方面は割愛しますね。

 てな訳で、早速観てるテレビ番組なんですけど、先ずはサッカー中継ですね。
 俺は札幌市民なんでコンサドーレと、あとバルセロナが好きなので、この2チームの試合は観られるものは観ます。
 あと相撲。これは全部観るというよりは、17時とか17時半位からなんとなく観始める感じです。
 野球は全く観ない。興味無いw

 で、所謂バラエティー的なものだと、今は「水曜どうでしょう」の新作が放映されてるので、それは観てます。
 どうでしょうは放送開始当初からリアルタイムで観てたので、これはもう外せません。

 それから、NHKのBSで日曜18時から放送されてる「クールジャパン」という番組はずっと観てます。
 これは日本在住の外国人達に、日本の良いところ、良くないところを指摘してもらうみたいな番組です。
 他にも似たような番組はありますけど、民放の番組だと楽しさ優先でギャーギャー騒ぎがちなのに対して、NHKの番組はある程度節度というか落ち着きがあるのが良いですね。
 面白かったのはこの番組で「日本の定食」をテーマとして扱った回で、取材を受けたお店の方が「ご飯に合う味つけを意識している」と言っているのを受けて、MCのひとりのリサ・ステッグマイヤーが「ご飯が美味しくない定食屋は嫌ですよね。」とコメントしたんです。
 そしたら、アメリカ出身の女性で、現在は日本人の男性と結婚して日本で暮らしている方が「待って、じゃあ唐揚げが最高に美味しいお店でも、ご飯が美味しくなかったらもう行かないの?」と聞いたんですよね。
 それに対してもうひとりのMCの鴻上尚史が「う~ん、行かないかなぁ~」って答えて、それを聞いたアメリカ人女性が「NO~!」ってw
 そしたら周りの他の外国人達も「ご飯ってそんなに味はしないでしょ」「ご飯はお腹をいっぱいにする為に食べるものじゃないの?」なんて言い出す訳。
 和食って無形文化遺産に登録されてて、世界中で親しまれてる筈なのに、外国人達は未だに「ご飯が主食」というのを理解できてないんだなぁっていう。
 こういう事を知れるのがこの番組の面白いところです。

 

vol.2 へ続く

2020年11月16日月曜日

竹取物語を読んでみた vol.2

vol.1の続き

  先ずは帝からの使いが竹取の翁の所にやってきて、姫を宮仕えにという話を持ってくるんですが、これは帝からの命、つまり勅命なので普通はイヤもへったくれもないんですよね。断るという選択肢は無いんです、ホントは。

 しかもこの期に翁にも宮中に職を用意するとまで言ってきてるんですよね。
 翁は竹を取ってきて篭なんかの細工物を作って売ったり、筍を売ったりして生活していた、言ってしまえば肉体労働者なんですよ。
 かぐや姫を家に迎え入れてからは、その商売で大儲けして財を成すんですけど、それでも宮中で働く=帝の臣下となるというのは破格の事なんですね。

 それに、後宮に迎え入れられるというのは、当時の女性たちの夢なんですよ。たとえ多数存在する更衣の一人だとて、帝のお妃さまになるんですから。
 今の感覚だと、別に恋愛したわけでもない帝の血筋を絶やさない為にSEXして子供を産まなきゃならないなんて何が幸せなのかとなってしまいますが、当時の感覚ではこれ程御目出度い事はないんです。

 だから翁としては大喜びで、なんとか実現したいんだけど、当の姫は「5人の男性に無理難題を吹っ掛けて袖にしておいて、帝の下にホイホイと行く訳にはいきません」と断ってしまう。
 なにしろ、この無理難題のせいで亡くなった人まで出てしまいましたからね。

 翁は仕方なく帝からの使いの人に「ウチの姫は産まれから何から普通でなく、世の中の常識というものに疎いもので、スミマセン。」と伝え、帝からの使いの人も仕方なくそれをそのまま帝に伝えるしかない。

 ここで帝が所謂暴君みたいな人であれば、勅命を拒否したんだから「ぁあ?、殺すぞ?」となってもおかしくないんですが、この帝は「へぇぇ、何その娘。見てみたい。」と言い出して、狩りに出掛けると言って宮中を出て、翁に手引きさせて姫の居室に忍び込んじゃう。(だから、細かい事言うとこの場面の帝は狩衣姿の筈なんですよね。ここもアニメは間違い。)
 で、映画ではここで姫を後ろから抱きすくめる訳ですが、原作では袖を掴んだだけです。
 勿論当時の感覚だとこの「袖を掴む」もかなりセクシャルな行為なんですけどね。
 で、映画と同じく姫の姿が見えなくなるという不思議な事が原作でも起こるんですけど、ここからが随分違う。

 帝が「すまなかった、もう貴女のことは潔く諦めるから、せめてどうか姿を見せてください。」と謝罪して、かぐや姫も姿を現します。
 勿論、当時の女性らしく袖でお顔は隠してはいますけどね。

 で、姫は帝をすっかり許して打ち解けちゃって、なんとここから文通友達になっちゃうの。ペンパルですよペンパルw
 「ヒィイイイイ、イヤァァァ! もうお月様に帰りたい!」じゃないの。仲良しなのw

 で、その後姫はだんだん塞ぎ込む様になっていって、メソメソ泣いて暮らすようになって、翁やその奥さん(媼)に「何故泣くの?」と聞かれて「もと居た所に帰らなくてはならない。あなたたちと別れるのが辛い。」と言い出すんですね。
 実はかぐや姫はもと居た世界で罪を犯して、罰として下界、つまりこの世に送られたのだと。
 で、所謂刑期が終わったのでもと居た世界、ここより上位の世界に戻されるのだと。 本来は喜ばしい事なのに、翁や媼、そして仲良くなった帝と別れるのは悲しいというのです。

 更には帝に手紙で、「宮仕えを断ったのは、いずれ帰らなくてはならないと分かっていたからで、貴方が嫌だからではなかったの。」とまで言っているんですよ。

 もうこの時点で映画「かぐや姫の物語」とエライちがうんですけどね。
 ここから更に驚きの展開。
 もう映画云々とかじゃなく、日本中の殆どの人が、竹取物語の本当の結末を知らないんじゃないでしょうか。

 姫が去っていっておしまい、じゃないんですよ、竹取物語。

 姫の元に迎えがやってきて、もと居た世界に帰ろうという際、迎えの者は姫に不老不死の薬を飲ませるんです。
 どうやら姫のもと居た世界、上位世界(月というのは単なる中継点、通過点でしかないみたい。)というのは不老不死の世界なんですね。

 そしてなんと、この不老不死の薬をかぐや姫はこっそり地上に残していくんですよ。
 しかも、それを翁でも媼でもなく、帝に渡してほしいと言い残して。
 もう完全に最愛の人は帝なんですね。

 しかもしかも、ですよ。
 その不老不死の薬、貰った帝は「要らね」っていうのw

 「不老不死なんて虚しいだけ。その薬は月に一番近い場所で燃やしてしまって。」と命じてしまうの。

 で、その「月に一番近い場所=一番高い山」で「不老不死の薬」を処分したから、その場所は「ふじさん」と呼ばれる様になったというのが、竹取物語のオチなんですよ。

 ねぇコレ知ってました?
 俺は恥ずかしながらこの歳まで知りませんでしたよ。

 実はこの他にも竹取物語にはいろんな事の由来が書かれています。
 星新一さんの現代語訳ではこの辺の事や、作中で詠まれている和歌の解説なんかも非常に丁寧にされていて、とても分かりやすかったので、興味が湧いた方は是非読んでみてください。
 まあ、もうオチはバラしちゃいましたけどw

 という訳で、アニメの「かぐや姫の物語」どころか、そこら辺の「竹取物語」の絵本とかでも、原作の内容をちゃんと描いていなかったというお話でした。

 おしまい

2020年11月2日月曜日

竹取物語を読んでみた vol.1

  そういえばもう10月になりましたが、言い忘れてた事がありました。
 cunoの新しいアルバム、まだできてませんw
 一度歌った曲を納得いかないと言って歌い直したり、ついでにギターソロも録り直したり、まあモタモタやってますわ。
 もう何曲レコーディングしたのか、ぶっちゃけ忘れかけてるんですがw、たぶんあと2~3曲必要なんじゃないかな? わかんないけどw

 さて、今回のネタ、竹取物語です。

 なんで読んでみようかと思ったかというと、アニメの「かぐや姫の物語」を観て、「あれ?」と思った点があったんですよね。
 なんと高畑勲さんが亡くなって追悼企画でテレビ放送されるまで全然観てなかったんですけどw(しかも途中から観た)

 かぐや姫に言い寄ってきた5人の男性に無理難題を吹っ掛けて袖にした後、遂に帝から宮仕えにというお声が、かぐや姫にかかるという流れなんですけど、ここでアニメ「かぐや姫の物語」では、かぐや姫を「女御に」と言っているんですよね。
 女御って後宮の女性の中でも家柄の良い人っていう解釈でいたので、「これホント?」って思ったの。

 皆さんも高校の授業で源氏物語の冒頭は教わりましたのね?
 「いづれの御時にか、女御、更衣あまた候ひ給ひける中に」っていうアレです。

 「いつの時の事だったろうか、女御、更衣が多数お仕えしていた中に」と訳せば、テストではとりあえず◯は貰える訳ですが、この訳を読んだところで意味は分からないw

 女御、更衣って何?、と思って調べてみた人なら、女御、更衣とも後宮の女性、つまり帝の血筋を絶やさない為に宮中に集められた、帝の子供を産む為の女性たちの事と知ってますよね。

 女御というのは基本的に大臣の家の娘で、それ以外は更衣と呼ばれていたらしい。
 平安時代の朝廷での大臣といったら帝のすぐ下の地位に左大臣、右大臣しかいないのというのが基本です。つまりメチャクチャ家柄が良いのが「女御」。
 それより下の、大納言だの中納言だのの家の出の女性は「更衣」。

 て事は、朝廷で働く帝の臣下ですらない竹取の翁の家から後宮に嫁いで「女御」って事あるの?
 「更衣」じゃないの?
 と思ったんですよ。(ややこしい? 繰り返し読んでくださいw)

 それともう一つ、かぐや姫に宮仕えを断られた帝が、自らかぐや姫の居室に忍び込んで、かぐや姫をいきなり後ろから抱きすくめる場面。
 あれでかぐや姫は「ヒィイイイイッ」ってなって、「もうイヤ! 帰りたい!」と願ってしまって月に帰る事になる訳なんですけど、そんな場面がホントに原作にあったのかなぁと。
 なんか俺の竹取物語の記憶だと、かぐや姫って月に帰りたくないのに帰らなきゃいけないイメージだったので、自ら帰りたいと願う話だったの?、っていう。

 て事で、原作の竹取物語を読んでみようかなと思ってはいたんですけど、勿論原文を読めるような学はアタクシにはありゃしませんので、なんか良い現代語訳がないかなと探してみたら、星新一さんが訳されてたんですよ。
 あのショート・ショートの星新一さん。
 それならきっと読みやすいだろうということで、Kindleにダウンロードしてみました。

 ということで早速結果発表~。
 先ず女御の件ですが、やはり原作ではただ「宮仕え」としか書かれていないみたいですね。「女御に」、とは言われてないらしい。
 一応ざっくりネットでチェックしてみたんですけど、星新一さんの訳以外でも「宮仕え」という表現しか見掛けなかったので、映画「かぐや姫の物語」での「女御」という表現は間違いといって良いんじゃないでしょうか。

 で、もう一つ、帝が姫の居室に忍び込んで後ろから抱きすくめる場面なんですが、これはなんと、ほぼ同じシーンがありました。
 ただ、「ほぼ同じ」な場面からのストーリー展開が全然違うんですよ。

 

vol.2 へ続く