2020年9月8日火曜日

ラスアス2炎上に思う vol.2

ラスアス2炎上に思うvol.1 の続き

  この一作で完結の筈だったラスアスの、世界中が待ち望んだ続編が、遂に今年発売となったのです。

 ラスアス2では冒頭、ジョエルとエリーが、ジョエルの弟が作ったコミュニティで暮らしている様子が描かれます。
 勿論、ジョエルが前作の最後で何をしたのかは秘密です。当たり前ですよね。ジョエルは「世界の敵」なんですから。他者に知られる訳にはいかないんです。
 ジョエルの正体を知っているのはジョエルの弟のトミーとその奥さん、それとエリーだけです。
 そのコミュニティでの暮らしが少し描かれた後、プレイヤーは突然、アビーという見知らぬ女性を操作させられます。
 このアビーという女性、美人でもなければ可愛くもない、ムキムキに鍛えられたおばさんなんです。おばさんは言い過ぎかなw まあ、酷い言い方してしまうとゴリラ姉さんって感じの。
 このアビーを操作して感染者を撃退するというパートが、ちょっとあるの。

 で、ここからとんでもないネタバレになるんで申し訳ないのですが、このアビーによって、ジョエルは殺されます。それも、かなり残酷なやり方で。しかも、エリーの目の前で。

 ラスアス2、もうゲームが始まった途端にあっという間にジョエルが死ぬんです。

 勿論、この時点でアビーという人物が何者なのかは全くわからないのですが、前作のラストを知っているプレイヤーなら、何となく察するところがある筈なんですよね。「世界の敵」なんだもの、ジョエル。

 という訳で、突如現れてジョエルを殺して去っていったアビーに復讐を誓うエリーの物語が展開されていく事になるのですが、一方で、アビーの方の物語も描かれていくんですね。
 アビーが何者で、彼女の身に何があってジョエルを殺す事になったのかという過去の部分と、現在おかれている状況、立場。
 そこに今度は自分を殺そうという復讐者が迫ってくるという。
 エリーとアビーという、二人の女性を操作してストーリーを進めていき、例によって最後には、「こんな事したくないのにゲームプレイは止められない」という状況にプレイヤーは追い込まれていくんです。

 俺的には、正にラスアスの続編を作るというテーマに真っ正面から挑んだ作品だという評価でした。
 不満点といえば、この世界の救済という部分が、今作では全然描かれてなかったというところかな。前作では、そこが根幹でしたからね。だから、是非part3も作っていただいて、そこもきちんと描いてほしい。
 あとはシナリオ的に、対比構造がちょっとしつこかったかなぁ、と。
 エリーとアビーという二人の女性の共通する部分と真逆な部分。更にはアビーと、そのアビーが殺したジョエルとも、共通する部分と真逆な部分という、対比構造というのがこの作品中で徹底して描かれていくんですが、ちょっとねぇ、やり過ぎ感があるっていうか、そこまでいくとちょっと不自然かもと思えるところはありました。
 でも、そんな不満点を帳消しにして余りある程の魅力のある作品で、また凄い物を見せてもらったというのが、俺の感想。


vol.3 へ続く