2022年2月21日月曜日

ボバ・フェット、マンダロリアンからのボバ・フェット vol.2

 vol.1 の続き

 で、一旦スターウォーズはエピソード6で終了して、映画は暫く作られなかった訳ですが、大人気コンテンツとなったスターウォーズはジョージ・ルーカスの手を離れたところで玩具やノベルやコミック、ゲームなんかがどんどん作られていく事になり、ボバ・フェットのエピソードもどんどん増えていきます。  勿論、ジョージ・ルーカスの作った物ではないのですから、スターウォーズ正史と呼べるか微妙としか言い様の無いものなんですけど、何となくファンの間でキャラクターの設定というのが定着していってしまうんですよね。  ボバ・フェットはマンダロア星系という所の出身で、彼の身に付けているヘルメットや甲冑もマンダロアの戦士達が使う物だとか。  それから何年も経って、いよいよ初期三部作の前段に当たるエピソード1~3が映画化される事となった時、もうこの人気キャラクター、ボバ・フェットをほったらかしにする事は不可能となってしまっていましたw  ただのちょい役だった筈のボバ・フェットに滅茶苦茶大きな設定が付け加えられる事になります。  エピソード4の始めの方で、ルークの父親は有望なジェダイの騎士だったが、クローン戦争により命を落としたと語られます。  実は死んだのではなくダークサイドに墜ちたダース・ベイダーが父親だったという事が後から明かされるという流れですね。  で、ここに出てくるクローン戦争というのがエピソード1~3で描かれる事になるのですね。  以前書いた事と重複になっちゃうんですが、エピソード1の時点ではスターウォーズの世界は共和制が執られていて、それに不満を持つ通商連合という者達がいた。  そこに強力なフォースの力を持ちながらダークサイドに身を落としたシスの暗黒卿ダース・シディアスなる者が裏で糸を引き、通商連合が共和国に戦争を仕掛けてきてしまいます。  通商連合はドロイド(ロボット)を兵士として運用したので倒しても倒してもどんどん兵士が出てきてしまう。  それに対抗する為、共和国側はクローン兵を採用するというのがクローン戦争という訳なんですが、このクローン兵の元となる遺伝子を提供したのがジャンゴ・フェットというマンダロア出身のバウンティハンターだったという話になったんですよ。  で、クローン兵は直ぐに兵士として利用できる様に強制的に成長を早めて作られるんですけど、一人だけ成長を早めずに普通に産み出され、ジャンゴの手によって育てられたのがボバ・フェットだったという設定になったんです。  ボバはジャンゴを父親と捉えてますが、だから厳密に言うとクローンなんですよね。母親はいないの。  それで、実はこのクローン兵の方もダース・シディアスの手引きによって作られたもので、このクローン兵達の脳内に埋め込まれたチップによってクローン兵に反乱を起こさせ、ジェダイの騎士達を殲滅するというのが最初から仕組まれた計画だったという訳なのですな。  これにまんまと引っ掛かった事で共和制は崩壊し、ダース・シディアスが皇帝となって帝国時代になってしまうと。  ジャンゴのクローンではあるもののクローン兵にはならなかったボバ・フェットには当然頭のチップは埋め込まれてはいないのですが、ジャンゴがジェダイの騎士、メイス・ウィンドウに殺害されている事からボバはジェダイに怨みを持っていて、だから後にダース・ベイダーにも手を貸したという流れという。  と、劇場版ではここまでなんですが、その後製作されたテレビシリーズ「クローンウォーズ」ではエピソード2以降のボバのようすが描かれたりしています。  それと共にジャンゴの出身地であるマンダロア星系についても多くの設定が追加されて、政治的に不安定で民族間紛争が繰り返されている様子が描かれています。  「クローンウォーズ」はジョージ・ルーカスが製作に携わっているので、これは紛れもなくスターウォーズ正史と呼べるものなんですよね。  更にはジョージ・ルーカスがルーカスフィルムをディズニーに売却した後もルーカスフィルムに残った「クローンウォーズ」の製作スタッフ達によって作られた「反乱者たち」というテレビシリーズでも、このマンダロア星系の民族間紛争の様子は続けて描かれます。  「反乱者たち」には主人公のグループにサビーヌという、やはりマンダロア出身のキャラクターが出てくるのですが、彼女がこの紛争の行方に大きく関わってくるんですよ。  だから、「マンダロリアン」をより楽しむ為には「クローンウォーズ」「反乱者たち」を観ておいた方が絶対良いですよって話なんですよね。  「マンダロリアン」に出てくるアソーカ・タノというキャラクターが何者なのかも分かりますし。  あ、そもそもマンダロリアンというのがマンダロア人って意味ですね。  で、劇場版としてはエピソード7~9が製作されたんですけど、以前ここのブログに書いた通りヒドイ出来でしてw、そこに「クローンウォーズ」からの流れを汲む「マンダロリアン」という実写ドラマが現れて、これが凄く良い出来というか、スターウォーズファンが見たかった物がガッツリ盛り込まれていて、みんな「面白ぇ~」っつって観てたら、何とここにボバ・フェットが生きていたといって出てきて、更にはボバが主役のドラマまで始まってしまったというのが現在地なんですな。  て事で、要するに「クローンウォーズ」「反乱者たち」は今後のスターウォーズ関連作品を楽しむにおいて必須なんですよね。  Disney+に加入すれば全部観れます。  ディズニーという会社には色々と思うところもあって、お金を払ってサブスクに加入するのは癪な感じが拭えないんですけど、スターウォーズというコンテンツの為ならば我慢できますw  まだ今後も、前述したアソーカが主役のドラマも控えてますし、「クローンウォーズ」の正当続編とも呼べる様な「バッドバッチ」もあるし、ユアン・マクレガーが再びオビワン役を演じるドラマも製作中なんですよ。  俺は観てないけど、マーベル作品もDisney+で観れますしね。  いや、ていうかまだ観てない人は「クローンウォーズ」「反乱者たち」のボリュームで十分お釣りがくると思います。  なんか最終的にディズニーの回し者みたいになってしまったな。  糞ぅ。  おしまい。

2022年2月7日月曜日

ボバ・フェット、マンダロリアンからのボバ・フェット vol.1

  今回はスターウォーズの登場キャラクター、ボバ・フェットの事をお話ししようと思います。  以前ここのブログでスターウォーズの実写版ドラマ「マンダロリアン」について、そのうち語りたいという旨の事を書いたと思うんですけど、「マンダロリアンについて語るには先ずボバ・フェットの話をしないとな。」と思っていたら、そのボバ・フェットが主人公のドラマが始まってしまったんですよw  ボバ・フェットっていうキャラクターはエピソード6で死んでしまっていた筈なんですが、何しろ胴体真っ二つにされた筈のダース・モールも死んでなかった事にしちゃったスターウォーズさん、シリーズ中でも一二を争う人気キャラクター、ボバ・フェットを死んでなかった事にするなんて平気でやってきますよね。油断してましたw  改めまして、ボバ・フェットはエピソード5と6に登場するバウンティハンター、所謂賞金稼ぎです。  スターウォーズは最初に公開されたのがエピソード4ですから、2作目と3作目に出てきたという事ですね。  エピソード4は帝国軍に捕らわれそうになっているレイアが「助けて」というメッセージをR2-D2に録画してオビワンが身を潜めている惑星に送り、それを受け取ったオビワンとルークがレイアを助けに行く為に宇宙船ミレニアムファルコンの船長ハン・ソロを雇うところから始まりますが、ルーク達の依頼を受けたソロの元にジャバなる者の使いがやって来て「金を返せ」と言ってきます。  ソロは「仕事が決まって金が入ってくる算段がついたから少し待て。」と言うのですが、ジャバの使いは「返さないなら殺していいと言われている。そして俺もお前を殺したい。」なんて物騒な事を言い出します。  ところがソロは「ああ、そうかよ。」と言って逆にジャバの使いを撃ち殺してしまいます。  で、何だかんだあって結局ソロはルーク、レイアと共に反乱同盟軍に参加して帝国軍と戦う事になるんですけど、という事はジャバの借金を踏み倒している形になるんですね。  で、エピソード5でダース・ベイダーの依頼を受けてルークやソロの事を追う事になるのがボバ・フェットという事になるんですが、ボバはソロを捕らえたらジャバに引き渡すとベイダーに言い、ベイダーもそれでいいと認めます。  つまりベイダーとジャバの両方から賞金を受け取ろうという計画ですね。  で、帝国から追われる身となったルーク達は、ソロの旧友ランド・カルリジアンが統治者となっているクラウドシティという場所に逃げ込むのですが、「帝国に逆らう事はできなかった」というランドの裏切りによってソロは捕らえられ、カーボン冷凍なる技術によってカチカチに固められてしまい、ボバによってジャバの元へ連れ去られてしまいます。  更にはダース・ベイダーまで現れ、まだ未熟だったルークは右手を切り落とされ、しかも何とそこでベイダーから「お前の父親は私だ。」と告げられるという衝撃の展開。  と、ここまでがエピソード5ですね。  で、エピソード6でジャバの宮殿にルーク達が助けに行く訳ですが、このジャバの宮殿にボバ・フェットも留まっていました。  宮殿に忍び込んだレイアによってカーボン冷凍から解放されたソロですが、すぐには身体が思うように動かず、結局ルーク共々捕らえられてしまい、ソロとルークは処刑される事になってしまいます。  ジャバ一行はルーク達を連れてクルーズ船で砂漠に行き、そこにある大きな穴にルークとソロを落とすと宣言します。  その穴というのがサルラックという巨大な生物の口で、そこに落ちた者は千年かけて苦しみながらゆっくりと消化されていくというのです。  ここでルークがジャバに「僕らを自由にする気はない? 今なら許すけど。」と言うのですが、ジャバのリアクションは「ハハハ、落とせ。」  ここでR2-D2が隠し持っていたライトセイバーがルークの手に渡って一気に形勢逆転。大チャンバラの末ジャバ一行は全滅となるのですが、ボバ・フェットもこのチャンバラに参加してます。  ボバ・フェットはジェットパックなるものを背中に背負っていて、それで空中を飛び回る事ができるんです。  一瞬「おお、カッコいい!」と思うんですが、なんと戦闘中にそのジェットパックに流れ弾を食らったボバは空中に投げ出され、ジャバのクルーズ船の側面にビタンと打ち付けられ、そのままサルラックの口の中に落っこちてしまうという、なかなかに間抜けな最期を遂げてしまうんですよね。  という、ここまでがボバ・フェットの出番です。  つまり、そんなに出番の多くない脇役なんですね。  しかも間抜けな死に方をしちゃう。  じゃあ何でこのキャラクターがそんなに人気者になったのかというと、兎に角見た目が格好良かったからですw  いやもうホント、それだけなんですよね。  ジョージ・ルーカスも「こんなに人気が出るんだったら、もっと沢山出しときゃ良かった。」と後に語っていて、作り手側にとっても完全に予想外だったんです。

vol.2 へ続く