2021年8月9日月曜日

ラブソング

  


前回の予告通り、YouTubeにxenolithからの2曲目のPV、「ラブソング」を公開しました。(oceanfrequencyがw)
 折角ですので今回はこのラブソングのエピソードを。

 聴いていただいて、出来れば軽く口ずさんでいただくとお分かりいただけると思うんですが、この曲はキーがバカっ高いんですよ。
 しかも歌い出しからいきなり高い。
 なにしろクリスタルキングの「大都会」より高い音が出てきますからね。

 だもんだから、俺はある程度緊張感を持ってレコーディングに臨んだんですよ。「今日の曲、いきなり高いんだよなぁ…」って。

 なのにね、ウチの作曲家先生ったら、レコーディング準備の作業しながら、すげぇ気の抜けた言い方で「今日高い所あった~?」って聞いてきたんですよ、歌う前の俺に
w

 もうね、2秒位黙りましたよね。「…???」って。
 で、「た、高いよ?」って言って、軽く歌ってみせたら「ホントだ。cuno史上一番高いんじゃない?」だってw
 アンタ、自覚無しで作っとったんかい。

 なんかどうもね、あの人は未だによく分かってないフシがあるんだなぁ。
 鍵盤の位置で「ここまでは出せる、使える音」と思っていて、そこまでなら幾らでもコントロール可能ぐらいな意識で作曲してるみたいなの。
 こっちは人の身体という「柔らかいモノ」をコントロールしていて、人が動くというのは勿論、すべからく筋肉を使った行為なんだからさ。鍵盤を押すと音が出てくる楽器とは違うんですよw
 しかも、年々年老いていってるオジサンな訳w
 実際この曲は一度目のレコーディングでは納得いくテイクが録れずに、後日喉の調子の良い日に録り直して完成してるんですよ。

 そんな苦労をして出来上がったラブソングなんですが、どうでしょう、パッと聴いた感じ、そんなに高いキーの曲に聞こえないとは思いませんか?
 クリスタルキングの「大都会」より高いと聞いて、意外に思った方もいるかも知れません。
 クリスタルキングの人の声ってガツンと強烈に来るから、聴くと「うぉっ、スゲェ」ってなりますもんね。

 これは俺の声質の特徴というか、自分で「損な声質だなぁ」と思う点なんですけど、俺の声って良く言えばマイルドで温かみのある声と言えるかもですけど(自分で良く言うな)、鋭さには欠けていて前に出てこない感じなんですよね。
 歌ってる時はメチャメチャ必死で歌ってるのに、出来上がったのを聴いてみると何かそんな感じしないんだよなぁ。頑張ってるんだけどなぁw

 あと、この曲の終盤に入ってるギターソロの事、よく覚えてないですw
 深く考えずに「こんな感じでどうかな」って弾いてみたのがスンナリ嵌まったパターンだったんだと思います。短いしね。

 そっちよりも中間に入ってるロングトーンのギターの方が苦労した記憶がある。
 アレってE-BOWサスティナーっていう物を使ってギターの弦を振動しっぱなしにしてるんですけど、左手で音程を変える時に音が途切れてしまったりして何度かテイクを費やしたんだったと思います。

 そんなこんなで出来上がったラブソングなんですが、さて、何故この曲のタイトルは「ラブソング」なんでしょう。

 お気づきでしょうか。
 xenolithに収録されている曲は全て、アルファベット表記で1ワードのタイトルとなっています。
 この曲を除いて。

 この曲の中にも「まち」が出てきますが、この「まち」はxenolithなのでしょうか?
 ちょっと違う雰囲気がします。

 実はこの曲は、xenolithというコンセプトとは「そぐわなさ」があるという事でアルバムから外されそうになったり(必死で歌ったのにw)、タイトルを「song」に変えられそうになったりと、紆余曲折あった曲だったりします。

 なんですけど、結局収録に至りました。
 それも、この曲だけ片仮名タイトルという特別な役割を持って。
 と言うか、それを可能にするアイデアを見つけたという方が正確かな。
 xenolithというアルバムのコンセプトに上手く当て嵌める事が出来ました。
 頑張って歌ったのに没にならなくて良かったw

 まあ、もう一つ、片仮名でラブソングだと検索に引っ掛かり易いんじゃないかっていうイヤらしい計算が無かったかっていうとゴニョゴニョ…(オイ)

 という感じで、今回はラブソングの裏話的な事を書いてみました。
 今後もxenolith裏話をちょこちょこ出していこうかなと思います。

 聴いてね、xenolith。

 おしまい