2017年12月19日火曜日

一番好きな映画 vol.3

vol.2 の続き

 
④奇跡が起きる。

 これもね、荒唐無稽な「全知全能の神様が現れて、全部チャラにしてくれた。」とか、「という夢でした。」じゃ駄目で。
 奇跡としか思えないにもかかわらずちゃんと納得できる、「成る程そうなるよね。」とか、「その手があったか!」っていうヤツ。
 これを考えるのって凄く難しいと思うんだけど、それを見せてくれるからこそ感銘を受けるんだと思うんだなぁ。

 で、ナウシカってこのパターンに、ホント上手くハマってるんだよね。
 正に最後、婆さまの「奇跡じゃ、奇跡じゃ。」の台詞で終わるっていう。

 あとさ、ナウシカのもう一つ見事と思う所が伏線の回収。

 ストーリー序盤で婆さまが古い言い伝えを語るのね。
「その者、青き衣を纏いて金色の野に降り立つべし。」
 でも観てる者は思う訳。
「いやナウシカ最初から青い服着てるじゃん。」
 所がナウシカ、途中で捕らえられてしまって、脱出の為に他の女の子と服を交換して、赤い服になっちゃう。
 で、この赤い服が、今度は傷ついた王蟲の子供の体液で青く染められる。
 てことでエンディングの「その者青き衣を纏いて金色の野に降り立つべし。」に繋がる。
 だけど、ナウシカ初見だとストーリー展開に夢中になってて、この青き衣の事なんて忘れちゃってるんだよね、大抵の人は。
 エンディングに婆さまがもう一度「その者青き衣を纏いて」と言い出してハッ! そうだそうだホントだって思い出すんだよね。
 これホント上手いなぁと思う。お見事。

vol.4 へ続く