2024年4月29日月曜日

F1を語る無免許

  こんにちは。
 先日角田裕毅選手が日本グランプリで見事10位入賞を果たしたという事で、F1グランプリについて語りたいと思います。

 このブログも長いことやってるんで以前にF1について書いた事があったかもう定かではないんですが、確か書いてない様な気がするので。
 書いた事があったらスミマセン、内容重複するかもしれないw

 前回も書いたんですが、俺自身は車を運転しません。
 更新をスルーしてしまったので最早無免許です。
 そんな人がF1好きというのは不思議と思う方もいらっしゃるかも
しれませんが、それは俺に言わせりゃ競馬好きな人に「乗馬しないの?」と聞く様なモンですよ。

 丁度俺が中学生の頃、アイルトン・セナとアラン・プロストという
2人の天才ドライバーがマクラーレンホンダというチームに同時に所属して大活躍して、それと同時期に中島悟さんという方が日本人初のF1フル参戦ドライバーとなっていたので、ヨーロッパで人気のF1というスポーツが日本でも人気になったので、それで俺も観る様になって、そのまま今に至ってるんですね。
 以前我々cunoのアルバム「zenolith」の製作秘話をこ
のブログに書いた時に、「race」という曲の出来た経緯を説明しましたが、俺がレース関係のワード、スリップストリームだのサイドバイサイドだのといったのがその場でポンポンと出てきたのはそういう訳だったんです。

 で、当時F1は年間で16戦で争われてたんですが、そのうち15
戦をマクラーレンが勝ってしまうという圧倒ぶりで、そこにエンジンを提供していたのがホンダという日本企業で、ドライバーも片やセンスの塊、何故速いかと言われれば彼がアイルトン・セナだからとしか言い様のないセナと、片や自身の搭乗するマシンのステアリングに手書きの乱数表を貼るという、分析力、データで速く走るプロストという対比が良かったんですよね。
 しかし2人のドライバーのライバル関係が激化してしまって、シー
ズン終盤の日本グランプリ、ホンダのお膝元鈴鹿サーキットで2人のマシンが接触して両者リタイアとなり、それによって残りのレースでセナが逆転するのは不可能となってプロストがワールドチャンピオンになります。
 で、プロストはその成績を引っ提げてフェラーリに移籍するんです
ね。
 フェラーリはF1に参戦しているチームの中でも老舗中の老舗で、
レーサーになったからにはいつかはフェラーリのドライバーになりたいという人も多いというチームなんです。
 車体もエンジンも自チーム製作で、大概のチームがスポンサー企業
のカラーに合わせて車体の色をコロコロ変える中で、フェラーリは常に赤いマシンという格好良さ。
 しかし実は常に速い訳でもなくお家騒動も多いという、サッカーク
ラブのバルセロナにも通じる様なフェラーリのドライバーとなったプロストとチャンピオン争いを繰り広げる事となったセナとは、翌年の日本グランプリでやはり接触両者リタイアとなり、今度はセナがチャンピオンとなったんです。

 そんな風にシーズン終盤のチャンピオン争いに直結してきた日本グ
ランプリなんですが、今年からシーズン序盤の4月に開催される様に変更されたんですね。
 例年のピリピリムードからうって変わって、4月の三重県、桜の季
節に開催されるグランプリ。
 勿論各チームとも真剣に戦ってはいるんですが、まだまだ今年のマ
シンの特性、弱点を分析して修正している様な段階です。
 現ワールドチャンピオンのマックス・フェルスタッペンなんてグラ
ンプリスケジュールの前に日本にやってきて、北海道のニセコでスキーを楽しんでたんだそうです。

 で、その母国グランプリで角田選手は10位に入りました。
 現在のF1は10位までポイントが貰えるので、見事入賞という事
なのですが、レースに参戦しているドライバーは20人なので10位って真ん中辺な訳で、そんなに凄くないじゃんと思われる方もいると思います。
 ただ、現在のF1はレッドブルというチームが頭一つ抜け出ていて
、それに次ぐのがフェラーリとマクラーレン。
 更にはメルセデスとアストンマーティンが隙あらば表彰台を狙うと
いった勢力図なんですね。
 で、各チーム2人のドライバーをエントリーしているので、何事も
なければトップテンはもう埋まっているんです。

 角田選手の所属しているチームというのは、実はレッドブルの下部
チームなんですよ。
 レッドブルの育成ドライバーをF1の実戦の場で経験を積ませて、
ゆくゆくはトップチームのドライバーとして総合優勝の為に貢献してもらうというところを目指している様なチームで、当然優勝を目指す様な予算規模ではないんです。
 そんなマシンで上位5チームのドライバーを食って10位に入ると
いうのは凄い事なんだという事を、是非知って頂きたいんですよ。
 更に言うと、このレースではチームの働きも素晴らしく、ピット作
業をとんでもないスピードでこなしてみせて角田選手の順位アップに貢献したんですよ。
 現在のF1は戦略性を高める為に2種類のタイヤを使う事が義務付
けられています。
 簡単に言えば柔らかめのタイヤと硬めのタイヤで、柔らかめだとグ
リップ力は高まりますが劣化も早く、逆に硬めだとグリップは弱まりますが持ちは長い。
 この2種類を使う義務を果たす為に必ずピットインしてタイヤ交換
しなきゃなんないんですが、当然これをスムーズに行えればタイム短縮になります。
 角田選手の所属するチームは規模的には強豪とは言えないのですが
、努力によって素早いピット作業を実現して入賞に漕ぎ着けたんです。

 で、という事は、順調にいけば角田選手はレッドブルのドライバー
への道が拓けていると言える訳ですが、もしそうならなかったとしても現在の走りを継続していれば他の強豪チームに移籍する可能性も出てくるでしょうね。

 現在はレッドブルはホンダのパワーユニットを搭載しています。
 今のF1マシンはガソリンで動くエンジンと、電気で動くモーター
が両方載っていて、それをまとめてパワーユニットと呼ぶんですね
 で、F1は2026年からレギュレーション、つまり明文化された
ルールが大幅に変更になって、ガソリンからエタノールに燃料が変わるんです。
 所謂カーボンニュートラルというヤツですね。
 勿論エタノールを燃料にしてもCO2は発生します。
 ただエタノールは植物から作れるので、エタノールを作る為に植物
を育てればその植物が育つ過程で光合成でCO2を吸収して酸素を生成するのでチャラだと。
 これがカーボンニュートラルという事なんです。
 で、レッドブルはそのタイミングでパワーユニットを自社製にする
んですよ。
 ご存知の通りレッドブルというのは栄養ドリンクのメーカーなんで
すが、その会社がやってるレーシングチームがとうとう車体もパワーユニットも自社製にするという時代。
 フェラーリやメルセデスといったプロの車屋さんと肩を並べようと
いうんです。
 で、ホンダはどうするかというとアストンマーティンにパワーユニ
ットを提供する事が決まっていて、角田選手はそっちに行くという道もあり得るという訳です。

 とは言え勿論レッドブルに昇格できればベストなんですけどね。

 さっきも述べましたがレッドブルというチームは頭一つ抜け出てい
ます。
 昨年はシーズン終盤まで完全に独走状態で、終盤漸くフェラーリや
メルセデス、マクラーレンが対抗できる様になったものの時既に遅し。
 なモンだから今年はどのチームも昨年のレッドブルのデザインを多
かれ少なかれ踏襲しているんですね。
 言ってみれば去年のレッドブルの車が今年のトレンドみたいな事に
なってるんですよ。
 ところが当のレッドブルはあんなに強かった昨年のマシンの正常進
化ではなく、結構攻めたデザインの車を出してきたんです。
 そういう新しい事をすると予期しないトラブルが起こったりしがち
なもので、F1ファンは今年の開幕前は「大丈夫かレッドブル」と心配していたんですが、蓋を開けてみればやっぱり速いし壊れないんですよ。
 そのチームに将来角田選手が所属できる可能性があるという事なん
です。
 それはそのまま、彼が表彰台の真ん中に立つ可能性もあるという事
ですよね。
 日本人初の快挙を果たすのは彼なのかも知れないのです。

 今や日本ではかつて程の人気はないF1グランプリですが、実は数
年前からNetflixでドキュメンタリーが配信され始めた事で特にアメリカで大人気となってます。
 F1を運営しているのはリバティメディアという企業なんですが、
巨額の富を得たこの企業は2輪の世界最高峰motoGPの運営権もゲットし、4輪と2輪の世界最高峰の両方を運営しています。
 先ずは是非このNetflixのドキュメントを観ていただいて、
F1の面白さを知ってもらって、あとは角田選手が素晴らしい事を為し遂げる瞬間を皆で待ち構えようではありませんか。

 因みに直近の中国グランプリでは角田選手はオカマ掘られてリタイ
アでしたけどねw

 今回はこんなところで。

 おしまい。

2024年4月15日月曜日

お気に入りアルバム 2024年3月

  今回は毎月恒例のヤツです。
 まあまあ多いのでサクサクいきましょう。

 3月は大物と呼べるアーティストが何組かアルバムをリリースしましたが、その中からはアリアナ・グランデの「eternal sunshine」をお気に入り登録しました。

 俺は今までテイラー・スイフトやらマイリー・サイラスやらの所謂売れそうなヤツを「ハイハイ」なんて言ってたのに、アリアナ・グランデはお気に入りなのかと思うかも知れませんが、ポイントは軽やかさですかね。
 シンガーのタイプとしてもそうですし、オケの作りもこざっぱりし
ていて嫌味が無いんです。
 とは言っても、所謂R&Bのアーティストなんでしょ?
 どうせしっとりとしたラブソングばっかなんでしょ?
 そういうのはあんまりと思う方もいるかもしれませんが、アルバム
と同時リリースされたシングル「we can't be friend」という曲なんてエレクトロポップテイストだったりしますからね。
 もう耳にした方も多いとは思いますが未聴の方は是非。
 オススメです。

 次、hollow cavesの「nothing to lose」。
 奇をてらう事のないシンプルでフォーキーなポップソング集といっ
たアルバムです。
 何となく、夏の匂いを感じるんですよね。
 何の目的もなくだらだらとドライブしながら聴いたら気持ち良さそ
う。
 あ、俺、免許の更新スルーしちゃったので無免許なんですけどねw
 もう20年以上運転してないから要らねぇやと思って。
 そしたらHONDAから新作の電動モトコンポの発売のアナウンス
があって「あ、原チャリも乗れなくなったのか」って今めっちゃ後悔してますw

 次、sheer magの「playing favorites」。
 アメリカのバンドによるポップで楽しい曲が満載のロックアルバム
です。
 能天気な様でいて案外テクニカルで、それでも頭空っぽで聴き通せ
るんです。
 ロックって良いよねと、改めて思わせてくれました。

 次、bleachersの「bleachers」。
 基本的にはアップテンポの曲を皆で演奏して皆で歌って、みたいな
バンドやってて一番楽しいヤツを生き生きとやっていて、聴いてて本当に気持ちが良いんです。
 たまに差し挟まれるしっとりした曲もめっちゃ良い。
 コレは2024年個人的ベストアルバム候補です。
 今月の一押し。

 次、竹内アンナの「DORAMAS」。
 滅茶苦茶ざっくり言ってしまうとaikoみたいな声の娘が渋谷系
やってる、みたいな。
 ただ、渋谷系の一言で片付けるのは乱暴とも思えるハイパーでハイ
クオリティな音楽です。
 邦楽アーティストのお洒落なヤツにありがちな「ハイ今お洒落な事
やりましたドヤァ」みたいのが無くて、嫌らしくなく軽やか。
 幼少期をアメリカで過ごしたんだそうで英語バッチリ、ラップもナ
チュラル。
 更にはギタリストとしてのポテンシャルも高いところも素敵ポイン
ト。
 多分コレ、おいそれとカラオケで歌おうモンなら大怪我するヤツで
す。
 カッコイイ。

 次、the stavesの「all now」。
 イギリスの姉妹グループで、イギリス人でありながらカントリーを
やってるアーティストという認識だったのですが、アルバム1曲目のイントロからして「あれ? この人達カントリーじゃなかったっけ?」となりました。
 カントリーの持つ雄大さとか、姉妹ならではのコーラス、ハーモニ
ーの美しさ、心地好さはそのままに、音楽的な間口を広げてきたなという感じでした。
 シンセポップやロック、時にはサイケ感まで感じさせる様な領域ま
で見せてくれていて、チャレンジ精神という点でも好感が持てました。

 次、salt cathedralの「before it's gone」。
 ニューヨークを拠点に活動しているデュオで、シンガーの女性は生
まれがコロンビアなんだそうです。
 で、コロンビアに本当にある塩の教会がユニット名の由来なんだそ
うな。
 音楽的にはトロピカルだったりオリエンタルだったりアフリカンビ
ートっぽかったりと、様々な要素を盛り込んだエレクトロポップといった感じです。
 バラエティ豊かで楽しく心地好いアルバムでした。

 次、standardsの「fruit galaxy」。
 ギターとドラムのデュオによるテクニカルなインストゥルメンタル
アルバムです。
 心地好いところとテクニカルなパッセージの楽しさが良い感じに次
々とやってきて、いいな~って思ってるうちに聴き終わっちゃうみたいな。
 32分という短さも、この場合は功を奏していると思います。

 ラスト、kita Alexanderの「young in love」。
 オーストリアのシンガーですね。
 80'sみのあるシンセサウンドが気持ち良いポップソングで、シ
ンガーとしては現代的な脱力感があるのでクドくないのが良かったです。
 そして何より美女。
 好きです。
 好きです。

 3月は以上のアルバムをSpotifyでお気に入り登録しました


 3月にアルバムをリリースした大物というとビヨンセですが、まあ
俺にはクドかったですねぇ~w
 ヴォーカルのスタイルとしても「歌唱力の押し売り」みたいな感じ
で、1時間オーバーのこってりした内容で「もうええて。」となってしまいました。
 ポスト・マローンと共演した曲だけお気に入り登録しました。
 勿論こっちの方が好きという方もいると思いますが。

 あとは俺が如何にも好きそうなジェイコブ・コリアーとかライドと
かですが、音楽性は大好きなんですがシンガーとしてのタイプが好みじゃないんですよね。
 ジェイコブ・コリアーのアルバムは特に中盤に同じ様な曲が多すぎ
るとも感じました。
 どこで違いを出してるかというとゲストの個性なんですよね。
 ライブの時どうすんだよw

 あと、個人的に楽しみにしていたfaye websterの新譜なんですが、好みの音楽ではあるんですがア
ルバム全体の印象として大人し過ぎかなと思いました。
 聴いた事がないという方は是非聴いてみていただきたいアーティス
トです。

 waxahatcheeも好きなアーティストなのでアルバムから
何曲かピックしたんですが、アルバムの登録はスルー。

 あとmannequin pussyもアルバム出してましたね。
 1曲だけお気に入り登録してます。

 あとはfour tetとかか。
 懐かしい~って感じでしたね。
 20年くらい前に好きだったヤーツ。

 南アフリカ出身のtylaというアーティストも話題になりました
が、すんげぇ美女でスタイル抜群で、PVを観るのは大変目の保養になるんですが音楽は結構普通だなと感じました。
 まあ美女なので好きですけどw

 3月はこんなところかな。

 また来月をお楽しみに。

 おしまい。

2024年4月1日月曜日

生まれ変わりたくない男

  こんにちは、まだ札幌は雪が融け切ってないのに給料日に我慢できずにドクターマーティンを買ってしまったkazuitです。

 大丈夫、アメリカ買い付けの中古品で一万円ちょいのお買い得品です。
 革がカッサカサなので汚れ落としたあとオイル入れないと。
 履くのはまだ先です。

 さて、この原稿を書いているのは3/27。
 て事はもうすぐ4/8。花祭りですね。
 なんだけっけソレじゃないですよ。
 お釈迦様ことガウタマ・シッダールタさんの生まれた日とされる日
です。
 クリスマスというよその宗教の救世主の誕生日に大はしゃぎしてる
んだから、大概の日本人が所属してる筈の仏教の開祖の誕生日もせめて知っときましょうよという話をこのブログでした事ありましたよね。

 このブログを読んでる方なら、このkazuitという人がキリス
ト教をあんまり良く思ってないらしいという事は何となくお分かりかと思います。
 では仏教はどうかというと、別に信仰はしてないけど檀家というシ
ステムのせいで生まれた時から勝手に所属していて、葬式とか法事とか、あとお墓の管理なんかに都合が良いからそのまま所属しっぱなしにしてるという、まあ大概の皆さんと同じ状態ですね。
 じゃあ何で信仰してないのかっていう話をしようというのが今回の
ネタでございます。

 そもそも、仏教には下敷きになる考えが二つあります。
 それは仏教ができる前からあったものです。

 一つは「人生とは苦しみである」という考え。
 仏典に「四門出遊」という有名なエピソードがあって、右に行って
も左に行っても前に行っても後ろに行っても人の苦しみにまみえるという経験をシッダールタさんはするんです。
 どうあっても逃れられるものではないと。
 何の罪を犯した訳でもない人でも、普通に生きているだけで年老い
るし、怪我や病気はするし、お金に困ったり飢えに苦しんだり人間関係に苦しめられたり、黙ってても苦しみは付いて回るものなんだと。

 で、もう一つが「輪廻転生」ですね。
 人は死んでもまたこの世に生まれ変わってくる。
 そう信じられていたんです。

 で、この二つを組み合わせるとどうなるでしょう。
 人生とは苦しみであり、その人生が終わってもまた生まれ変わって
人生をおくる。
 これをいつまでも繰り返すんだから、という事は「人は未来永劫、
永遠に苦しみ続ける」という事になっちゃいますよね。
 こんな事をみんな「そういうモンだ」と受け入れていたのに、シッ
ダールタさんは「なにソレ、ヤダよそんなの。」と言い出した。
 まあ、そりゃそうなんだけどさ。

 で、じゃあどうしましょうってなった時に、「人生とは苦しみであ
る」というのは、まあどうやっても逃れられないだろうと。
 大金持ちでも怪我や病気にはなるだろうし、体が凄い健康だとした
って人間関係や社会的地位に悩まされる事は全然ありますよね。
 実際シッダールタさんも「私は悟りを開いたぞ!」と言った後も散
々悩み、苦しみ、最期は病気で死にます。
 当たり前ですね。

 という事は、「俺、輪廻転生を止める!」っていう方向にならざる
を得ないんですが、そんなんどうすりゃ良いのよっていう話で。
 で、シッダールタさんは考えた。
 「人には生きているうちに辿り着くべきゴールみたいのがあって、
そこに至る前にみんな死んじゃうから『ふりだしに戻る』されちゃうんだろう。」と。
 そのゴールというのが悟りの境地、「涅槃」ですね。
 因みに涅槃は英語でnirvana。
 あのフロントマンのカート・コバーンがショットガン自殺した事で
伝説になったグランジバンドの名前は仏教用語だったんですね。
 日本ではニルヴァーナと一般に呼ばれてますが、英語の発音はナァ
ヴァーナの方が近いと思います。

 で、悟りの境地に至る事を「解脱」と言いますが、何から解き放た
れ脱出できるかというと輪廻転生のサイクルという訳。
 死んでもこの世に生まれ変わってくるのではなく、もっと良い所、
「浄土」に行けるんだというのがシッダールタさんの考えなんです

 この「悟りの境地」というものが何なのかは、良く分からない。
 当たり前ですよね。
 そんなに分かりやすく言葉で説明できるんなら、みんな易々と至れ
てる筈ですから。

 で、肝腎のその方法なんですが、普通に生活している普通の人は悟
りを得られずにまたこの世に転生してしまってるんだから、普通に生活しちゃ駄目って事ですよね。
 普通の生活は捨てて、ただただ解脱の為に生きる期間を経なければ
いけないという事を、シッダールタさんは主張したんです。
 これが「出家」。
 出家というのはただ家を出るんではなくて、家族と暮らすとか仕事
をしてお金を稼ぐなんていう普通の生活と決別して、修行に邁進しなきゃなんないんです。
 これで「永劫の苦しみ」から解放されますよと。
 この世に輪廻転生してこずに浄土に行ける。

 だからコレ、死んだ後の事なんですよね。
 生きている今現在を幸せにしたり、困難を取り除くものではないん
ですよ。
 コレ、キリスト教もそうですよね。
 「死後、裁きにあうから、地獄行きにされたくなかったら良き人で
ありなさいよ」というのがキリスト教。
 仏教もキリスト教も、今の人生をどうにかしてくれるものじゃない

 仏教やキリスト教の名の下に、困ってる人に多額のお布施を要求し
たり高額な壺を買わせたりして、助けてあげられる様な事を唱ってる奴らは偽者だという事です。

 更に脱線しますけど、もう随分前にオーム真理教が信者達を出家と
称して家族から引き離していたんですけど、その一方でパソコンショップを作って信者らに働かせて金稼いでいたんですよね。
 これじゃ出家になんないんですよ。
 そんなんも分からんでやってた奴らって事。

 すみません話がゴチャッとなっちゃいましたが、ここまでのお話で
皆さん仏教をどう思います?

 「人生とは苦しみ」と言われれば確かにそうとも言える面もあるだ
ろうけど、でも結構楽しく生きてるけどなぁって思いません?
 それに輪廻転生なんて信じてなくないですか?
 死んじゃったらそれまでなんじゃないかなって思うし、よしんば輪
廻するんだとしても前世の記憶が無いなら人生初回と同じ事じゃないですか。
 うん、仏教、必要ナシ!

 因みに、以前にも言った通り、我が国に仏教が伝わってきた頃は、
先ずは貴族達に広まりました。
 当時は中国は憧れの先進国で、その中国から伝わってきた最新のヤ
ツは貴族達にとって「なにソレ格好良い。俺もやりたい!」ってなって、その後から「この仏教ってめっちゃ良いから一般の人々にも広めよう」となって、朝廷が主導して世間に広められます。
 でも、朝廷というのは「天皇は天照大神という神様の血をひく者な
んだぞ」というのを根拠にした「神道」という
「宗教みたいなもの」の中枢で、そこが仏教という別の宗教を広め
たモンだからややこしい事になっちゃいました。
 まあ、神道ってどっちかっていうと宗教というよりはギリシャ神話
とか北欧神話なんかに近いものなんですけどね。
 神様は物凄い沢山いて、ご機嫌とってあげないとすぐに拗ねたり駄
々こねたりして要らん事しだしちゃう傍迷惑なものです。
 「崇める」よりも「鎮める」ものという存在。

 更には大陸と海を隔てている我が国の仏教は独自に勝手な「進化」
をし出しますw

 法然というお坊さんが、「出家しなきゃ解脱できないんじゃ、殆ん
どの人は救えないじゃないか」といって、「南無阿弥陀仏と唱えるだけで、誰でも浄土に行けるよ。」なんて言い出すんです。
 シッダールタさんの言い分をガッツリ無視w
 これが浄土宗。

 更にはこの法然の弟子だった親鸞という人が「生きてる間に浄土に
行けると確約されるんだから、人生は喜びに包まれるだろ」と、人生苦痛説も否定しちゃう。
 これが浄土真宗です。
 もう本来の仏教の面影無いだろw
 コレ読んで「え、ウチ浄土真宗だわ」ってなった人、多分いるんじ
ゃないでしょうか。

 本来の仏教って、悟りを開けないのが普通なんですよ。
 仏教に「菩薩」っていますよね。
 有名なのは弥勒菩薩。何億年だか後の世に現れて人々を救済に導く
という存在。
 この菩薩って、悟りを開いてないんですよ。
 だからこの世に転生してくるんです。
 解脱っていうのは、めっちゃハードル高いんですね。

 でも、日本では単に死ぬ事を「成仏する」って言いますよね。
 仏に成ると書くのだから、あの世、つまり浄土に行ける身になると
いう事でしょう。
 もう本来の仏教と全然違いますよね。
 死んだ後にお坊さんにお経を唱えてもらうだけであの世に行けちゃ
う。
 生きてるうちに解脱なんかしてないのに。

 また、逆に成仏できないと幽霊になってこの世に留まってしまうと
いう考え方も、仏教的にはおかしい。
 解脱できてないなら、死んだらまた人としてこの世に転生してこな
きゃいけないというのが仏教なんだから。
 幽霊になったら老いもしないし怪我も病気もしない。
 それでこの世に関与できるって、ソレもう生きてる人間より上位の
存在じゃねぇかっていうね。
 人としてこの世を生きる事こそが苦しみなんだから、幽霊は楽して
るじゃん。なった方が得じゃん。

 とまあ、本来の仏教も信仰する必要ないし、日本独自の仏教に至っ
てはもう色々滅茶苦茶ですw

 という訳で、俺は仏教も全然信仰してませんよというお話でした。

 バチが当たる?
 生まれた時点で当たってるんだってw
 信心深さを振りかざすなら、正しく理解しないとね。

 知識さえ持っていれば、神聖な宗教というものに敬虔な者であるフ
リをして、他者を騙してお金をむしり取ろうとしてる様な奴らの言ってる事を「は? 何言ってんだコイツら。」と見破れますよ。

 最後に伝説のAV男優、加藤鷹さんの名言を共有しときましょう。
 「心霊写真って、幽霊のオッパイやオチンチンが写った物が無い時
点で、全部偽物なんだよね。」

 おしまい。