2021年9月20日月曜日

xenolith

  前回のブログで「実は以外と大雑把なヴォーカルパートの話」を書いたら、oceanfrequencyさんから「間違いだらけ」と言われましたw

 なんでも、オートチューンという、歌ったそばから音程を補正するソフトは使ってないものの、レコーディング済みの音声データは事後にoceanfrequencyさんがちゃんと補正してるんですって。
 oceanfrequencyはcubaseというソフトで音楽制作、編集をしているんですが、その中にヴォーカルを補正できる機能もあるんだそうで、それを使ってるんだそうな。
 てことで、大雑把なのは俺だけだったらしいw

 俺は自分のリズム感がうんこちゃんなのは把握してるので(wallのサビの拍の頭に付点16分休符があるところはNG出しまくりましたw)、そこは補正されてるんだろうとは思ってたんだけど、音程も直されてたのねw
 ていうか、じゃあ俺が「もうちょっと上手く歌えた」と思ったparadoxのAメロは、補正してアレって事なのね。
 ありゃ、じゃあ俺、ギターだけじゃなく歌もポンコツなのか?
 すんません、もう引退しますw

 そんなこんなで、そろそろxenolithの裏話も底をついてきました。

 今回のアルバムは明確なテーマに沿って作られたものですが、実はこのテーマについてoceanfrequencyから俺に告げられたのはわりと後半でした。

 俺は途中までそういうテーマでアルバム全体を統一しようという意思があると思ってなかったので、制作途中で「なんか同じ様な歌詞ばかりじゃない?」「もっとこう、『お休みの日に美味しいクロワッサンを買いに、ちょっと離れたパン屋さんに出掛ける』みたいな歌があっても良いんじゃない?」なんて言ったら、oceanfrequencyから「いや、今回のアルバムのテーマがコレだから。」と初めて教えられて、「あ、そうだったんだ。」ってw

 それでも歌詞に使われるワードが似たようなものになってきてるとは感じたので、谷川俊太郎さんの詩集をプレゼントして、「パクっちゃいなよ」とけしかけたりもしたりw

 cycleという曲もあるので今更秘密でも何でもないのですが、このアルバムでは「転生」が描かれています。
 まあ別に仏教の思想に傾倒してる訳ではないんですけどね。

 oceanfrequencyは、すぐに多元宇宙だの並行世界だのの話をし出しちゃう人で、それは彼のホームページに書かれている文章や、xenolithの予告画像なんか見ても明白で、今回のアルバムにもorbitという曲が入ってたり「マルチバース」という歌詞があったりと、いわば集大成みたいなところがありますよね。
 結果的には上手く出来たと思ってますけど、そろそろもう良いかなw
 だってさ、よくよく考えてみればファーストアルバムが「月の舟」でセカンドアルバムが「cosmic tree」なんだから、ずっと宇宙なんだよw
 次のアルバムに向けての曲がまた宇宙ネタだったら、流石に「いや、もうええっちゅうの」と言うと思います。
 あ、でも俺引退するんだったw

 まあ冗談はさておき、oceanfrequencyという人の持つ優しさが感じられるアルバムに仕上がっていて、実はわりと真面目に気に入ってるんです。
 そのアルバムのお手伝いができて、良かったかな、と。

 なんだろうね、あと小ネタとしてはraceに入ってるマイケル風シャウトは「コレは使わなくても良いけど、一応録っておこう」と俺がふざけ半分でレコーディングしたんだけどoceanfrequencyがコラージュネタとして採用していて、「あ、使ったんだw」ってなった事とか。
 troisの歌の1行目は露骨に福山を意識して歌ってる、とか。
 wallのギターソロはバックトラックのキーはG♭なのにA♭の音階で弾いてるんだよ、とか。
 troisのギターソロではエレクトロハーモニクスというメーカーのアタックディケイというエフェクターを使ってるんだよ、とか。

 もう良いかなw

 そんなこんなで出来上がったxenolith、皆様今一度お聴きになってみてはいかがでしょうか。
 何しろ再生回数がお金…

 いや何でもないw

 おしまい。

2021年9月6日月曜日

実は意外と大雑把なヴォーカルパートの話

  前回はギターの話中心だったので、今回は歌の話をしていきましょうかね。

 アルバムを聴いていただければお分かりかと思いますが、oceanfrequencyの作る曲というのは流行りとは無縁の音楽ですね。
 と言うか、oceanfrequencyという人が、流行りの物を聴いたり分析したりしないからねぇ。(俺が知らないだけでしてたりして)

 なので音像が所謂「今時の」という感じでないのは、まあそうなんですけど、歌に関しても今時珍しい点がありまして。

 cunoの音楽では、オートチューン等のヴォーカル音程補正を使ってないんですよ。

 音楽制作に全く興味の無い方だと「え、そんなの使うモンなの普通?」と思うかもしれませんが、音楽制作の現場どころかYouTubeに「歌ってみた動画」を上げてるそこら辺の歌い手さんですら、今や普通に使ってるんですよ。

 別に、俺は歌が上手いから必要ないんだぞなんて言うつもりはなくて、多少音程がズレてても気にしてないというだけですw
 歌ってみて聴き返してみて、「これはちょっと」という場合は歌い直す。それをただただ繰り返して作っているだけなんですな。
 ギターと同じく、録音データを削除するのなんて一瞬ですからね。

 俺はかなり声を震わせて歌うタイプで、これはビブラートを掛けてるというよりは自分にとって楽な歌い方をしてるだけでして、本当ならこの「震え」を均一に揃える様に気を付けて歌うべきなんでしょうけど、聴き返してみてそこまで酷くなければ「良いんじゃね?」みたいなノリでやってますw
 音程的にも譜面通りに音符の頭にパンパンと当てていくというより、わりと遅れて合わせていくんで、早いパッセージのメロディとか苦手なんですけどw、これも聴き返してみて問題無い範囲であればOKぐらいの感じなんです。

 なので出来上がってから「もうちょい上手く歌えるなコレ」と思うものもなくもなかったりもするんですよね。
 今回で言うとparadoxのAメロとか。
 こういうのは補正ソフトを使ってれば起こらない事なんですけど、まあ良いんじゃないですかね。その方が生々しいし。

 但し、その「俺にとって楽な歌い方」じゃ駄目だった曲があって、それがアルバムラストの曲のmodestです。
 この曲、いつも通りに歌ってみて、一度「よし、出来た」と思ったんですけど、後で聴き返してみたら「この歌い方じゃヨレヨレに聞こえるな」と思ったので録り直したんですよ。なるべく声を震わせない様にして。
 聴いてる人からすると一番平坦に歌ってる様に聞こえる筈で、ひょっとしたら楽に歌ってる様に思えるかもしれないですけど、俺にとっては結構チャレンジでした。

 そんな感じで生々しさを存分に堪能いただけるメインヴォーカルなんですが、コーラスはガッツリハーモナイザーを使ってます。(オイ)

 cunoの曲って、俺がデモ音源を貰った時点ではハモりの部分は入ってないんですよ、ほとんど。
 で、俺が歌を入れた状態をoceanfrequencyがバランス調整等してみて、厚みが必要と感じた所にコーラスを足すんですけど、そのコーラスパートをいちいちデモ音源制作して俺に送って、それを俺が覚えてレコーディングしてという手順を踏んでたら膨大な時間が掛かっちゃうんで、oceanfrequencyがデスクトップ上でチャチャッと作っちゃってるんですよね。
 なのでハモりパートは全然生々しくないですw
 cunoの曲に、よくある「ウゥ~」とか「ハァ~」みたいなコーラスがないのもこういう理由です。

 とまあこんな感じで作ったアルバムなんですが、アルバムの最後の最後、modestの締めくくりに俺が生歌でハモりを入れてる箇所があるんですよね、実は。
 しかもコレ、珍しく俺のアイデアなんです。

 先ず、最後からいっこ前の所、「君と僕の歴史さ」というフレーズをダブルトラック、つまり全く同じメロディを2回重ねてあります。ちゃんと2回歌って。
 まあシンプルにその方が良い感じになりそうだと思ってやったんですけど、結果的にアルバムのコンセプトとかラブソングという曲の意義といった点でも良かったかなと。整合性が出ましたね。

 で、その次、ホントに最後のフレーズ「xenolithに歓び満ち 愛を貫いて」という所に、oceanfrequencyが作ったメロディとは別のメロディを重ねて歌っています。
 このメロディ、俺はあくまでもコーラスパートと考えて歌ったのでハイトーンの所をガッツリファルセット(裏声)で歌っているんですけど、oceanfrequencyがこのメロディを気に入ったみたいでメインのメロディの様にミックスしたんですよね。
 俺はcunoの曲で主メロでファルセットは殆ど使ってこなかったんで、なかなか珍しい事になってるんですけど、アルバムの締めくくりに特別感があるみたいな感じで良いのかなと思ってます。

 こんな感じで出来上がったxenolithですが、どうでしょう、過去のアルバムと比べてヴォーカルパートが聴き易くなったと思いませんか?
 コレ、今回のアルバムからヴォーカルマイクが変わってるからなんですよ。
 今まではダイナミックマイクを使ってたんですけど、今回からはコンデンサマイクを使ってます。
 簡単に言うとダイナミックマイクというのは電源無しで使えるマイクの事で、マイクの中に入ってる薄~い紙が耳の鼓膜の役割をしてるんですけど、声(音)が作り出す空気の振動をそのまま正にダイナミックに使うものでして。
 で、コンデンサマイクは電源が必要な分、よりセンシティブに音を拾ってくれるという物なんです。
 機材はoceanfrequencyがシコシコと買い揃えています。
 もしかしたら次回作はオートチューン使ってたりしてね。

 今回はこんな感じです。

 おしまい。