2021年3月22日月曜日

おすすめインディゲーム vol.1

  我々のやっている音楽もそうですが、今やゲームも大手メーカーから発売しなくても世に出す方法が用意されている時代。
 PCや家庭用ゲーム機、スマホでインディゲームが手軽に遊べて、メジャーなゲームと分け隔てない存在になってますよね。

 インディからスタートして、誰もが知る有名タイトルにまでなったものの代表がマインクラフトですよね。
 ただ、あのゲームは最早やれる事が多くなりすぎて逆に何やって良いのかわからないレベルになってしまっていて(だからこそ無限に遊べる訳ですけども。)、なんかかえってハードルが高くなってしまっている気さえします。
 ぶっちゃけ、ニコニコ動画やYouTubeで他者が遊んでるのを観るだけでお腹一杯な感まであります。

 最近のヒット作というと、なんと言ってもフォールガイズでしょう。
 これまでシューティングゲームによくあったバトルロイヤル形式をマリオの様なアクションゲームに落とし込んで、勝てなくてもポイントが貯まっていってコスチュームの着せ替えが多数用意されていて、というヤツです。
 これは老若男女誰でも遊べる敷居の低さもあって、たまにサーバーが重くなっちゃうくらいの大ヒット。

 それから、天穂のサクナヒメも話題になりましたね。
 これはアクションゲームのパートと稲作をするパートで構成されているゲームなんですが、稲作パートがかなり本格的で、農林水産省のホームページが攻略サイト代わりになるとまでいわれた作品です。
 このゲームは開発者の人数が極端に少ない事でも話題となりました。

 この様に、ゲーマーの間では当たり前な存在となったインディゲーム。
 その中から個人的なおすすめを今回はいくつかご紹介します。

 先ずは「風ノ旅ビト」というタイトルを紹介させてください。
 もう9年ぐらい前に発売されたタイトルで、ゲームファンの間では「何を今更」という様な定番ソフトです。
 個人的にこのタイトルがインディゲームの可能性というのを一気に世に知らしめたというイメージがあるんですよね。

 メジャータイトルの様に細部まで描き込まれた映像というのでは勿論なく、非常にシンプルな映像ながら、デザインや色合い、光と影の表現によって誰もが「美しい」と感じる世界観。
 そしてその世界を飛ぶ様に移動する爽快感。
 サクッとエンディングを見ようと思えば2時間くらいで終わってしまうゲームですが、いつまでもこの世界に留まりたいと思ってしまいます。

 また、このゲーム、始めた時はたった一人この世界に放り出された様な気がするんですが、オンライン協力プレイの要素があるんですよね。
 このゲームには言語が一切出てこないので、何処の誰だかわからない人と簡単な合図だけでコミュニケーションを取りながら一緒に旅するのはなんとも不思議な体験で、これはゲームというメディアでないとなかなか体験できない事ですよね。

 また、このゲームはメインのディレクターが中国出身の方だというのも話題となりました。
 言われてみれば確かに中国っぽいところも感じられるんですが、言われなきゃ気付かないレベル。

 このゲームはプレステとPCの他、iOS版もあるのでiPhoneをお持ちの方はスマホでも遊べます。
 賞も沢山獲得してる安心のタイトルなので、まだ遊んでない方は是非。

 vol.2へ続く 

#風ノ旅ビト

#天穂のサクナヒメ

2021年3月8日月曜日

補足~

  あんなに長々と書いたガンダムの話なんですが、スンマセン続きます。

 と言うのもね、コレ、以前クローンウォーズの話を書いた時にもあったんですけど、俺がブログでネタに取り上げた後に新しい情報が解禁されちゃったパターンを、また食らってしまいまして。

 ハイ、てことで、閃光のハサウェイの劇場版は三部作であると正式に発表されましたね。

 まあ、ファンにとっては願ったり叶ったりなんですけどね。
 と言うのも、閃光のハサウェイの原作の小説って全部で3冊なんですよ。それを一本の映画にギュッとしちゃうのかなと思ってたんで、それが小説一冊につき映画一本という余裕のある構成で見せてもらえる訳ですから、そりゃそっちの方が良いに決まってますよね。
 後で話しますけど、ガノタ(ガンダムオタクを略してガノタっていいます。)はギュッとするのはちょっとなぁと思っていたりします。

 まあ、ですから、まだガンダムに触れてない方は俺の主張通りファーストガンダムのⅠ、Ⅱ、Ⅲ、ΖガンダムのⅠ、Ⅱ、Ⅲ、逆襲のシャアの7本の映画を観て、最速で追い付いておいてからハサウェイの1本目を観ていただいて、そこからハサウェイの2本目までに色々ゆっくりと間を埋める事が出来ますよね。

 俺が後回しで大丈夫と言ったΖΖを観てみるも良し、未来へ飛んでF91やターンAガンダムをみるも良し、過去に戻ってジ・オリジンを観てみるも良し。

 ジ・オリジンは漫画の方を読むのも良いですよね。
 漫画ではファーストの話全般を再構成しつつ、ファーストの前日譚も描いているのでより理解が深まりますし、何より安彦良和さんの絵がもう素晴らしいですからね。
 アニメの世界で「ゴッドハンド」と呼ばれた安彦さんが、ペンを使わず面相筆で描く最早名人芸と呼んで差し支えない絵は、是非手に取ってみていただきたい。

 ただ、俺が一番お勧めするのは、前言をひっくり返す様なんですが、ファーストとΖのテレビ版を観てみる事なんです。

 やっぱりテレビ版を映画3本に凝縮してるんで、当然端折られてる部分とか、あと、テレビ版の時には不満が残った所を変更してあったりするんですけど、それが結構ファンにとっては元の方が好まれてたり。

 特にΖなんですよね。
 実は映画版三部作のΖは結構色々無茶してるんで観てて「ん?」となる所がモロモロあって、アレだけ観てもなかなか理解が及ばないと思うんです。

 だから、最速で追い付く為にコレで済ましてしまえという意味でお勧めしたんですけど、やっぱりテレビ版を観ていただいた方が絶対良いと思うんです。

 ファーストの方はテレビでの放送が終わって数年以内に作られてて、それこそテレビ版は視聴率が悪くて打ち切りを食らって、でもそこから評価、人気を勝ち取って映画化まで漕ぎ着けて、もうスポンサーの顔色を伺って作らなくても良い、ホントはこうしたかったんだっていう所が見てとれて、だからそういった所を見比べる楽しさなんてものがあったりもするんですね。

 例えば、以前ガンダムの話をこのブログでした時に、ガンダムの超合金が売れないせいでスポンサーから横槍が入って、後出しでガンダムと合体するGパーツというメカが出てきたという話をしたと思うんですけど、ソレ、映画には出てこない。

 それとか、ファーストにはガンダムを支援する為にガンキャノン、ガンタンクというモビルスーツが出てくると言いましたけど、このガンタンクっていうのが足が無くて下半身がキャタピラで、文字通り戦車みたいなヤツなんですよ。
 おかしいですよね、ガンダムの世界観って人型のロボットを戦争に使う方が有利という話だった筈なんだもの。
 テレビ版ではこのガンタンクが地面の無い無重力の宇宙空間でも出撃してて、これは子供心にも「ヘンだな」と誰しも思ってたと思うんですが、映画版では2機目のガンキャノンが支給されて、後半ガンタンクは出てきません。

 更に言うと、作画の責任者であった安彦良和さんが体調を崩してテレビ版の後半に関われなかったので、映画版では重要なシーンはバッチリ安彦さんの作画に直されてたりします。

 と、ファーストの方はこんな感じでテレビと映画の違いを楽しめるんですけど、問題はΖ。

 そもそも、Ζって話が複雑なんですよ。
 ファーストが地球連邦に不満を持つジオンの独立戦争の話でありながら、その奥にはジオニズムという思想、アースノイドよりもスペースノイドの方がこれからの人類を牽引する存在だという主張があったというのが、ガンダムというお話の重要な部分だと前回言いましたが、結局ジオンは敗れる訳ですよね。

 それを受けてΖでは、「そら見ろ地球人の方が優秀じゃないか」と言わんばかりに、地球連邦軍の中でも地球生まれの者を集めたエリート集団「ティターンズ」という組織が作られてて、そのティターンズが連邦軍の中で余りにも強い力を持ち過ぎてしまっている状態になっているんです。
 で、そこに対抗する反ティターンズ組織というのも幾つか生まれていて、Ζの主人公のカミーユは反ティターンズ組織であるエゥーゴに所属してるんですよ。
 だから、敵=悪者が地球連邦軍になってしまっているという、ファーストとは逆の状態になってしまっているんですけど、そのティターンズ、反ティターンズの両方に兵器を供給するアナハイムエレクトロニクスという企業があったり、そこにジオンの残党がジオンの再建を目指して勢力を拡大してきて、ファーストでは悪者だったジオンと主人公が所属するエゥーゴがティターンズを倒す為に共闘したり、更にそこに、ティターンズ所属でありながら地球にいるティターンズの幹部たちとは別の思惑を持った「木星帰りの男」シロッコなんてのが出てきたりで、三つ巴、四つ巴の構造になり、単なるドンパチだけじゃなく政治や思想、主義主張といった部分も絡んできて、通して観てても結構ややこしい。

 しかも打ち切りを食らってない分ファーストよりも長い話なのを映画3本にギュッてしちゃったら、そりゃ難解になっちゃいますよね。

 しかもね、コレちょっとネタバレになっちゃうんですけど、Ζってテレビ版と映画版で結末が違うんですよ。
 テレビではΖが終わった後、ΖΖという「続き」があったけど、映画はΖΖは作られてなくて。

 ガンダムのお話の部分を考えているのは富野由悠季さんという方だと、前回書きましたよね。
 で、富野さんはΖΖには関わってないとも書きました。

 永野護さんという方がいまして、この人は大学卒業後にガンダム等を制作しているサンライズという会社にデザイナーとして入社して、Ζガンダムにも関わった人物で、その後、ご自身のライフワークである「ファイブスター物語」の制作に全てを注ぐ為にサンライズを退社しているという人でして、この人について語りだしたら、またブログ1本分になっちゃうんで今回は止めときますが、この人が「オヤジ」と慕う富野さんと、Ζの放送も、逆襲のシャアの公開もとっくに終わって何年も経った後に対談をやったんですね。

 この対談で富野さんが「Ζは実はやりたくなかった」と告白しているんです。

 ファーストガンダムという作品は作り手側がかなり意欲的に作った物だけど、意欲作であるが故に受け入れられるのに時間がかかった物でした。

 それに対してΖというのはガンダム人気が絶頂に達して、映画も大成功、ガンプラは売れまくり、ファミコンでガンダムのゲームを出しても売れまくりという状態で、いよいよガンダムの続編を作ろうと、企画先行で始まった物で、それに富野さんは実は乗り気じゃなかったと言うんです。
 で、その「イヤな気分」が、Ζという作品には出てしまっていると富野さんは反省の念を吐露したんですね、その対談で。

 そしたら永野護さんが、「富野さんはΖを作り直さなきゃいけない」と言い出したんですよ。

 そうしたらホントに、その数年後にΖの劇場版が作られるとアナウンスされたんですよね。
 だから、富野さんにとっての「イヤな部分が出ちゃってる所」が削られる形で映画化されて、それが結末にまで及んだんでしょうね、多分。知らんけど。
 だもんだから、ファンからしたら重要と思ってたシーンが「あれ、そこカットしちゃうの?」みたいのもあるの。

 あとね、Ζの劇場版ってこんな経緯で、テレビ版から相当時間が経って作られたんで、ベースはテレビ放送局当時の映像を使いながら、新たに作り直した映像とミックスしてあるんですけど、当時とアニメの作り方、技術、技法が随分変わってしまっているモンだから、新たに作り直した部分が当時の映像にフィットしてなくて違和感バリバリなんですよw
 今やメカは全部CGですもんね。

 てことで、とりあえず追い付く為に劇場版のΖを観た人も、勧めといてナンなんですが是非テレビ版も観ていただきたいのです。
 何、ハサウェイの2本目まではきっと一年位開く筈ですから余裕ですよ。

 テレビ版のΖを観終える頃には、恐らくガンプラという沼に足を突っ込む事になりかねないですけどねw


 おしまい